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怪しい投資セミナー、タケル陥落

ある日。

キャンパスで知らない男が声をかけてきた。


「君、成功したいと思わない?」


「思う!!」


タケルの反射速度はF1級だ。


男は微笑んだ。


「今日の夜、稼げるセミナーがある。無料だよ。」


(無料!? 行くしかねぇ!!)


タケルは鼻息荒く参加。

会場はスーツの若者だらけでキラキラしている。


講師「成功したいかーッ!」


タケル「したいです!!」


講師「諦めるなぁぁぁ!!」


タケル「諦めません!!」


テンションが上がりすぎて、気づけば最後に配られた申込書にサインしていた。


内容:

“成功者コーチング 1時間20万円(月4回)”


気づいた時には担当者が握手していた。


「ではタケルさん、成功への第一歩ですね。」


(第一歩にして破滅の一歩では!?)


タケルは震える手で財布を見つめる——が、

幸いATMの残高が3000円しかなかったため、契約は通らなかった。


担当者は舌打ちして去っていった。


タケルは泣いた。

(貧乏で助かった…!!)


だが帰り道、なぜか男子学生が肩を抱いて言った。


「タケル、守ってやれなくてごめん…」


(おまえは誰なんだよ!!)



次にタケルは「モデル募集」という貼り紙を見つける。

女の子に視線を向けられたいタケルは当然応募。


撮影スタジオへ行くと、やたらテンションが高いカメラマンがいた。


「来たねぇ! 君、期待の新人!」


(やっぱり俺の時代来た!!)


しかし衣装を渡された瞬間、タケルは固まった。


着ぐるみ:パンダ(頭が異常に重い)


撮影内容:

都心の真昼間で子どもたちに追いかけられながら踊る


タケルは逃げた。

だがパンダの頭部の視界が狭く——


電柱に激突。

さらに後ろから来た幼児のキックが股間にクリティカルヒット。


「た、助けて……!!」

「パンダさん泣いてるー!」

「がんばれパンダ!!」


子どもたちによる応援(圧力)で、

タケルは涙目のまま踊り続けた。


結果、撮影終了後。


カメラマン「ごめんねぇ!あれ実は無償撮影だったわ!」


「はぁぁぁぁぁ!?!?」


交通費すら出ないという事実。

タケル、血の涙。


なぜか通りがかりの男子大学生がパンダ頭部を拾って言った。


「タケル…かわいかったよ…」


(だからなんで男にだけ刺さるんだ俺は!!)



タケルは気づく。


「バイトがダメなら…自分で稼げばいいんだ!!」


そこでプログラミング初心者なのにアプリ開発を始めた。

テーマはもちろん——


『簡単に彼女ができるアプリ』


しかしタケルはコードの書き方がわからず、

AIチャットに聞きながら作った結果、


完成したのは——


なぜか “男友達が増えるSNS”


タケルは恐ろしくて説明を読まなかったが、

β版を公開した途端、登録者が爆増。


全部、筋肉自慢の男たち。


通知音が鳴りまくる。


《新規メッセージ:タケルくん仲良くしよ》

《グループ参加依頼:タケルLOVEクラブ》

《あなたに興味を持っています:24名(全員男)》


タケルはスマホを抱えて絶叫した。


「違う!!欲しいのは彼女だぁぁぁぁ!!!」



その夜、落ち込むタケルの横に、

ふんわりした声が聞こえた。


「タケルくん……また何かやらかした?」


振り向けば、篠宮さくら。


「………もういいよ俺。金も、女も……」


「タケルくんは面白いから好きだよ、私は。」


「……は?」


「今日、ご飯行こう? 私が奢るね。」


今日もタケルの財布は秋風。

だが心はちょっとだけ春。


そしてその後ろから男子学生が——


「タケル、奢りなら俺も行く!」


「却下だぁぁぁぁ!!」

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