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3日目:殺し屋


 友達の携帯電話をならしてもならしても返事が無い。


 皆さんもこまめに携帯見ようぜい。


「・・・・・・何言ってんだ?」

 これが僕の最大限の反応だった。戸惑わなかった事とかまなかった事と2秒しか間が開かなかった事を自分の評価として最大にしたい。言い訳させてもらうと、僕としてはまさかそんな質問が来るとは思っていなかったのに、こうする事が出来たのは自分でも凄いのではないかと褒めたくなるほどである。できればこれから誰も反応しないでこうやって自分を自画自賛しつつ、戦線終了を待ちたい。というかこの現状から逃げ出したい。でも逃げたら大変な気がする。

 

 だが、無花果の反応はあっさりしたものだった。

「そう。では私の間違いね」

 彼女はそう淡白に言ってのけると、校長室の部屋をあさり始めた。

 しかし彼女が納得しても、その他の人がそうはいかない。

「どういうことだ、無花果。どうしてそう思う」

 神道は明らかに動揺・・・とまではいかないが、言葉数とスピードの速さから、焦燥に近いものを感じる。

「別に。主に勘よ」

「・・・・・・おい、如月。隠し立てはするな」

「だから違うって」

 今回は見事に否定する事に成功した。

「でも、もしも如月が2人殺したのにそんなに気が参っていない理由も分かるよ・・・・・・」

 橋田がそう言って僕を見る。別に軽蔑でも畏怖でもないし、怒りでもない。単純に納得している。もしかして彼女はアホなのだろうか。それとも天然・・・?どちらにせよ、僕に対しては特に何の感情も持っていなさそうだ。

「大丈夫だって、如月。俺だって10人くらいは里同士の衝突で殺してるから」

 軽く言うなー。里同士の衝突って何だよ。後、僕は君と違って、自分のために人殺ししてんだぜ?お前とは違うんだよ、羽賀君。

 というわけで

「僕は殺人鬼なんかじゃない」

 と言い切った。

「フン・・・・・・。まあいずれ分かる事だろう」

 神道はそこで会話をやめた。

 現在、色々有りはしたものの、既に21時を回っている。

「あ、娯楽用品忘れた」

 と僕が言うと、

「じゃあ取ってこい」

 と神道が命令した。

「・・・分かったよ」

 と、僕が立ち上がると、

「私も行くわ」

 無花果も立ち上がった。

「よし、ちょっと待ってろ」

 羽賀も立ち上がって、扉に耳を当てる。

「・・・・・・今なら誰も居なさそうだ。俺達が見張り担当するから任しとけ」

 と、無理やり橋田も立たせる。


 そして僕らは校長室を出た。橋田と羽賀はソファーに座った。

 ちなみに校長室は1階にあり、職員室と僕らの教室は2階にある。屋上は5階の上、図書室は5階である。また、1階はお客様対応のために、ロビーのようになっており、ソファーが3つほど置かれている。

階段は各階に2つずつあるが、屋上への階段は1つのみである。


「何か用?」

 僕は率直に無花果に言い放った。

「貴方・・・殺人鬼でしょう?」

「だから違うって」

「ナイフの扱い方が普通の人ではないわ」

「単純に使い方知ってるだけだ。後、僕は人の命を軽んじてるんだよ」

「嘘ね」

「大体、僕が殺人鬼ならどうだっていうんだ」


「殺すわ」


 ・・・・・・は?

「・・・・・・何?」

「殺す。無花果の名にかけて」

 無花果は反復した。

「お前・・・・・・一体何なんだ?」

「言ったでしょう?私の家系は正義の軍隊だったって」

「だった・・・だろう?」

「そう。今、私達無花果家は私を除いて、滅んだ。そして滅ぶ前に私達は別の方法をとることにしたのよ」

 そこで無花果は俺を睨む。



「私達、無花果家は殺し屋を名乗っている」

「こ・・・殺し屋」


「そう。軍隊のように守るためではなく、犯罪者を殺す攻撃者として」




 42.195キロ「歩いた」ことある?


 僕あるんだな。これが。しんどいぜ。

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