1日目:卒業式と開戦式直前
僕が鳥になったとしても、その内、飛ぶのも飽きたりしちゃって、羽もぐだろうな・・・。
もし瞬間移動ができたとしても、風景見たいなぁ・・・とか思って、能力を忘れるだろうな・・・。
万能になんでもできるより助けられたほうが気分いいよね?
さて、今回で12人目か。何も考えずの行動なので何も感じない。
あぁ、いや、初めから何かを感じていたわけではなかったと思う。しかし・・・・・・12人目か。
おっと、ささっと、片付けて学校に行かないと・・・。
おい、手伝えよ。と、女性に話しかけてみたけれど、動く事は無かった。シーツとか片付けるの面倒なんだけどな・・・。
てな感じで。
3月20日。中学3年生の僕は卒業式だった。
何でもどうでもいい、校長の馬鹿話を聞いてから、適当な動きで証書をもらって、席に座り気が付いたときには教室に居た。
おお、これが巷で噂の記憶喪失。初めての経験でとても嬉しい気持ちを隠しきれずに、泣き出した。のは、隣の女子の3人衆。とりあえず、流し目殺法で対応してから、廊下に出る。
こんな僕でも友達はいる。叫び声と頭がちょっとあれな背が少し高い、少年。髪の毛が自然リーゼントな猿。頭が逆三角形でデルタな少年。まぁ、これ言うと全員から、ミサイルパンチが飛んでくるだろう。怖い怖い。
そんな3人と卒業後の話をした後、結局2度と会うことは無い可能性が高い事を知った。まぁ、いいや。また高校で友達を作ろう。そういうことにしよう。さぁて、これから何をして時間をつぶそう。と思って、最後のHRに参加した。
その中で、運動場を見させられた。窓際族の僕としてはその動きをしないことでワル目立ちするほうが良くないと思ったので、ちゃんとそっちの方向を見た。1、2年生が3年生に向かって手を振っている。なんだこりゃ。ドッキリか?全く涙も何も生まれてこない。
「じゃあ、これでもう会うこともないと思いますので、最後挨拶をしましょう」
先生が言って、
「起立、気をつけ!」
で、体をまっすぐにして、
「さような――」
【キーーーーーーーーーーーン】
アラレちゃんの登場だ!嘘だけど。
放送の音が響き渡った。音量ミスだ。
【後10分で開戦します。準備してください】
という声が聞こえた。変声機で声を変えたような音。
これが、僕らの青春を終えた、いや、終わらないことを知らせた。
僕は 如月 幽鬼。 名前をつけた人のセンスは疑うけれど、つけてくれた事には感謝する。
職業 学生。
趣味 殺人。 現在11人殺した列記とした指名手配の殺人鬼。
ああ、今朝ので12人目か。
死んだ方への追悼の意志はありません。
結局のところ、
タケコプターとかどこでもドアよりもドラえもん本体のほうがよくね?




