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9日目:無理なんだい!

 あの、気付いている方は気付いているでしょうけど、


 今回の題名は基本的に駄洒落系です。


「お前、何してんだぁ!!」

 羽賀はそう言って僕にむかって上靴を投げる。

「ぐふ!」

 避ける体力も根気も残っていなかった僕にはそれはもはや弾丸にも思えたので、痛みもそこそこあった。

「いてぇよ・・・・・・。もういいじゃん。お前は、あの妙な大砲の整備頼むよ」

「お前、怪我した分際で何言ってんだ?ああ?まぁ、やるけど」

 そう言ってから、羽賀は大砲を眺め始めた。


「まさか、アイツの衣服が重かったとはな・・・・・・」

 さっきの男の死体から剥ぎ取った衣服の一部を持って、神道は言う。

「僕はてっきり脚だけだと思っていたけどね」


 さて、種明かしをしておこう。

 僕ら全員があのバズーカによって、壁に向かって貼り付けにされて倒れた時に、見つけた打開策。

 それは、あの男の衣服にあった。


 まずは、1つの疑問。アレだけの風圧をこちらに向かって飛ばしてくるのにもかかわらず、どうしてあの男は動かないのか。

 最初は体のゴツい男だったから、耐えられたのかとも思ったが、それだけで出来るほど簡単ではないだろう。

 僕が倒れた時に見たのは、脚だった。もしかして靴とか脚に鋼鉄でも仕込んでいて、体を強制的に支えているのではないだろうかと考えたのだ。

 後は簡単だった。どちらかの脚を崩せばそのまま床に向かって倒れる。そして風圧の威力は自分に来る事になる。


 以上で解答になっているのだろうか?なっていなくても、僕には分かっているからいいし。分かって無くても、あんな不条理で非常識で非科学的で非現実的なものを見せ付けられて、理解しろと言われるほうが無理難題というものだ。


「何でもいいけどさ」

 木戸はそう言ってから、僕の体を見る。

「ホント、いつも気付いたらズタズタのボロボロだよね」

「まぁな・・・・・・。せめて、終了直前ならいいけど、今回はまだそんなに時間が経っていないし」

 時計を見ると、まだ時計の針は20時だった。

 あの男が来たのは戦線が始まった直後だった。で、僕が気絶した時間もあった。あの後すぐに気絶したから。

「ていうか、自分の肌を普通刺すか?」

 羽賀は大砲をチェックしながらそう言う。

「後、あの状況下でよく弱点なんか見つけられるよな・・・・・・。何?洗練された神経かなんかなのか?」

「ああ、それは・・・・・・」

 僕は1度口篭ごもる。

「・・・・・・それは、僕がダメージくらい過ぎて弱っていたから、頭しか働けなったんだよ。だから、弱点も見つけられたし、自分を躊躇なく刺せたんだと思う」

「ああ、それもそうか」

 羽賀はそう言って、武器のチェックを続けた。


 ・・・・・・違うんだろうな。

 僕が何で、あの状況下で相手の弱点を見抜けたか・・・・・・。

 それは、人を殺すことのみを考える事のできる脳をもっていたから。相手の弱点くらいすぐ見抜けれるようになってしまったのだ。

 どうして躊躇なく自分の手をさせたのか・・・・・・。

 それは、自分が死ぬ事なんてどうでもよかったから。最悪死んでもいいけど、1割でも生き残る可能性の残る方法を考えたかったから。


 僕の中の神経では、人の死なんかそんなに考える必要の無いもとして処理されているんだぜ?


 

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