3日目:戦線
バトルロワイヤルみたいなものです。
ここは南瓜生中学校(「かぼちゃ」ではなく、「みなみうりゅう」だ)の3年生の階。僕は2組。
現在の時刻は5時20分。授業は7限目が終わる寸前だった。
「・・・」
先生の話を僕はいちいち聞いていない。どうせ、後30分もすれば敵のようなもの。
次回の授業を受けないように、早めに・・・今日にでも殺しておくか。
そんな事を考えていると、チャイムが鳴った。
「じゃ、今日はここまで」
あなたの人生も今日で終わるかもしれませんね。言わないけど。
ということで、授業が終わって、クラスの女子が数人質問に行く(どうやら数学だったらしい)。
くそ真面目だな・・・。女子くらいのもんだろう。
いや、そこでこの間の小型爆弾をポケットにいれろ。殺せ殺せ殺せ!!1時間後に爆発だ!ルールとしては、時限制の武器は、それ以前に仕掛けてもいいらしい。いや、範囲がどこまでかはまだ決まっていない。
仕掛けることなく、女子は質問という非生産的行動を終えた。
仕方がない。僕がやるしかない。
職員室前に着いた。
俺はそういえば、数学係だったようだ。ちょうどいい。明日の(あるはずのない)予定を聞く事にしよう。
先生いわく、今日と同じ事をするらしい。まぁ、半分くらい聞いていないから気にしない。小型爆弾を、落し物入れに入れて退散する。
5時45分。
HRが始まった。3年生だけの。
5時50分。HRが終わった。先生が速やかに教室から退去する。
放送が入った。
『10分前になりました。速やかに準備を開始してください』
始まった。
「・・・ちゃんと仕掛けたか?」
僕の隣を同級生が通る。同じ「はぐれ者」だ。僕たちの作戦は遂行中だ。他の奴らの仕事はしらん。
「まぁ、いい感じだろ」
「そうか」
5分程度たって、うちのクラスのリーダー・・・学級委員が教卓で口を開いた。
「今日は、いつもとは違い、拠点破壊を遂行する事にする。また、保健室から必要物資を奪う事も、昨日の反省を生かして今日やろうと思う。待機班は、いつも通りで頼む」
本当に頼りになる男だ。他の奴らとは違い、的確な指導をしてくれる。僕たちはぐれ者に関しても、何の差別もしてこない。故に、皆も僕たちに差別意識を向けていない。助かり者だ。
「上手いこと奇襲行動を仕掛けた。おそらく、6時に何らかの反応がある」
と、さっき僕に確認してきた「彼」が学級委員に説明した。いや、行ったのは僕だぞ。
そして。もう一度放送。
『開始時刻まで後10秒。準備はいいですか?・・・5秒、4、3、2、1』
沈黙が流れる。今回はこちらが優勢になって、食糧と武器をもらう事にしよう。
『開始です』
ドゴォォォォォ!
爆発音。僕が仕掛けた奴だな。死んだかな・・・。向こうもこちらと同じくらい(運悪く)いるから、まぁ分からない。相手は大人だし。
「開始する。救護班と遊撃班は保健室へ。攻撃班と守備班は慎重に、職員室に向かえ。待機班は、さっき言ったとおり、いつも通りだ」
学級委員・・・あぁ、面倒だ。木戸が言った。
つまり、好きにやれと。遊撃班よりも最も悠々自適だ。
「行くぞ!」
作戦開始の合図だった。
他のクラスもファイトー。と、涙ながらに彼らを応援することしかできない僕たちは、僕たちの立場を恨む事でしか、償いができないのだろう。まぁ、そんなこと考えてませんけどねー。
さて、状況が分からない読者のみなさん。心配入りません。僕らも分かりませんから。
じゃ、一緒に3日前から振り返りましょう。
この戦線を。
「シンデレラ・バトローション」を。
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