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8日目:仕方なく、抗う

 暇。


 あー、暇。


 おもしろい本を募集中。

 6時。

 いつものアナウンスで戦線が開始された。

 その日は授業は全無視。

 見張りは交代制で、皆、一人一人好き好きに暇を潰した。

「で?面白いものって何?」

 まずは僕が神道に質問する。

「待ってろ」

 神道が立ち上がり、校長のデスクの引き出しを空けて何かを取り出す。

「それは・・・・・・?」

「学校全体の名簿だ・・・・・・が」

 机の上に置く。

「11冊しかない」

「え?」

 この学校は1学年に4クラス。だから、本来名簿は「12冊」なければならない。


「俺達のクラスの名簿のみ存在していない」

「どういうことなんだ?」

 羽賀が天井にぶら下がりながら言う。

「さぁな。俺にはその意味は分からない。しかし、さらに面白い事を言えば・・・・・・」

 さらに何かを出してくる。

 3枚。


「・・・・・・おい!これ!?」

「そうだ」

 そこに写っていたのは・・・・・・あの3人だった。

 そう。


 既に死体になった、僕達のクラスの3人だった。

「俺に分かるのは一点。この名簿は死んだ人間のみだ」

「死んだ人間・・・・・・」

 それを確かめるためには・・・・・・。

「先生側の名簿・・・・・・ね」

 無花果が言った。

「先生側も死んだ人間の名簿があるかもしれないってことか?」

「それを確かめるために行くんだよ」

 僕の確認にそう答えてから神道ははしごを上る。

 忘れているかもしれないけれど、この間の戦いで天井は職員室とつながり、職員室自体は利用不可能になっている。先生方は恐らく情報室だ。あそこは生活しやすいから。


「・・・・・・どうだ?名簿は?」

 橋田と羽賀を置いて、職員室に上った。恐らく今は大丈夫だろうけれど、橋田は1番弱いので、危険性が高いとの判断だった。

「無いな」

 神道はそう答えた。

「生徒の分だけ取られているのかもしれないな」

「そう・・・・・・か」

 と。

 僕はなんとなく先生方の机を見た。

 ・・・・・・。

「なぁ、パソコン使えそうかどうか見てくれないか?」

「・・・・・・なんで俺に言う」

 神道は言った。

「俺できない、無花果論外」

「・・・・・・羽賀あ!」

 神道は下に降りていった。

 何だ。アイツも出来ないのか。


 しばらくして羽賀が上がってきて、パソコンをいじり始めた。

「あ~・・・・・・これは無理だ。こっちのは・・・・・・」

 と先生方のノートパソコンをいくつか触る。


「・・・・・・お、これはちょっと直せば使えそうだ」

「じゃあ持って降りよう」


 持って降りて、それを眺める。

「・・・・・・どうだ?」

「ん、繋がったぜ」

 パソコンのインターネット環境を戻し、ネットの検索画面を開く。


「で?何調べるんだ?」

「・・・・・・南瓜生中学校 羽賀 祝人」

「は?」

 羽賀は突然、自分の名前を言われて固まる。

「いいからいれろって」

「・・・・・・分かったよ」

 しぶしぶながら入力すると

「・・・・・・なんだよ・・・・・・これ」

 検索結果の1番上をクリックして、羽賀は驚愕した。

「俺・・・・・・なんでばれてんだ?・・・・・・え?」

 パニックが起きている。

 そりゃそうだ。僕だって、自分のを見た瞬間、同じ感情に見舞われた。


 そう、これは何者かが作り上げた僕らの『真実』なのだ。

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