8日目;その覚悟を、受ける
その日、僕はいつもどおり、寝る前に屋上に上がった。
「・・・・・・」
僕らは結局、彼らと共に戦うことにした。
しかし、それを僕は最後まで納得しなかった。
死人が増える。それを知っていたから。
「如月くん」
「んあ・・・・・・?」
目を瞑っている間に、無花果が来たようだ。
「い!」
僕の目の前に立っている。しかし、僕は寝た状態。彼女のスカートは中学生らしく短いので。
「角度を考えろ、アホ」
僕はそう言って、上半身を起こした。
何か、チャンスを逃しているような気がするが、僕はそういう罪悪感の残る事はしたくないというか・・・・・・。
閑話休題。
「何か用?」
俺は取り敢えずそう訊いてみる。
「貴方は殺人鬼なのに人が死ぬのは嫌なの?」
「出来るだけ・・・・・・。特に僕に関わったような人が死ぬのはね。そんなのを見るくらいなら自分で死ぬ」
「・・・・・・貴方は一体何なのかしら」
「え」
彼女の思わぬ発言に止まる。
「え・・・・・・っと?」
「貴方のような殺人鬼は始めてみるわ。だって、殺人鬼は殺人が好きで、人殺しが好きで、人が死ぬのが好きで・・・・・・って、基本的にそういうおかしさを持っているはずなのよ」
「そりゃあ・・・・・・そうだろうよ」
そうじゃないと殺人なんてやっていられない。
「では貴方は何故、そうなのかしら?」
「・・・・・・もしかしたら、それは浄化かもしれない」
僕は唐突にそう思った。
「この戦争で仲間達と戦ったり、守ったり、彼らのために叫んだり、怒ったりして・・・・・・僕の中の何かが狂い始めたのかもしれない。無花果の事を好きになってりして、そんな風に僕自身が変わっていったんだと思う」
「そう・・・・・・え?」
「何?」
「あ、いや」
「あ、そうだ」
思い出した。
「無花果のことが好きだったんだよ。出会ったときから」
「そんな死亡フラグみたいなことをどうしてこのタイミングで言うの?」
「さぁ。でも、僕は今、こうして無花果と一緒に居れたり、木戸たちと戦えたり、今下で聞き耳を立てている待機部隊の3人と笑い会える日々を出来るだけ永遠に繋げたいんだよ」
「・・・・・・」
無花果が冷たい視線を下に向けた。
「・・・・・・はは」
「えっと・・・・・・」
「貴様らの無防備が悪い」
と3人は弁解(なんて誰一人してないけど、まぁ、)した。
こういう日々が楽しいと思える。
それを僕は望んでいたんだ。
「寝るかな」
僕は屋上の扉の前に立ってから、
「お前ら、絶対死ぬなよ」
と告げた。
それは死亡フラグではなく、絶対に生きていくという意思表示だった。
次の日。
僕らの半数以上は消え去る、先生側の猛攻が始まったのだった。
8日目終了。
報告:次の日にめっちゃ死ぬ。