表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹ばかり見ている婚約者はもういりません  作者: 水谷繭
8.突然の訪問

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/108

8-1

 ラウロ様の研究室は、書庫の少し先にあった。


 扉は書庫の扉より鮮やかな青色をしている。落ち着いた色調のお屋敷の中でよく目立っていた。


 確かにこれは、お屋敷の中で青い扉の部屋と呼ばれているのもわかるかもしれない。



「ごちゃごちゃした場所で悪いが、どうぞ入ってくれ」


 ラウロ様が扉を開けて中へ入るよう促してくれたので、私はそっと中へ足を踏み入れる。


 部屋の中には、大量の鉢植えや、中に植物の入ったガラスケース、実験道具のようなものなどがいっぱいに置かれていた。


 壁は白く、大きな窓から太陽の光が差し込んでいるので、部屋全体がとても明るい。実験室とサンルームの間のような印象を受けた。


「とても素敵なところですね! ここがラウロ様の研究室!」


「興味があるならどれでも近くで見てくれて構わない」


 ラウロ様がそう言ってくれたので、私は遠慮なく部屋を見回すことにした。


 すると部屋の右側に、壁にびっしりとさまざまな種類の蔦の這ったスペースがあることに気が付いた。



「ラウロ様、あれは?」


「ああ、あれは魔力を持っているという蔦を集めて育てているんだ。俺の顔につけられた痣は蔦のような形をしているから、調べたら何かわかるんじゃないかと思って」


「なるほど……」


 壁に近づいて蔦を見てみる。青みがかった蔦や、丸っぽい葉を持つ蔦など、色んな種類があったけれど、ラウロ様の痣と似た蔦はなかった。


 ふと、先ほど見た短剣に絡みついていた蔦が頭をよぎる。



「あの、ラウロ様……」


「なんだ?」


 あの蔦の絡みついていた短剣は何なのか、やっぱりとても気になる。ラウロ様にかけられたという『呪い』と関係しているのだろうか。



 しかし、尋ねようとして口を開きかけたところで、扉の向こうから急にバタバタと足音が聞こえてきた。


 驚いてそちらを見ると、ノックもなく扉が開く。顔を出したのはお屋敷で働いている使用人のドナートさんだった。



「ラウロ様、ジュスティーナ様、お客様がいらしています!!」


「客? そんな予定はなかったはずだが……」


 ドナートさんの言葉に、ラウロ様は首を傾げる。


「まぁいいか。ジュスティーナ嬢、少し待っていてくれ」


「はい、お待ちしております」


 ラウロ様にそう言われ、私はこくりとうなずいた。すると、ドナートさんは言いづらそうにこちらを見て言う。


「いえ、実は客人はジュスティーナ様もお呼びしておりまして。一緒に来ていただけるでしょうか」


「え?」


 思わず間抜けな声が出てしまった。


 ラウロ様のお屋敷に私を呼ぶお客様? ドナートさんの返答を聞いたラウロ様も驚いた顔をしている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ