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6日目:24:00


「私に何か?」

「お前を殺すんだよ」

 男教師が言った。物騒ね。ええ、本当に。

「時雨の最後の指示は、如月、神道、無花果、木戸を殺すということだった。私達はそれを遂行するだけよ」

 ・・・・・・全く・・・・・・。

 取り敢えずは向こう側から攻撃させるが吉ね。相手には油断しているように見せればいい。

「そう。無力ね。死者の言葉に頼らなければならない貴方達の馬鹿さ加減に同情するわ」

 私はそう言って挑発した。

 そして残念な頭の先生方の1人が突きつけていた銃を発砲した。

 私は1度しゃがんでそれを避けてから跳ねた。


 さて。まずは現状理解。

 相手は男3人、女2人ね。武器は全員が銃。彼を習って細かい描写は避けておく事にするわ。少なくとも、機関銃やライフルの類ではない、とだけ言っておくわ。

 私の突然の跳躍に驚きを隠せない顔をしている。そりゃあそうね。あの人たちは私の『仕事』をまだ見てはいないのだから。この間だって、煙の中で私は仕事をしていたのだから。

「く・・・・・・撃て!!」

 男の1人が叫んだ。その声ではっとした顔になり、全員一斉に空中から降り立った私に銃を向けた。

 しかしその速度では私には追いつけない。

 なぜなら私は通常の人間の2倍の速度を有するから。

 偏見や常識で私に勝てるはずが無いのよ。


 そういうわけで手近な男の教師の突き出していた銃を蹴り上げて、滞空中に勢いをつけて顔面を横回し蹴りで倒す。瞬間的過ぎて他の教師はいまだ追いついていない。そして蹴り上げた銃に追いつこうと、もう一度跳躍した。ようやく、倒れた教師に他の教師が気付く。遅いわね。

 銃をキャッチしてそのまま空中で一発。女教師の腹部を打ち抜く。

「くっそ!!」

 ようやく私に追いついたようだ。常識を捨てればそう難しいことではないでしょうけれど、まぁ捨てきれない常識という物があるのよ。だからそう簡単なことではないわ。てなわけで今、3人目の男の人の脚を払って、攻撃に成功したわ。と同時に4人目が発砲。その銃弾は私の推測どおり、私が先ほど倒したばかりの男の人の胸にヒットして、動かなくなった。その間に腹部を打ち抜かれてのたうち回っている女教師を撃ってから息の根を止めた。

 流れについていけない男女2人の銃を蹴り飛ばして、怯んだところを銃で撃つ。的確に頭を。


「・・・・・・よし。終わり・・・・・・じゃなかったわね」

 そう言ってから最初に気絶させた男教師の方を見た。

 ぱん。

 と。


 私の左胸が撃たれた。


「あ」

 起き上がって、先ほど私が弾き飛ばした、別の銃を掴んでいた。

「お前の強さは良く分かった」

 教師の姿が下に向かって消える。私の視界が天井へ向かう。

 ああ。


 ああ、昨日助けられた命は今日尽きるのだろうか。

 そう思った。


 でも私には死ぬ理由が無い。死ななければならない理由が無い。

 だとすれば私は誰かに生かされている。でもそれは神様ではない。それは私達の信条のはず。


 そう、私は私に関わる人間に支えられているのよ。全ての人間はそうであるはずだ。


「・・・・・・な・・・・・・!!」

 私が立ち上がったのを見て驚く。

「な、何をした!?」

「支えてもらいました。私に関わった親愛なる人へ」

 そう言ってから私は速攻で近づき、銃を突きつけ、引き金を引いた。



 ・・・・・・ふう。

 面倒だった。保健室に行くだけでどれだけ時間を掛けさせるのかしら。

 そう思ったときに


【12時になりました。戦線終了です。これ以上の攻撃は、こちらへの敵対と看做します】


 との放送が流れた。

「仕方ないわね」

 心配を掛けるわけにはいかないから、取り敢えず1度教室に戻りましょうか。

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