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2日目:消灯


 誰一人として口を開こうとはしない。

 さて、禁句発信しちゃったところだし、現実は見せ付けた。だったら後は最終試験かな。


「君らは見てなよ」

 僕はそう言って目を覚悟の出来ていないメンバーを後ろ放っておく。

 そして1人で前に立った。

「これが君らの見るべき世界だ」

 僕は人質だった先生を解放する。当然、すぐに動き出して、もう1人のいたところへと帰る。


「そんなに時間も無いから、2人とも速攻でいくから」

 僕はそう言って前方に向かって走りこむ。

 距離は大体6メートル。


「撃て!」

 1人がそう言って2人が撃ち始める。銃弾は俺の頬をかすめたり、俺の肩を食ったり、俺の右足を行動不能にしたりして頑張る。何と、使用者よりも銃弾が頑張ると言う事態に僕は感動の余り前に向かって崩れてしまった。


「うん、僕正直者じゃないから」

 右足の痛みを放置してそのまま真っ直ぐ突っ込んで、さっき捕まえた先生とは違う先生を捕まえる。

「殺されたくなかったらうごくなー」

 と、感情のこもらない声で言いつつ、ハイ、ナイフでスパーン。

 ブシュゥゥゥ!

 と景気のいい音を鳴らしながら、空に向かって鮮血がバーン。

 流石首元。景気がいいね。


「さて、もう一人と行こうか」

 僕は言いながらジロリともう一人目を見る。

 あー。今何人引いてるかな。ま、いいけど。

「う、うわぁぁ!」

 先生が逃げ始める。当然、生徒が居る方向だ。

「ちッ!」

 そのまま真っ直ぐ追いかける。


「くっそ・・・・・・何なんだアイツ!」

 先生が言いながら階段の方向へ。つまりはそのまま生徒の誰かを人質にして職員室へと走りこむつもりだな。ナイス推理僕。

 だから何?推理できたらアイツの行動を止めれんのかな?いや、できまい。反語成立。僕、古典得意なんだぜ。こう見えても。一体どこから嘘なのやら。

 

 先生の目には橋田が映った。そしてその橋田を人質に選ぶ。

「く、くるなぁ!あ?ああああああああああ!」

 先生が人質を取ってから、僕に捕まるまでのリアクションである。

 僕が何をしたかというと、

 先生が人質を取る瞬間に、僕は空中を舞った。これで、来るなぁ、という要求は不可能。

 振り向いた瞬間、僕はそのまま先生の体を押さえ込む。そして、ナイフを首へと突き立てた。


 しかし、今度は同じように鮮血が飛び出たりはしない。血を皆に見せるわけには行かない。だって、トマトジュースと間違って飲んだら大変だから。

 ナイフを突き立てたまま、さっき首をスパーンした先生の横に。そしてナイフを抜く。

 待ちわびたようにさっきよりも多い量の血液が僕に負けないくらいに宙に飛んでいった。天上に赤い跡が着く。やれやれ、後で通った時に皆が困るじゃないか。

 ははは。嘘だよ。

 ははははははっはっはっがががはははっはは。

 けかかかかかっかかか。


「あっははははは!ははははは!はははははは!!」

 僕は快活に笑う。血液は僕へと降りかかる。まぁ、そんなことは日常自販機(日常茶飯事の友達)だから、気にしない。

 そしてみんなの方向を見る。

 待機部隊を除いてドン引き。


「・・・・・・ど?これが君らが殺し合わないといけない世界で、1番残酷な人間だよ」

 反応なし。

「これが、戦いと殺し合いの違いさ。マンガで見てるようなものじゃないだろう。じかに感じている物は」

 反応なっしっし。



「大丈夫さ。こんな事をしない方法もある」

 みんなの目が、微妙に輝く。電池切れかけ豆電球。



「死ねばいい。諦めればいい。簡単だろう?」

 僕はその電球の殻を踏み潰してみた。

 絶望に打ちひしがれた顔になった。まぁ、及第点かな。


 そんなことを思いつつ、やっぱり常に感じるのは。


 やっぱり僕って普通じゃないよね。ってことだった。

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