7日目:No one knows what may happen tomorrow
一寸先は闇
教室を出た途端、
「如月!」
と僕を呼ぶ声が廊下に響き渡った。ちなみに、僕を呼んでくれた君の名前も僕は分からない。
「どこ行ってたんだよ!?」
「ちょっと墓参り」
「あぁ・・・・・・そうか」
勢いをなくして、少し俯いた。
「大丈夫だ。アイツの死も、俺達の糧になっている」
僕はそう言って、彼を激励した。
「そう・・・・・・だよな。ああ、頑張ろう!皆を呼んでくるよ」
と、彼はそう言って走っていった。
「何か変わったわね?」
「まぁな」
それ以上何か訊かれる筋合いは無いので、切り上げるようにそう言ってから、僕らの教室に入る。
それからしばらくして全員帰ってきた。
どこに行っていたのかとか怪我は大丈夫なのかとか訊かれたけれど、何とか対処しておいた。
現在8時15分。後もう少しで先生の居ないHRが始まり、その後、先生と生徒の惰性の授業が始まる。
なので。
僕は相変わらず屋上に向かった。
「で?何で相変わらず着いて来るんだ?」
「もう日常の習慣なのよ」
「僕は殺人鬼だって言ったろ?それが分かっていれば、僕に付きまとう必要は無いだろう?」
「私は貴方に惹かれたの。だから貴方についていく。悪い?」
・・・・・・やっほい。両想いだ。やったね。
「悪い。僕は1人で行動したいんだ」
「屋上着いたわよ」
「聞け」
無花果は僕の発言を完全無視という方法で対処して、屋上の扉を開いた。
「風が強いわね」
無花果は言いながら、はしごを使って2階に上がった。
「全く・・・・・・」
僕はそう呟いてから2階に上がった。はしごを使わずに、腕の力で上る。なんとなくそうしたかっただけで、特に意味は無い。
「お前・・・・・・何がしたいんだよ」
「別に」
「もういいけどさ」
僕はそう言ってからいつもどおり寝転んだ。
というところで、HRが始まったようだ。チャイムは鳴らない。
「・・・・・・そういえばチャイムが鳴らないな」
「そうね。戦争が始まってから鳴ったためしがないわ」
「・・・・・・もしかしてこれも『ヒラオカ』と関係があるのかな・・・・・・?」
「・・・・・・私は昨夜考えていた事があるの」
「僕もだ」
僕は寝たままで、無花果は上を向いて言った。
「「ヒラオカを殺す」」
同時だった。
「出来るだろうか」
「しましょう。私はこんな犯罪を許しはしないわ」
「だな」
僕はそう言ってから眠りについた。
日差しは良好。僕らの未来は良いか悪いかは分からない。
一寸先は闇。
僕らはこれから闇の中を突っ走ることになりそうだ。
じゃあ、僕らは「暗中飛躍」と行こう。
ひそかに、誰にも気付かれないように策動してやろう。
見えないからといって諦める理由にはならない。
勝てないことが戦わない理由にはならないように。