4日目:一生他生
コレは造語。
一殺多生の文字をもじってみた。[多]を[他]にしているのもわざと。
「さっさと殺していい?」
無花果が物騒に投げかける。
「やるなら僕だ」
と僕がナイフを構える。
「私の獲物よ」
「僕がやる」
「貴方はなんでもないでしょう?」
「お前は僕の事を殺人鬼って言ってたじゃないか」
「何?もしかして認めるの?」
「認める以前の問題だ。つーか、認めたらここで譲るのか?」
「・・・・・・まぁいやね」
「ほら見ろ」
「埒が明かないわね」
「明かないな」
ってなわけで。
「神道。どうするんだ?」
「そうだな」
そう言って神道が考えて、
「コイツは生かそう」
「「えー」」
「うるさい。それ以上口を開いたら殺す」
「「やれるもんなら」」
という会話で終了した。
「以上だ。とっとと帰れ。5秒以内に失せろ」
「は、はい!!」
そして階段に向かってそれこそ落ちるように階段を降りていった。ってか落ちた。
「・・・・・・で、何で逃がしたんだ?」
「特に理由はない。単純に向こうに恐怖心を煽りたかっただけだ」
「それなら関わった奴ら全員殺したほうが良かったんじゃないか?だって俺達が危険人物だってばれたわけだし」
「そうだな。でもそうじゃない。それは逆に、他のメンバーに対する意識を逸らせるんだ。予想外からの奇襲を仕掛けられる」
「計算高いわね」
「褒め言葉と受け取っておく」
そう言って神道も階段を降り始める。
まだ20時にもなっていなかったが、戦線にとっての危険はこれから先は何一つなく、4日目はこれからにそこまで死傷を与える事はなかった。
と、思っていた。