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妹ばかり見ている婚約者はもういりません  作者: 水谷繭
12.お誘い

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12-4

 ラウロ様を探してお屋敷の中を歩いていると、使用人のドナートさんがラウロ様は温室の方にいると教えてくれた。


 私はお礼を言ってすぐに温室へ駆けて行く。



 温室のガラス張りの壁から中をのぞくと、花壇の前でしゃがんで植物を見ているラウロ様の姿が見えた。


 私がガラスに近づくと、ラウロ様はこちらに気づいたようで、入っていいと手で合図してくれる。


 私は裏に回って扉を開け、温室に足を踏み入れた。



「ジュスティーナ嬢。どうかしたのか?」


 ラウロ様のいた花壇の前まで行くと、彼は首を傾げてこちらを見た。


 本人を前にすると、『ダンスパーティーでラウロ様がほかの女の子に誘われたらと考えたら、いてもたってもいられなくなって来てしまいました』だなんて言いづらくなる。


 私は言い訳するように言葉を並べた。



「ええと……温室の植物が見たいなと思って。なんだか草花と触れ合いたい気分でして……」


「はは、ジュスティーナ嬢は本当に植物が好きなんだな。いいよ、いくらでも見て行ってくれ」


 ラウロ様は笑いながら了承してくれる。


 私はお言葉に甘えて、ラウロ様の横にしゃがんで花壇の花を眺めた。


 色とりどりの花たちはやっぱりとても美しい。どの花も伸びやかに育って、瑞々しく咲いていた。


 綺麗に整えられた花壇は私の心を和ませてくれる。



「とても綺麗ですね。大事にお世話されているのが伝わってきます」


「ジュスティーナ嬢にそう言ってもらえると光栄だな」


 ラウロ様は私を見て微笑んだ。


 私はしばらくの間、温室の穏やかな空気に浸りながら、美しい花々を眺めていた。



「ジュスティーナ嬢、後で言おうと思っていたんだが」


 花壇の花に見惚れていると、ふいにラウロ様が口を開いた。


「なんですか?」


「その、来週のダンスパーティーのことなんだが……」


 私が話そうとしていたのと同じ話題を出され、少し驚いてしまった。


 なんの話だろうか。まさか、すでにほかのご令嬢から誘われたので、一回目は私と参加したけれど二回目は行かれないとか……?


 私が不安に駆られていると、ラウロ様はわずかに緊張の滲む声で言う。


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