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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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水龍ダンジョン 4

まず私とミーナがやったことは、タリーザの紹介で雇用したダークリザードの従者を使って、水龍ダンジョンの素材をギルドに持ち込ませた。そこで少し大げさに言ってもらう。


「水中にも多くの素材が眠ってるぞ。俺達みたいなリザード族には天国のようなダンジョンだ」



噂は広がるもので、リザードマンや水中活動が得意な種族や水中活動の特異な冒険者が集まって来た。


数日後、冒険者の様子を探るべく、総合ギルドに足を運んだ。


「ミーナ、とりあえず新風亭で情報を集めようよ。今日から新メニューも出るし」


「ちょっとナタリー、新メニューを食べたいだけじゃないの?」


「そ、そういうわけじゃ・・・・。あれよ、あれ。そう言うのも含めて情報収集って言うじゃない」


ミーナが冷たい目で私を見る。多分、私の魂胆はお見通しだろう。


「まあいいわ。私も新メニュー食べたいしね」



新風亭に着くとミックスナッツのメンバーが席に着いていた。メンバーは私達に気付いたようで、魔族の魔法使いクルミさんが声を掛けてきた。


「あっナタリーさん、それにミーナさん、お久しぶりです。今日も取材ですか?」


これにミーナが答える。


「その節はありがとうございました。お陰様で、いい雑誌が作れました。良ければお一つどうぞ」


ミーナがクルミさんに雑誌を手渡した。雑誌のタイトルを見る。


「今行きたい初心者向けダンジョン」 著者 ミランダ・マース、ミーナ・ロスティス


(ミーナ!!いつの間に?それにミランダ社長と共著だし・・・)


後で聞いた話だが、ここに掲載されているダンジョンのほとんどがミスタリアグループのダンジョンらしい。出版に至った経緯は、ミスタリアの会長でミーナの父親のラッセルさんが、雑談からミーナが書いた機関紙の記事をミランダ社長に見せたところ、「これは本にできるレベル」と太鼓判を押された。それで、ミランダ社長の協力を得て、人族用にアレンジし、出版したようだった。

同期のミーナに差を付けられた気がした。


「ありがとうございますミーナさん。よくまとまってますね。ところで、ニューポート以外で、おすすめはどこですか?」


「そうですね。ちょっとここからは遠いのですが、オルマン帝国の「恵みのダンジョン」と「救いのダンジョン」はお勧めですね。勇者パーティーのサポーターのロイさんの実家の近くです」


「実力が付いたら是非行ってみたいと思います」


(ミーナはちゃっかり、営業活動をしている)


場が和んだところで、食事を頼むことになった。人数が多いので少しずつ頼んでシェアすることになった。「お代は私達が持つ」と言うとメンバーは大喜びだった。饒舌に話してくれる。


「ところで、新しくできた水龍ダンジョンについてはどうですか?」


ミーナが聞くとリーダーで獣人の戦士カシュ―さんが答える。


「まさにそのダンジョンに挑戦するために準備をしている最中なんですよ。情報収集したり、装備を整えたりしてるんですが、少し困ったことがありまして・・・」


カシューさんが言うには、水龍ダンジョンの情報を収集したところ、水中活動が得意な冒険者がいれば、良い素材が手に入ることが分かった。ギルドでメンバー募集をしてもらったが、駆け出しのDランクパーティーに協力してくれる物好きはおらず、困っているというのだ。


ピーナさんも続ける。


「ギルドの座学で習ったんですが、テトラシティにはダンジョンガイドという職員が常駐しているそうです。攻略パーティーに着いてサポートしてくれるようなんですよ。テトラシティの現役ガイドのララさんという方が講義してくださったんですが、新人パーティーは「多少無理をしてもダンジョンガイドを雇ったほうがいい」と教えてもらいました。そんなスタッフはこの町にはいないし・・・」


落ち込むメンバーを見て、私は思い付いた。


「それなら、私が何とかしてあげるわ!!」



ということで、私はミックスナッツのメンバーを水龍神殿の巫女でリザードマンのリザラさんに紹介した。事情を説明すると快く応じてくれた。


「ダンジョンガイドですか・・・そんな職業があるとは知りませんでした。パーティーに加入するのではなく、水龍ダンジョンに挑戦するパーティーに臨時加入して、サポートをするということですね。それなら、巫女を続けながらでもやっていけますね。


先日、勇者パーティーに同行してダンジョン攻略をしたんですが、メインルート以外にも謎がいっぱいで、もっと探索したいと思っていたところなんですよ。けれど、巫女を続けながらですと、固定のパーティーメンバーに入ることができないので、残念に思っていたのですが、ダンジョンガイドになれば解決ですね。

他のリザードマン達も他の仕事をしながらでもできるので、希望者は多いと思いますよ」


そういえば、リザードマンが多数移住して来たんだった。

ミックスナッツとリザラさんは打ち解けたようで、今回はリザラさんがダンジョンガイドを引き受けてくれるようだった。


「えっ!!リザラさんはラーシア王国の元海軍で、お父様があのリザド将軍なんですか?」


「カシュー、それって凄いの?」


「何言ってんだ!!獣人で知らない奴はモグリだぞ。ラーシア王国軍は獣人の特性を生かした強い軍なんだ。それに海軍は大陸一とも言われてるんだ!!」


何気にリザラさんも武闘派のようだった。


帰り際、ミーナが言う。


「ダンジョンガイドを斡旋したことはナタリーにしては、良い判断だったわ。ダンジョンガイドが居れば勝手にダンジョンの宣伝をしてくれるしね。テトラシティのダンジョンがあそこまで有名になったのもダンジョンガイドのお陰と言ってもいいくらいだしね」


「まあ・・当然ね」


(そんなことは1ミリも思わなかったことは、黙っておこう)



それから1ヶ月後、ミックスナッツが水龍ダンジョンでA級素材のビッグパールを採取し、一躍ニューポートの注目パーティーになったのだが、それはまた別の話だ。




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