1日目:開戦
一応宣伝。
僕、榊乃幽也は、この小説とは全く違う(だろう)イメージの作品で
「丸く収まったこの世界」というのを書いています。読んであげて下さい。
僕はどちらも好きですけど。
「・・・・・・何だ、今の」
ふむ。ベタな反応だな。もっと面白い反応は出来ないのか。と思ってしまうような解答をどっかの誰かがした。
「・・・・・・えっと・・・・・・帰っていいのかな?」
またも誰か。ん?僕、クラスの人間を覚えずに卒業したのか。ハッハッハー。本当に殺す事以外、考えていなかったらしい。まぁ、どうでもいいや。
「少し状況を確認するので、皆さんは待機しておいて下さい」
はーい。皆元気に返事をした。嘘だす。僕は心でそう思ったけれど。ん?先生って性別なんだったっけ?ま、いっか。先生は教室を出た。現在の時刻5:53。
それから周囲の連中の何人かは、緊張感を持たずに、休み時間のように話している。今の放送とか、卒業後のこととか、例の殺人鬼(つまり僕)とか。まぁ、そんなところだった。僕はと言えば緊張感はないにしても、動いたところで現状が変わるわけでは無いので、運動場を見た。1、2年はそこで先生の話を聞いている。暇だなぁ。というところで。
【6時になりました。開戦です】
放送が流れた。と同時に。
天井のエアコンのふたが外れた。あ、説明しておくと、この学校には全教室にエアコン完備で、それは天井についているタイプ。前方と後方に2つある。そこから、食糧と調理器具が落ちてきた(包丁はその真下の机に突き刺さる)。これが前方。ワンテンポ遅れて、後方のふたも外れる。
前方から、あからさまに「爆弾」といえるような黒い物体。ドラマや映画でしか見たことの無いような「銃器」(名前は知らない)。僕の殺しのおとも「ナイフ」。日本刀、よく分からない基盤等々・・・。そのそれぞれに白い紙がついてくる。
それら全てが落ちてきて、ふたは埃を撒き散らしながら自動で戻る。
「・・・・・・何・・・だよ・・・・・・これ」
誰かが呟いたのを皮切りに、周囲がざわつき始めた。しかし、
【皆様。コンバンワ。そして、御卒業おめでとうございます】
という放送が流れ始めた。優しい言い方だが、それが恐怖が増幅させる。誠意も全く伝わってこない。伝える気も無いのだろうが。
【早速ですが、皆さんには殺し合いをしてもらいまーす】
バトロワか。皆さんも同意見を――もってなさそうだな。周囲の人間はそんな余裕はなさそうな顔をしている。焦燥と不安か。
【嘘です。安心して下さい】
その声で、教室が一瞬、安堵に包まれる。感情の入り乱りが見て取れる。だが、誰がどう思っているのか、そこまでは俺にも分からない。
【殺し合うのは、生徒と先生です】
空気が凍りついた。
沈黙。
空気の中に物音1つ振動しようとしない。凍りついたこの空気を壊さまいと、全てが頑張っていると考えられる。それら全ての人と物がどんな努力をしているのだろうか。本当にお疲れさまです、と労いの言葉を呟いた。
はい、嘘です。
しりとりするぞ!
「りんご!」
「ごはん!」
・・・しょーもな。