7日目:Search Engine
検索エンジン。
インターネットの話です。
図書室。
無花果に遅れて俺達が入ると、既に新聞を読み漁っていた。
まだ1分と経っていないのに、既に2部は読み終わっている。
「あぁ・・・・・・羽賀君、この辺の地域、動き回るでしょう?地図のほう宜しく。如月君はインターネットで『さいばー』や『ねっと』関係を検索してみて」
「了解」
と羽賀はすぐに答えて地図のある本棚から何冊から取り始めた。僕は黙って、唯一のパソコンに座ってから
「お前がパソコンやればいいのに」
と無花果に言った。
「私、機械だけは苦手なのよ。特に武器以外はね」
・・・・・・あ。
そう言えば『情報』の授業で、パソコンに触っていた時、
「マウス?ねずみの事かしら?」
「くりっくってなに?」
「左ってどっちだったかしら?」
とか言っていた。うん、最後のは間違いなく、彼女なりの冗談だろう。
閑話休題。
「・・・・・・ネットのサーバーには繋がったぞ」
「そう、よく分からないけれど」
うん、一々アイツに言うのはやめよう。
検索エンジンに『ハッキング事件』と入れた後、今年の年代を入れる。
「・・・・・・」
めぼしい情報は見つからない。最近そういった事件は無いようだ。
次に『コンピューター 廃工場』と入れて、この地域の名前を入れる。
「・・・・・・」
廃工場自体はいくつかあるようだが、それも小さな部分(チップや精密機械)しか作っていなかったようなので、これも収穫なし・・・・・・か。
ふと。
僕は暇つぶしを始めた。
『南瓜生中学 羽賀 祝人』
と僕は打つ。
「あ」
出た。
羽賀祝人:忍の里の後継者
・・・・・・終わり?
っていうか、何でこんなことが出るんだ?誰も知らない情報じゃないのか・・・・・・!?
あ。でも、訊いたら教えてくれるくらいだから、案外セキュリティは薄いのかも。
・・・・・・。
僕は気になって、さらに名前を打つ。
『南瓜生中学 橋田明日香』
出た。
橋田明日香:特別な目を持っている。昔からバードウォッチングをしていたことと、家柄によって人の顔色を伺って過ごしてきたのが、その原点と考えられる。
・・・・・・僕らが知らない情報まで・・・・・・。
アイツ・・・・・・そんな過去があったのか。
こうなれば僕の指は止まらない。
『南瓜生中学 神道結弦』
検索結果
神道結弦:天才。神道家の人間は全て法曹界に流通している。また、警察にも居る。
どうも簡略化している。僕の調べただけでももっと凄かったのに。
でも良く考えると前の2人も短かった。
・・・・・・でないかもしれないけれど。
『南瓜生中学 無花果弥生』
・・・・・・へぇ・・・・・・。
無花果弥生:父親不明。母親は彼女が子どもの頃に死亡した。そして母親の所属していた教会で少女時代を過ごす。教会は不明。
本当に面白い情報があるもんだな。
それにしても彼女はどうも重い人生を歩んできたようだな。もしかしたら、僕が寝ていた間に全員知っているのかもしれないけど。
・・・・・・僕には特別な事情は無いから、出ないかもしれないけれど。
と思いながら僕は
『南瓜生中学校 如月幽鬼』
と名前を入力した。
「これは・・・・・・!?」
「どうかしたの?」
無花果が反応する。
如月幽鬼:殺人に秀でた家系、『如月』に生を受けた。父親の姓である。南瓜生の殺人鬼。
記念すべき50話。
これからもよろしくね。