9日目:絶望Very
直訳で『めっちゃ絶望』。
・・・・・・ん?『絶望超』か?
ていうか、普通にVeryの位置がおかしいしね。
この戦いはフィクションです。実際の死亡は全く関係有りません。
「だったらよかったのに」
僕はそのまま右手に銃を構えて、左手でナイフを構えなおす。
試しに1発、頭に向かって撃つ。
「当るかよ」
ソイツはその水鉄砲(で、もういいよね)で銃弾をガードする。鋼鉄製か何かか・・・・・・?
「お前マジ、うぜえ」
男はそう言って、今度は何かを入れることも無く空砲を放った。
僕に向かって放たれたその空砲は、まるで雨を集合させて横に向かってはなったかのような、ジクジクと攻撃してくる痛みと台風のごとき風圧を呼び起こす。
「く・・・・・・」
吹っ飛ぶ・・・・・・!!
僕の足が地面から離れた。そしてその勢いに任せて、後ろの壁にぶつかる。
当然、痛い。
地面に向かってうつ伏せに倒れた。
「・・・・・・くっそ」
立ち上がろうと、体を両手で押し上げる。
「もう一発やっとくか」
男はそう言ってからもう1度構えた。
弱点が分からない以上、こちらとしては逃げ続けるしかない。
俺は必死に立ち上がってから横に向かって転がった。
ほぼ同時に引き金が引かれて、先ほどまで俺がいたところが、風圧でどんどん吹き飛んでいく。
「外したか」
男はそう言ってから、水鉄砲を下げた。
「俺を殺すことは不可能だ。なぜなら」
「撃て!」
木戸が叫ぶと同時に全員が銃を撃つ。
「人の話は聞くもんだぜ?」
男はそう言う前には既に、そのままの態勢で引き金を引いていた。
銃口は上。
すると、先ほどまでとは違い、空気は銃口からではなく、ボディの部分から空気を発射した。
360度全てに向かって風を発射する。
銃弾はその風によって停止を命令され、そのまま地面へと落下する。
「!!」
「こんな大きいものを持っているからガードはしにくいと思ったか?ダメだぜ?常識で考えちゃ」
男はそう言ってから今度は銃口をこちらに向けたまま、発射した。
ボディの部分からも空気が発射されている。当然、勢いは増す。
全員の体を後ろの壁に貼り付けるような風圧は、留まることなく吹き続ける。
「くっそが!!」
打開策はあるのか?
最新の武器・・・・・・というよりはもはやSFの域に達していそうなあんな武器相手にどう、戦えばいいのだろうか。
風を出す武器という事は、基本的には弱点は無いという事。風を倒すには同じ力の風を加えるしかない。が、それは無理だ。
・・・・・・いや、待て。
本当に弱点は無いのか?
僕は観点を間違えているに過ぎないのではないだろうか。
・・・・・・。
そして。
ようやく風が収まり、全員が壁から落とされて悲しい音を立てたその時に――
「見つけた・・・・・・」
打開策みーっけた。