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妹ばかり見ている婚約者はもういりません  作者: 水谷繭
13.二回目のパーティー

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13-7

「ルドヴィク殿、フェリーチェ嬢、あまり勝手なことを言ってジュスティーナ嬢を煩わせないでくれるか」


「なんだ、俺はジュスティーナに話して……」


 怪訝な顔をしてラウロ様を見上げたルドヴィク様が、途端に目を見開く。


 隣にいたフェリーチェも口をあんぐり開けて固まってしまった。



「お前……ラウロ・ヴァレーリか……?」


「ああ、そうだが」


「痣はどうしたんだ。あの黒い不気味な文様はどこに……」


「ジュスティーナ嬢が治してくれたんだ」


 ラウロ様はどこか得意げな顔になって言う。


 ルドヴィク様は驚愕に表情を歪めながら、何か言おうとしては口を閉じるのを繰り返している。


 やがて、ようやく気を取り直したのか、叫ぶように言った。



「……す、少し痣がなくなって美形になったくらいで調子に乗るなよ! ジュスティーナは俺の婚約者だ!! 早くこちらへ返すんだ!!」


「婚約者? もう婚約は破棄されたと聞いているぞ」


「うるさい! ジュスティーナ、いいかげん言うことを聞け!!」


 ルドヴィク様が苛立たしげにそう言って、再び私の手を掴もうとする。


 しかし、ラウロ様が彼の手を掴んで止めてくれた。



「ルドヴィク殿、これまでの君のジュスティーナ嬢への扱いは聞いている。彼女を君の元へ返すわけにはいかない」


「何を……っ」


「今さらになって彼女の魅力に気づいたのか? しかしジュスティーナ嬢はもう君には興味ないようだぞ。残念だったな」


 ラウロ様は珍しく意地悪な顔をして笑う。


 ルドヴィク様は顔を赤くして、苛立たしげに彼を睨んでいた。


 すると、口をあんぐり開けたまま固まっていたフェリーチェが、ようやく我に返ったように口を開く。



「……意味がわかりませんわ」


「え?」


「こんなの意味がわかりませんわ! お姉様の相手がこんな方なんて信じられない! どう考えても釣り合いませんわ!!」


 フェリーチェは悲鳴を上げるようにそう言った。


 ルドヴィク様を見て勝ち誇ったように笑っていたラウロ様は、フェリーチェの言葉を聞いた途端、痛みをこらえるように顔をしかめる。



「……た、確かに俺では女神のように美しいジュスティーナ嬢に釣り合わないかもしれないが……。どうしてもジュスティーナ嬢にパートナーになって欲しかったんだ! ジュスティーナ嬢自身がいいと言ってくれたんだから、別に構わないだろう!」


「そっちじゃありませんわ!! ああもう、なんでですの!! ようやくお姉様に勝ったと思ったのにぃ……!!」


 フェリーチェは髪を振り乱して呻いている。


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