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シンデレラバトローション  作者: 榊屋
10日目
72/88

10日目:探索


 戦線が始まって10日目。


 死人も増え、現状は最悪といったところか。

 毎度のことながら、作戦会議が始まった。

「さてと・・・・・・。昨日のことから、全員固まっているほうが危険性が少ない。また、サポートに転じやすい事が分かった。だから、行動はできるだけ離れず、人数は最低でも3人以上を原則とする」

 木戸はそう言って話を始めると、続けて言った。

「今回はこちらから仕掛けようと思う」

「仕掛ける・・・・・・」

「先手を相手に取られたら、今この場合は危険だ」

「けど、相手の武器の特性も分からず突っ込むのも同じくらい危険じゃねーか?」

 羽賀が言う。

 その発言に木戸は頷くと、

「確かにその通りだ」

 と言って、更に「しかし」と話を続ける。

「昨日は、相手の出方が分からなくて、戸惑っている間に、一発で仲間達が焼き払われた。だとすれば、待機していても殺される可能性は大いにあるということになる。また、動かずに出方を待っていたがために、異常生物にも先手を打たれてしまった」

「・・・・・・」

 羽賀は黙って見つめる。

「なるほどな。つまりこういうことか」

 神道が納得したように言う。

「どうせ死ぬなら、何か結果を残して死ぬほうが、仲間にとっても自分の名誉のためにも得である、と」

 その発言に木戸は頷く。

「言い方は悪いけど、そういうことになる」

「犠牲が絶対につきものの戦いともなれば仕方が無いわね」

 無花果はそう言って、

「具体的に案はあるのかしら?」

 と木戸に訊く。

「そのためには、まず相手側の拠点を捜さなければならない。20人ここには居る。5人ずつに分かれて、探索しよう。深追いは禁物だ」 

 木戸はそう言ってメンバーをわけはじめた。



「で、結局こうなるわけか」

 そう言って溜め息。

 こうなる、とは。すなわち、毎度のメンバー勢ぞろいである。毎度のメンバーは君のイマジネーションの豊かさが感じ取ってくれると信じている。

「どこに奴らが居るのか・・・・・・。橋田が確認したところでは職員室には居なかったのだろう?」

「うん。だから、別のところになる」

「また、橋田さんが情報室でパソコンを操作していたから、情報室も違うことも明らかね」

「てことは残ってる大きな部屋は・・・・・・」

「多目的と体育館・・・・・・、図書館と後は会議室くらいか?」

「応接室もあるよ」

「ではまずは近いところから潰そう」

「図書館にするか」

 誰が何を言っているかは、なんとなくで感じてください。

 君のイマジネーションの豊かさが(略)。



 入ってすぐ、羽賀が言った。

「・・・・・・どないやねん」

「何故関西弁?」

 羽賀と小さな漫才をした後、図書館を見渡す。

「何も無いな」

 神道は言って、どこからか持ってきた本を抱えて、席に座る。

「くつろごうとしていないかしら?」

「気にするな。時間は遠くはなれようとも、結果は留まり続ける」

「格好いいこと言っているように聞こえるけど、内容は無いからね」

 女子2人に責めたてられるが、神道はもろともしない。


「皆!」

 図書館の扉が急に開いて、木戸が現れた。

「他の皆が別々の場所で襲撃されてる!」

「何!?」

「頼む!助けに行ってくれ!」

「・・・・・・チィ!」

 誰よりもまず、羽賀が走っていく。場所も聞かずに。まぁアイツなら人の気配で捜すだろう。

「どこに居る!?」

「応接室と多目的と体育館と会議室だ!」

「了解。僕は会議室に行く」

 そう言ってから、僕はその部屋を去った。



====================

「私は多目的へ行ってくるよ」

 橋田はそう言って、外へ出る。

「では私は応接室へ」

 無花果はそう言って去っていった。


「神道君は・・・・・・?」

「俺はここで待機しよう。全員があわてていくところでもないだろう」

 神道は言って、もう一度席に座る。

「そもそも落ち着いて行動しなければ、俺も格好の的だからな」

「それも・・・・・・そうか。じゃあ僕もここで待機しようか」

「それがいい」

 本を開いて、読み始める。

 そんな神道の後ろに木戸は立つ。

「で、だ」

 神道は言った。対象は木戸だが、視線は本にある。


「貴様は誰だ」

 神道は、後ろで紐を握り締めて立っている木戸に向かっていった。

「あっれ・・・・・・。ばれた?」


 

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