3日目:危険
危険とは目の前にあるのだよ。
これを呼んでいるあなた方は危険かもしれません。
「殺・・・・・・し屋」
僕は反復した。
簡単に信じられる物ではないが、彼女の存在――――正義の軍隊とかは除いて、僕らと一緒に居られる事や僕と同意見を持っていたこと。そして今、僕を全力の殺意を込めて睨みつけている事。
「・・・どうなの?貴方は例の殺人鬼なの」
「だから・・・違うって」
「・・・・・・まあ、いいわ。私は最後まで貴方を敵視し続ける。そしてここから出た時にまだ貴方が生きていたら殺すわ。本当は疑いがある時点で私は殺すんだけど、多分今殺したら『裏切り』になって私が殺されてしまう」
「自己防衛か・・・・・・」
「私は死ぬわけには行かないのよ。じゃ、行きましょうか」
と、唖然としている僕を放置して抜き去り、先に教室の中に入った。
「・・・・・・あれ?君ら、来たのか?」
中には木戸と数人が居た。
「ええ。ちょっと用事があって」
そう言って無花果はトランプやチェスのボードを段ボール箱の中に詰め込んで、
「はい」
と僕に渡すのは何故だ。
「貴方、男子でしょう」
例え殺人鬼とは言え。
そう言っていたような気がした。まぁ絶対言っては居ないが。
そして先に無花果は外に出た。
「何か、忙しそうだな」
中に居た木戸以外の生徒・・・ああ、陸上部の奴だ。名前が分からないけど。
「ま、それなりに頑張るよ。お前らはこれからどうするんだ?」
「職員室を占拠しようと思ったんだけど手間取ってな。今は取り敢えずは作戦会議中だ」
「なるほど。だったら武器の整理して置けよ。新しい武器の中に面白そうな物見つけたから」
「ん?ああ、分かった」
その声を聞いてから僕も教室を出た。
「あれ?」
無花果が廊下で教室の扉にもたれて待っていた。
「先に帰らなかったのか?」
「貴方から目をそらすわけにはいかないからね」
「なるほど。今度は待機部隊からの信用がゼロになりそうだ」
と、会話しながら、階段に向かう。
そして移動の最中(といっても、2階から1階に降りるだけだが)に
「私は初めから貴方を信用していないわ」
と無花果が言った。
「何で?」
まぁ別に興味があったわけじゃないが、コイツに怪しいそぶりを見せるのは危険そうだ。
「貴方からは私と同じ雰囲気を感じるの。人を殺したことのある感じ」
「・・・・・・そうか」
「でも、それはつまり、貴方は100%自分のためじゃない事も分かるわ」
「・・・・・・」
「だからと言って許すわけではないけど」
で、無花果は黙った。
そして階段を降りきって、廊下に出る。
「・・・・・・よし、大丈夫だぜ」
と羽賀が言い、
「気配は無いよ。今のうちに」
と橋田が言った。
2人も一緒に校長室に入った。
大変な事になりますよー(棒読み)。