4日目:一殺多生
意味は物語内で紹介。
「コレどうすんだよ!」
「俺に任せろ」
神道はそういうと、教卓の中から、何か取り出してきた。
「それって・・・・・・」
「手榴弾。グレネードでも何でも呼べ」
「グレネードは?」
「グレねーど!」
と、神道は僕の駄洒落に付き合いながら、それを前方に向かって投げた。
うわ――――ボカーン
という形で、煙が舞う。
「何でこの部屋に、そんな物置いておいたんだ?」
「俺の頭に掛かればここらで何か仕掛ける事は分かっていた。恐らく、職員室の上の教室で待ち構えるだろうと考えたから、この教室にだけは、何も置かない。そう考えて昨日のうちに武器を仕込んでおいた。助かった13人はココに合った武器を使って逃げたんだ。さっきな」
「僕が来るまではいたのかよ」
「じゃ、さっさと逆転といくか」
僕に武器を投げて立ち上がった。
形勢逆転の逆転か。しいて言うなら、現状復活かな?
「それでも勝てるほどじゃないだろう?」
「いや、見てみろ」
僕にそう言って、神道は外に出た。
「・・・・・・!?」
そこには、死体はない。けれど、先生の姿は5人しかなかった。
「・・・・・・どういうことだ?」
「ダミーだよ、ダミー」
「ダミー?」
「俺達に勢力で勝とうとしたんだろう?それこそ、本当に『勢い』だけでな」
「なるほど・・・・・・」
そう言って僕は取り敢えず納得する。
「でも、教室の中からの攻撃ってのは?」
「スイッチ式の罠だ。武器の中にあった」
「そうなのか?」
「ダミーに関しても、プロジェクターが有った。どうやら科学という点においては、世間以上のものだな」
「はー・・・・・・」
何に驚くって、コイツそういうのをいつ見ているんだよ。俺達と違って常に校長室にいるのに。
「クッ・・・・・・。退散だ!」
先生方のうちの1人が叫んだ。それに応じるように階段の方向に逃げる。
「逃げられる」
「大丈夫だ」
神道は焦るわけでもなく、そのままそこに立っていた。
するとどうだ。階段に逃げた人たちが帰ってきた。
「う・・・・・・」
「さて、どう殺したものか」
そこに居たのは無花果だった。
「時間が掛かったわ。ばれないように武器を盗むのって大変ね」
彼女は銃を持っていた。・・・・・・あ。
僕は腰を確かめる。
・・・・・・ない。
「僕から取ったのかよ・・・・・・」
「そうよ」
無花果はこちらを向いて笑った。
「さて、殺すか」
神道も銃を構える。というかコイツメチャクチャ銃が似合う。何か警察官みたいな感じだ。
僕も神道から受け取ったほうの銃を向けた。
「もしかして、この間の2人や調査に行った5人を殺したのも、お前らか」
教師の1人が聞く。
「いや。それは全部、」
神道が答えようとしたので、
「「神道くんがやりました」」
と、何故か息ぴったりで僕と無花果が答えた。
「・・・・・・まぁいい」
そして。
神道は銃を撃った。
何の躊躇もなく。
次いで、無花果が撃つ。
これで2人死んだ。
この間2秒。
「きゃ――――」
「うるさい」
僕は叫び声は嫌いだったので、叫ぼうとした女教師を撃ち殺した。
何かこんなことばかりだと、僕らは標準的な人間じゃない事を痛感する。
「く、くっそ!」
男の教師が、動いて、無花果を人質に取り、
「来るな!来ると撃つぞ!」
と脅してきた。もう1人の先生もそちらに近づく。
「く・・・・・・」
神道が躊躇する。先は何の躊躇もなかったのに。
で?
「だからなんだ?」
「は?」
僕はそのまま近づいていく。
「それが何の意味があるのかって言ってるんだ」
「う、撃つぞ!?」
「撃てばいい。殺せばいい。それが正解だ。そもそも人質とってまで生きようとするその姿が醜い。僕らはそんな事に一々悩まないぜ?」
「お、おま、お前・・・・・・正気か?」
「ああ。正気だ。1人でも多く殺すんなら、1人くらいいいさ。無花果もそれでいいはずだ」
一殺多生。
1つの犠牲で多くの命を救う。
「殺すぞ」
僕は銃を構えた。
「や、やめろ!」
人質を取った教師は僕に銃を向けた。
パン!
瞬間、その教師の頭から、銃弾が抜けた。
無花果が顎から銃を撃ったのだ。
「・・・・・・酷いこと言うのね」
「死んで欲しい奴ランキング第1位だからな」
その会話を済ませると、その教師はズルリとすべるように廊下に落下した。
「お前らは鬼か」
と、神道の言葉を受けて、僕らはその場から一歩下がり、
「ひ・・・・・・」
と怯えている、残った教師を睨んだ。
「さてと」
「どうした」
「ものかしら」
こういう文章書いていると、
自分は本当に素人だな・・・って痛感させられます。