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2日目:朝食


 盆と正月が一緒に来たよう


 非常に忙しい様。


 僕の生涯 遂に来たよー。


 非常に逝きそうな様。


 惜しい!


「なぁ如月。お前何考えてんだ?いや、俺も分かるんだけど。お前が分かるってのが俺には分からないんだよ」

「何のことを言ってるかさっぱりだな。俺に話しかける前にお前のその思ってることを言うべきじゃないのか?」

「あぁ。俺が考えてるのは――」

「あーあーあーあーあー」

「・・・・・・何やってんだよ如月」

「聞かなければ、答えなくて良い。これが聞かざる言わざるの法則だよ、羽賀少年」

「いや、違うと思うぞ」


 俺と羽賀は食堂でそんな話をしていた。



 2日目。男子と女子が同じ部屋に寝るという状態で、寝ている状態の女子を見ると、どうしても欲情してしまい、寝るのにも時間がかかり、さらには浅い眠りだったので早めに目が覚めてしまった。そして、朝起きても、どうも興奮してしまうので、さっさと教室をでた。

 あ、この場合の興奮とか欲とかは、人を殺したいっていう欲のことだ。別に、あれじゃない。

 


 で、まずは更衣室で着替えを済ませて、誰よりも早く起きていると思ったら、食堂で早々にご飯をかき込んでいる羽賀を見つけた。俺も朝食をとることにして、羽賀の席の前に座ってからの会話だった。


「どうやら、色々と改良されているらしいな。ご飯なんかは炊きたてが用意されてるし、もらってきた食品にあったレトルトのカレーでも持ってきたら十分すぎるぜ」

「昨夜は何食ったんだ?」

「昨日はココにきて、なべだけ借りてみそ汁と、ご飯だな。お前は?」

「食パンとカロリーメイト」

「お前もう少し食生活は管理したほうがいいぞ」

「説教は聞きたくねぇよ」

 というか、俺は他人と話すのに慣れていないのだ。口下手だから。嘘ですよ。


「しかし・・・・・・この生活はいつまで続くんだろうな」

「まだそんなに経ってないだろう」

「でも一生続くかもしんねぇぜ?欲冷静で居られるな、如月は」

「こう見えても割りと焦ってんだぜ?」

「そうなのか?」

「ああ、1人暮らしだから、植木鉢に水をやる人がいないからな。愛しきヒマワリが心配で心配で仕方がない」

「ヒマワリは今の時期じゃないから、間違いなく嘘だ」

「いや、ヒマワリというなの桜だ。チェリーだよ、チェリー」

「ほう。如月。お前は桜を植木鉢で育てるような趣味があるのか。崇高な趣味だな」

「お褒めに預かり光栄だな」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 そして沈黙。

 


「ハハッ!」

「ハハハッ!!」

「いや、お前思ったより面白いな、如月」

「お前もな。こんな話したのは久しぶりだし、純粋な笑いは久しぶりだよ」

「何でお前、面白いのに誰かと話したりしないんだ?」

「別に人間嫌いじゃないぜ?単純に人との付き合い方が分からないんだよ。それに――」

 それに・・・迷惑がかかるかもしれない。

「それに?」

「・・・・・・話すのは苦手だからな」

「嘘つくなよ。お前は詐欺師に向いてるくらいは言葉巧みだぜ?」

「ある意味で的を射ているかもな」

「はぁ?何言ってんだお前――」

 と。そこで、


「君ら、早起きだね」

 と、声が入ってきた。

「・・・・・・木戸」

「やあ。おはよう」

「おはようございます」

「何か敬語ってのは新鮮な感じだね」

 見ると、木戸の後方から真面目な男女生徒が来ている。そこには、橋田や神道もいる。


「皆起きたのか?」

「起こして、全員更衣室に行かせておいたよ」

「そうか。じゃあ、俺はこれで」

「え?あ、そうかい?じゃ、また後で」


 俺は早々に話を打ち切って、無理やりとも言える形で食堂を後にした。




 Merry Christmas!


 メリークリスマス!


 Mary Kurushimimasu!

 

 メアリーは苦しみます!



 惜しい!

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