1日目:決意
更新がたびたび遅れている。とても残念なしだい。
ばらばらと音を立てて爆発した爆弾をを見ても、否、だからこそ、誰一人として口を開こうとはしなかった。
「くそッ!」
口火を切った羽賀は、黒板を3回叩いた。黒板3回は質問の合図だ。
【何ですか?】
ヒラオカが返事をした。
「今のは、向こうの宣戦布告なのか?」
怒りを抑えつつ――この怒りは先生方に対する物で、ヒラオカに対するものではない――ヒラオカに尋ねた。
【本当は相手側の作戦を話す事は禁じられているのですが、まぁ、今回は致し方ありませんね。向こう側の作戦はあなた方を騙して、勝ちを自らの物にして逃げようとしました。そしてその目論見はほぼ成功に至りました】
「どういうことだ?」
「この放送は、このクラスにのみ流れている、といえば分かりますかね?」
「・・・?」
羽賀は不思議そうにしている。
「・・・・・・まさか・・・!」
木戸が目を丸くして言った。神道は冷静な目で下を向いている。
【このクラス以外の生徒は全滅です】
そうか。全クラス同時進行で破壊したのか・・・。羽賀の耳と気弱女子(仮)の指摘が無ければ、このクラスも全滅だっただろう。
【・・・・・・放送を切り替えます。先生方、生徒の皆さんに忠告です。まず、裏切り行為は許しません。先生対生徒の戦いです。どちらかがどちらかに裏切った時点で負けですので。僕はどこからでも見ていますので。先生の人数は残り60人。生徒の人数は32人です。生徒の皆さん。今度こそよく考えてください。大人は生きるためなら、生徒も子どもも関係なく殺そうとします。コレが現実です】
ブツッ
荒々しく放送が終了した。
「どうするんだ、木戸」
神道は木戸に方向性を任せた。任される方は堪ったものではないだろうが、それでも木戸は言った。
「・・・・・・やろう」
木戸が立ち上がった。そして、前に出る。教卓に手を置き、
「始めるしかないだろ。黙って死ぬのを待つ訳にはいかない・・・・・・だろ?」
またも沈黙。しかし今までとは意味が違う。死んでいった者への追悼とこれからの戦いへの覚悟。
「・・・そうだな」
「あぁ、やろう!」
誰かが言って、それに乗じて数人の男子が野太い声を上げる。そして、女子もお互いに励ましあう声がする。そして、32人中、30人が立ち上がった。もちろん1人は俺。もう1人は・・・・・・女?アイツ・・・誰だっけ・・・。
しかし、流石の神道も気付いていないような事実に気づいたと言うあの女子には興味がわく。その事実は・・・・・・まぁ、今言っても仕方が無いから言わないで置こう。敢えて「禁句」という言葉を使っておこう。その事実は今のこの人たちに言ってしまうと大変な事態を招きかねない、それこそ「禁句」なのだから。
嘘だけど。