5日目:籌を帷幄に運らし千里の外に決す
意味:計略・計画が巧みな事のたとえ。
僕らが教室に帰ってきたとき、彼らは全員そこにいた。
「大丈夫か!?」
誰よりも早く神道がそう叫んだ。
「ああ・・・・・・・取り敢えずは・・・・・・」
「死者は出てないのか?」
「ああ。まぁ・・・・・・」
「良かった・・・・・・」
本気で安堵したように神道は呟くと、そこにへたり込んだ。彼は何だかんだ言っても、仲間意識が高いようだ。
「でも一体何があったんだ?君らは恐らく付きまとわれていたんだろう?」
男子生徒の1人が質問した。
「どうやらそうでもなかったようよ。視線は有ったけれど、どうやら向こうの策に嵌ってしまっていたようね」
「なるほど・・・・・・。こちら側の作戦を逆利用されたわけか・・・・・・」
木戸が呟いた。さらに木戸は続ける。
「となると、向こう側の作戦担当の存在が分かってきたね」
「作戦担当?」
「恐らく、数学の教師の『時雨 明人』だね。彼はよくこう言われているよ。『神道の教師バージョン』ってね。そして逆もまた然りだ」
逆・・・・・・つまり神道が「時雨の生徒バージョン」ということか。それはそれは・・・・・・人と人とを比べるなんてどうかしているよね。人なんて全員平等だろうに。だって、どんなに金を集めても、長生きしても、明日を見ても死は平等に訪れるんだ。少なくとも不老不死の薬が出来ない限り。
閑話休題。
そして、神道の眼はその言葉を受けて全てを睨むような鋭い眼光へと変化した。
「俺の教師バージョン。それは良い。俺はその立場にあっていいのだからな。しかし、俺が誰かであるはずがない。神道は『神の行く道を進んでいく者』としての考え方だ」
今にも大地を揺らして、スーパーサイヤ人にでもなりそうだ。そんな怒りが見受けられる。
「俺は絶対に負けん。俺に頭脳で勝負を持ち込んできた事を後悔させてやるぞ・・・・・・時雨・・・・・・」
そう言って神道は思考を開始した。
その間に僕も思考をまとめる。
今回の作戦担当――前回のダミーでの騙しもこいつの作戦かもしれないが――は「時雨 明人」だ。こいつは恐らく前回のダミー戦での経験をその女から聞いて、僕達を危険人物だと判断した。だから、監視の目を置いてきた。ここまでは僕らの予想通りだったのだが、向こうは僕らがその穴を利用してくる事まで先読みしていたのだろう。だから僕や無花果の相手の視線に対して敏感であることを利用した。学校の先生で、天才なのだから、もしかしたらそのくらいは覚えていて知っていたかもしれない(その先生の授業を受けたかどうかは定かでない)。或いは他の誰かから聞いた可能性もあるが。ともかく、向こうは僕らが騙されている間に、僕らの仲間を殺そうとたくらんだわけだ・・・・・・。そしてその目論見は見事に成功して、こうして負傷者が多数出たと・・・・・・。
うむ。こうしてまとめてみると、僕らは今回劣勢を喫しているわけだ・・・・・・。
「よし。作戦は完璧だ。今から言う事を全員覚えて叩き込め」
神道はそういうと、作戦を話し始めた。
僕はその作戦を聞いて完璧だと感じた。
自分がどうなるかも分からずに・・・・・・。
それこそ、塞翁が馬というところだったろう。
最近色々有りまして、情緒不安定で心のバランスが取れなくなってきました。
一体何をすればいいのか、自分でも模索中です。
あー・・・・・・青春してーな。