3日目:謎々
どうして電車は砂利の上を通るのでしょうか!?
「質問?」
その言葉に僕は異常に反応してしまった。
それはつまり、僕に対して何らかの疑問がある。それはやはり2人の人間の殺人を行っておいて、冷静でいる僕に対する疑問・・・・・・。
「あの・・・・・・」
どうする。僕はどう答えるべきなんだ?
「如月って・・・・・・」
というか、皆同じ疑問を持っているのか?
だとすれば僕は困る。その意見全てに答えなければならない。
「実は・・・・・・」
とすれば、ここは僕は嘘をついてでも受け流さなければならない!
「無花果のこと好きだよね?」
・・・・・・。
「は?」
「え?」
「それが質問?」
「うん」
「あー・・・・・・」
何か拍子抜けだ。答える意味があるのか?いや、ここで口ごもると逆に怪しさを増す・・・・・・って、何の話をしているんだ僕は。本当にこれ、答える必要ないんじゃないか?
「やっぱりそうなんだね!」
「違うよ」
「じゃあ何で黙ったの?」
「拍子抜けだったもので」
「ふーん。ま、いっか」
「それが皆が思っている疑問?」
「え?うん。多分」
・・・・・・・・・マジかコイツ。
絶対無いだろう。
「今からどうするの?」
「図書室から本でもとってこようかと」
「今からいかなくてもいいんじゃない?」
「ま、暇つぶしだよ・・・・・・・ってか」
図書室に向かって歩いているが、まだ橋田がついてきている。
「えっと・・・・・・?」
「はい?」
「質問は終わったろ?帰らないのか?」
「はい」
「・・・・・・・・・・・・」
何か端的な情報しかくれなさそうなので黙ってついていくことにした。
今は4階を越えたところ。5階に図書館はある。
そして5階に到着。図書館に向かうために廊下へ――。
「!」
突然の行動に声が出ない。そのまま屋上に向かって上り、屋上と5階の間の階段の踊り場から廊下を見下ろす。というか、橋田がそうするように体を引っ張った。
「何だよ・・・・・・」
「誰か来ます。身長体格からして先生です」
「はあ?」
どうやって見たって言うんだよ。あの角度じゃ廊下は見えないだろうに。
と思ったが。
廊下の左側から先生が現れ、そのまま階段を降りていった。
「・・・・・・なんで分かったんだ?」
「向こう側に放送室の扉があるよ」
「・・・・・・だから?」
「そこの窓ガラスに映ってた」
そんなもん普通見えないし、見えても気付かないよ。
「・・・・・・凄い目だな」
「まぁ、私にも色々と事情があるんだよ」
珍しく自分から情報を口に出した。そして図書室に入った。
いくつか本をとって、俺達は教室へと帰ったが、その時も何回か橋田に助けられた。
コイツは一体何なのだろう。
ただの生徒にしては異常だと、俺は客観的にそう思った。
そこに砂利があるから。