4日目:時期尚早
・・・・・・うん。
何か早いんじゃね?
屋上。
あれからすぐに屋上の2階へと上がった。
そして相変わらず横になる。
「お前、本当に殺し屋だったんだ・・・・・・」
「信用してなかったの?」
「まぁ・・・・・・」
「じゃ、これで証明できたわけね」
先ほどまでの事件はそれで終わらせ、
「それにしても明るいな・・・・・・」
と、僕は呟いた。
「今はまだ7時よ。3月も下旬なんだからそれは当然なんじゃないかしら」
「『まだ』と『もう』のように人が感じる物の違いは良くある。『ちょっと』や『少し』とかもそれに値し―――」
「うるさい」
「はい」
何かよく分からない関係性が出来てしまった。
まぁ冬至も過ぎた事だし、それなりに明るいのは当然だろう。
「なぁ。お前なら教師達を全員殺してこの戦線を終わらせられるんじゃないのか?」
「それは貴方もそうでしょう?殺人鬼という点を除いても貴方にはその才能があるわ」
「才能ね・・・・・・」
全く嬉しくない。ていうかむしろ嫌だ。
「で?どうしてそうしないんだ?」
「私は『犯罪者』しか殺さない。だから私達に死傷者が出た場合、障害又は殺人事件として処理して、私の殺人対称にする。まあ所謂、正当防衛に近い形で殺すわ」
「なるほどな」
「貴方は?」
「僕、人殺し嫌いなんだ」
「嘘」
「バレた」
簡単なやり取りで僕は会話を終了させる。
「で?正直に言うつもりは?」
「僕は元々隠れ里に住む忍者で――」
「羽賀君のことは今はいいわ」
「僕は目立つのは好きじゃないって言うか・・・・・・。1対3までが限界なのさ。殺したことはアレが初めてだしね」
「そ。やっぱり簡単には口を滑らせてはくれないわね」
「鎌かけたのかよ・・・・・・」
「当然」
何かドヤ顔になった。ムカつく。
「その気になればコレ、すぐ終わりそうなもんだけど」
「どうして終わらないのか・・・・・・。それが疑問ってところかしら」
「まぁ三割」
「七割は?」
「青春してーなってのが二割。いつまで僕は殺人鬼の汚名を着続けるのかなってのが四割。後、この幸せな気分はどれくらい続くのかってのが一割」
「幸せな気分?」
「僕には関係ないからいいんだけどね」
「気になる発言ね」
「そんな事より」
僕はそう言ってそれに関しての言及を避ける(ちなみに幸せな気分とは、女子と2人きりである事ということにしておく)。
「まだ、終わらせるには時期が早いような気がする」
そう言って僕は寝返りを打って、無花果が座っている方向とは逆側に向く。
それにしても涼しさと暖かさの真ん中で気分が良い。
僕はこのまま眠りに「ついている場合じゃないぞ、如月」
何者かから心を読まれてしまったようで、その人物の声がする。
下か。
「神道」
「負傷者だ。俺達の出番だぞ」
「・・・・・・」
どうも幸せな気分ってのは長く続かないらしい。