世の中結局顔ですか?
「好きです、付き合ってください!!」
「ごめんなさい!」
これで何回目だろうか。
フラれたの。
ああ。
おれは。
ずっとこのまま。
生きていくしかないのだろうか。
テレビはつけない。
だって。
イケメンばっかりだから。
鏡は見ない。
惨めだから......。
アニメが大好きで、高校生になったら恋愛できるのかなって、思っていたけど全然そんなこともなくて。
じゃあ、大学生になったら、って、思ってたけど、全然うまくいかなくて。
大学4年になって、卒業論文を書き終えて、好きな人が、一緒に出しにいこって言ってくれて、何度もご飯も行ってるし、告白して、結局これかよ。
もうこれから春休みで、次大学に行くのは卒業式で。1回くらい出席の日あったっけ? よくわかんねえ。
けど結局、俺は、学生のうちに恋愛はできず、このまま社会人になるわけで。
空を見上げると、星が綺麗。
そんな偽りの美しい世界から逃避するように、室内の駅に入っていく。
世の中結局顔で。
俺なんて生きる価値ないんだよ。
「通過列車です。ご注意ください。」
俺なんて。
生きる価値。
ない……。
どこだ……ここ。
ヨーロッパ調の景色。
レンガ造の建物がたくさん。
そして。
みんな。
おれの方を。
見てくる。
「大丈夫ですか?」
……。
エルフだ。
可愛い、エルフが。
話しかけてくれた。
手を取り、ぐっと上に持ち上げてくれた。
そして。
こう、話す。
「一目惚れ、しました。」
え?
一目惚れ??
「いや、その、え?」
すると、隣から天使が、エルフにガン、とタックルする。
「私も、一目惚れしました!」
「ちょっと、私が先に話しかけたんだけど!!」
待って待って、状況が飲み込めな…。
鏡のように綺麗な水たまり。
そこに映るおれの顔は。
イケメンだった。
それはそれは嬉しくて。
たまらない。
「どっちを選ぶの?」
「そ、そんな急に言われても。」
「はあ?はっきりしない男だな。」
2人は去っていった。
街を歩くとおれの方をチラチラとみんなが見てくる。
これが、イケメンってやつか。
嬉しいな。
過去の自分に見せてやりた……。
馬車が。
突っ込んできた。
危な……。
ってて。
ここは……。
駅の、ホーム……?
通過列車がドーッと通っていく。
そっか。
おれ。
飛び降りてないことになってるんだ。
少しだけ。
転生して。
イケメンの気分を味わえたから。
よかった……。
あれ。
周りの視線が。
すごい。
感じる。
おれは、スマホの内カメで自分の顔を確認した。
そこには、超イケメンの顔が写っていた。




