死に戻りメイドは一から人生作り直す
今回は死に戻った主人公の視点です。
R15ではないと思います。
『冥土のメイドさん』それは彼女の前世で助けられた人たち、知り合った人達がつけたあだ名である。
大体なんでもできて、世話焼きなお姉さんモーリス・クローゼット。死しても共にいたいという思いから。
29年の人生の中で様々な人の人生を見聞きしてきた彼女は自らの性格にひきづられ、死んでしまった彼女はまた人生をやり直す。今度は身近な人たちの幸せを守り、自らの欲求を満たすため、
魔物・人族・魔族・魔人・獣人・精霊そしてドールが共生する世界。そんな世界で冥土のメイドさんモーリス・クローゼットは旅をする。
みなさん冥土の土産という言葉を聞いたことはないだろうか?冥土の土産に一度でいいから雲海を見たい。いくつ挙げても尽きないことだろう。そんなあなたの夢を全て叶える方法がある。人の記憶を集めることが大好きなメイドを雇えばいいのだ。
モーリス・クローゼットの人生は単調であり、多彩であった。彼女は街で一番の商家の生まれだった。と言っても第四夫人の子それも3番目の子だったが。後継としての母やその実家からの期待は全て長男に、貴族家に嫁ぎ縁結ぶ役目は父によく似た青い綺麗な露草色の髪を持つ長女に、兄弟から溺愛される末娘の役目は母に似た栗毛の可愛い妹に、彼女に求められたのは強いて言えば第一夫人や第ニ夫人そして4人の愛人たちの子供達となんの諍いもなく生きることだった。だが、それは勘違いでもあった。幼い頃の彼女は他の家族と同様に愛されっ子だったのだ。だがそんなことも知らない彼女は自ら家を出て、自らの家系能力衣装袋。父と釣り合わぬ出自の母が嫁ぐことになったのはひとえにこの能力からであった。服屋を長年営んでいたものの、店主が皆善人すぎたためか、老舗クローゼットの名は多少知られていても富を築くことはなかなかなかった。そんな時に一族に代々受け継がれてきた衣装袋を持った見目の良い女の子が生まれた。それが彼女の母クラウンだったのだ。例に漏れずクラウンもとびきりのお人よしとして育った。そこにこれ幸いと結婚を申し出たのが、父ニバリス・ヴェルジェムミーナナだ。大方生まれた子を商会の一員として育てようと思ったのだろう。なんせ衣装袋は一般的には自分の宝箱と見做した物に際限なく衣装を出し入れする能力なのだから。だが、
本来この能力は自分が最も好むものを入れるもの、ゆえに彼女はある能力に目覚めた。人の記憶を本にして入れる、彼女の趣味は人の記憶を味見することだった。そう変質者である。そんな変質者が齢29で死に、5歳に戻った。そうしてやっと気づいたことがある。
知識を蓄えよう!「そうだ知識だ。」
あの人生では数多くの人の記憶を舐めたんんっ味見し
たものの、専門知識が必要でよくわからない記憶も多
ちしき
くあった。より感動的に!!記憶を味見するために!!
「なんだか幸せそうですね」
私の着替えを持ちながらプエッラが入ってきた。プエ
ッラ・アモット私の憧れとなったメイドだ。魔族であ
る彼女はいつでもどこでも私のことを着せ替えた。そ
れに憧れ私もまた自称メイドとして、ドールたちを世
話したのだ。
「そんなに嬉しいですか?拷問を間近で見れることが、」
拷問?そうか今日はあの日なんだな、私が人の記憶を
舐めるのに初めて喜びを感じる2日前。父上に幼いな
がらに冷淡だった私に裏稼業を手伝わないか?という
誘いをもらった次の日!あの時は5歳という年齢もあ
り、父の期待も惜しく、怖いと泣きじゃくったもの
だ。プエッラはこういう嫌なやつだった。でも今は!!
「ええっとっても!!」
とても驚いた顔で、目を丸くした後、金髪の巻き髪
に、頭に羊の黒い角をつけた頭の頬を赤く染めた。
..........見なかったことにしよう、
「さっ着替えましょう。」
寝台から降りて三面鏡の前に立つと、プエッラが椅子
を引いてくれた。そのまま座って慌てて後ろに体をひ
ねる。獣毛ブラシで構えていたプエッラが、少しビクつく。
「着替えるんじゃなかったの?」
少し言い訳を考えるように目を泳がせそうになった
後、諦めたように口を開く。
「このままでは秋色の御髪が可哀想ですわ」
そういえばプエッラは懇願する時口調が変わったっけ、
「いいわ、解いてちょうだい。」
秋色の髪の毛、なんて不思議なことを言うわね。秋と
いえば葡萄紫じゃない。私の髪はオレンジと黄色と、
とにかくごちゃごちゃしている。おまけに目立って母
きくちばいろ
に似た栗色かと思えば光に当たらなければ、黄朽葉色
なんだから。
こきひ
「服はどれがいいですか?わたくしとしてはこの深緋色のドレスがいいと思うのですが」
「うん、それがいいわ」
「えっ本当ですかっ!」
プエッラが満面に喜色を浮かべてそう言った。そうい
えばこの頃の私は、母や父たちと同じになろうと青や
こきひいろ
栗色を纏おうと必死だった。でも今なら深緋色を纏っ
た方が似合うとわかる。
「今日はレオ兄上もいらっしゃるのかしら?」
「そうですね、今日はそれだけでなくご家族が勢揃いですよ。」
プエッラの目の奥が暗い。ご家族、愛人も来るのか。もちろんこの頃の私がそんな隠語じみたことを知っているわけがない。が、なぜかこのメイドは嬉しくなるようなので、気にしないでおこう。
我が家はいうて貴族でもない商家大きな商会の建物の西に従業員たちの寮がある。東に家があるのだ。もちろん4人の愛人たちの家を買ってやることもしなければ、違う屋根の下にいてきちんと家に帰ってくる自信も父にはないのだろう。普通はありえない、まぁ私も旅に出るまではこれが普通だと思っていたが、4人の愛人たちも同じ屋根の下に生きている。まともな神経をしていれば、奥方と子供がいつでくわしてもおかしくない状況などつくらないだろう。
もし、この国の法律が、平民や下級貴族にも七人女性を娶ることを許していたらどんなに良かったか。
いや、そんなことをしたら母はもっと憔悴し、兄はつらい死に方をしていただろう。後継者候補が増えるなんて争いの火の粉でしかない。それに、そんなことになったら世の中から女性を巡って男性同士が争ってしまう。たかが商人のためにそんなことが起きてたまるか。おっとそんなことを考えていたら本人様のお出ましだ。黒く艶やかな髪、緑を混ぜた瞳、まるで誠を求める美の女神、シュタイメローリのその手で作り上げたような肢体。淡い緑の小さなネックレス。それでもかっこいいと思えるのは内面の芯の太さ故か、
「クロルさん、ごきげんよう。」
「あら、モーリスお嬢様今日はまるでラヴィア様のようですね。」
こきひ
私が深緋色のドレスを纏っているからか、父上のもう1人の愛人ラヴィア口紅のように真っ赤な髪を持つ女性だ。父はきっとセミ様のような白く女神のような美しさより、チャリア様のまるで純血の精霊のような柔和さより、母の愛らしい栗毛の巻毛の愛情深く明るい様より、一途な三人の夫人より、強く甘えたがりで、強かな女性が好きなのだろう。
「まあそう思われますか?私は、私の色を纏ったと思うのですが」
「もう、誰になられることもなくなったのですね。なんだかいつにも増して大人のようになられて、」
核心をついてくるな、さすが元娼婦というところか、父上はどうやってこの女性を他の貴族などのライバルからぶんどったのだろう。
「ご自分で開けられます?」
クロルが手で扉を差しながら言ってくる。
「ふふったぶん?」
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回投稿はまだ未定です。
登場人物の名前はラテン語由来が多くありますが、中には何も考えずに作ったものもあります。
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次回いよいよ食事会。




