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1日目:岐路


分かれ道のこと。


生きるか死ぬかとかね。殺すか生かすかとかね。


あぁ…いつかは自分も立つことになるんだろう。


 放送が終了して、教室は静けさを保った状態を、3秒ほど続けた。


「委員長。貴様だけが頼りだ」

 神道が、木戸に向かって言った。

「俺は、皆を黙らせれても統率力までは存在しない。この俺でも、この現状は貴様に頼らざるを得ない」

 神道の声に

「そ・・・そうだ。木戸。何とかならないのか?」

「お前が頼りなんだ」

 と、賛同の声が上がる。

「・・・え・・・あ・・・あぁ・・・。今のところ、少し考えているのは、先生が僕達に攻撃の意志があるのかということなんだけど・・・」

「確かに、向こう側から仕掛けてこなかったら、俺達が何とかする必要はないな。流石だ」

 神道はどうやら、木戸を信頼しているようだ。彼のようなタイプが人に対して敬意に近い物を表すのはとても珍しい気がする。

「うん。僕達が今どうすればいいのかは、先生の対応によるん――」

 ガララッ!

「大丈夫ですか?」

 ほら来たよ。僕らの道筋を決める、「JOKER」が。性別は女か・・・・・・。

「あ、はい。取り敢えずは、今のところはあの話は信用していません」

 ナイス判断だ。わざわざここで、正直に生きる必要は無いだろう。あ・・・・・・僕も彼に敬意を持ってるな・・・・・・こういうのも珍しいんだろうな。

「そうですか。今、警察に連絡して現状把握に急いでいるので、このまま待機していてください」

 それだけ伝えると、扉を開けて出てきた。


「・・・・・・今のところは信用していいんだよな?」

 誰かが言ったので、


「そんな訳無いだろ」

「そんな訳無いだろう」

「そうでは無いよ」


 ・・・・・・被ったな。上から、僕、神道、木戸である。しまった。こんなタイミングで目立ってしまった。思わず口走ってしまった。しかも勝手に言っただけならばまだしも、陰の委員長と日向の委員長の両方と意見が被ってしまったので、すなわち、

「どういうことだよ、如月」

 と、僕に意見を求めることは間違いない。あぁ、皆の視線も僕に集まっている。いやだなぁ・・・。

「・・・・・・ここまで用意周到な犯人・・・『ヒラオカ』が、電話が通るような電波回線を残しているとは思えない。実際、俺達はあの兵器が有る限り、この学校からは出れないのだから・・・・・・まぁ警察が来ても殺されるだろうけど。それはともかく、つまり、あの人達は電話が繋がらないのを知っていて、僕達にそう伝えてきたのさ」

「心配させたくなかっただけじゃねェの?それが教師の判断――」

「心配かけたくないなら言うだろう。この生死を争う状況で隠し立てなんかしたら、むしろ、殺される危険性が高まる。あの人達はそこまでして隠したい何か・・・・・・或いは、実行したい何かがあるのさ」

 ・・・・・・ふぅ。皆も納得してくれたように黙っている。まぁ、きっと単純に、驚いているのだろう。あぁ、目立つのは苦手だ。


「へぇ・・・。すごい奴もいたもんだなぁ・・・」

 神道が俺に感嘆の声を上げてくれた。あー、嬉しいなっと。

「じゃあ、その、何かは一体何なのかな?」

「僕には分からないよ」

 取り敢えず返答。

「・・・・・・何か仕掛けられた・・・とか」

 誰かが言った。的確な指示だな・・・。誰だろう。と、見てみると、気弱そうな女子だった。名前は知らん。女子は殺しの対象だからな。


「じゃあ、ちょっと見てみっか」

 気楽に先頭の席の奴が入り口に近づいた。

「んー。何もないな・・・・・・って、ん?」

 その男が止まった。

「・・・・・・なんか聞こえんぞ」

「はぁ?何言ってんだ、羽賀」

 どうやら羽賀という名前らしい。おちゃらけている感じだけれど、見た目もチャラいが、若者っぽい感じというよりは、髪型が異質と言う感じだ。詳細は略。

「機械音だ。うん・・・?」

 教卓の中を調べる羽賀。

「・・・・・・あった」

 と、中から何かを取り出した。

「何だべ?コレ」

 妙な基盤だった。妙な機械音を出している。ピコーン、ピコーンと、ウルトラマンのカラータイマーのような音だ。

「・・・ソレって、コレじゃない?」

 さっきの気弱そうな女が言う。例の武器の中にある奴だ。

「何なんだ?ソレ」

「紙になんか書いてある……。『時間差を1時間以内に決められる時限爆弾です。大きさが割と大きいですが、威力は部屋を1つ破壊できます』だってさ」

「残り10秒だぞ」

 羽賀が言った。はは。あ~もう!

 気づいた時には走りだしていた。そう!正義感ゆえに!なわけねぇって!

「よこせ!」

 俺は羽賀の手から無理やり基盤をぶんどった。そして、窓をタイミング良く開けた木戸に感謝しながらそれを外へとぶん投げた。


 ドゴォォォォ!

 それは外で爆発して、俺と窓際の他の人たち(木戸も含む)は吹っ飛ぶ。心配ない。風圧だけだ。死にはしない。

 けれど、それでも僕らは感じているはずだ。生死と隣り合った人という生物はいとも簡単に命を奪おうと戦い始める。これが、寝返った。裏切った。裏返ったというやつ。最後だけは違うかもね。




1+1=?


?に当てはまること。


2、11、田、古、甲、由、申


とか言ってる人、バカじゃね?って思ってたけど。


よく考えると、これ初めて考えた人天才じゃん。

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