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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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救出作戦 1

今日は龍神神殿にヘンリーさんとドライスタ様御一家と来ている。

ダンジョン攻略パーティー10組達成のご褒美を勇者に渡すためだ。ドライスタ様はというと、美味しそうにロイさん(カーン子爵の五男さん)のフルコースに舌鼓を打っている。普通は、ご褒美をもらう側がもてなしたりするのはどうかと思うのだが、この辺は古龍エンシェントドラゴンなので、何でもありだろう。私としても美味しい料理を食べられるので、文句はないのだが。


デザートを食べ終えたところで、ドライスタ様が話始める。


「クラシアよ、ご苦労であった。東の海の開発や航路の確保について助けてやろうと思うが、こちらにも事情があってな。まずは妻の話を聞いてくれ」


ドライスタ様の奥様のリバイア様が話始める。


「東の海のクラーケンと呼ばれる魔物は、私の妹なのです」


勇者達は衝撃を受けている。

今回、こちらが用意したご褒美は、「勇者達が望んでいた東の海の開発を手伝う」というものだ。ダンジョンを作ったのもリバイネ様を元の水龍に戻すことがこちらの真の目的なのだが、利害が一致するので、ご褒美という形にしたのだ。ヘンリーさんは「コストの削減」と言っていた。


ここからリバイア様の説明が続く。


妹のリバイネ様がクラーケンとなってしまったのは、魔力暴走のためだ。

水龍ウォータードラゴンの風習で、成龍すると群れから離れるのだが、妹のリバイネ様はかなり懐いていたので、「私もお姉ちゃんに着いて行く」と言って聞かなかった。

そして、無理やり成龍になろうとして、クラーケンになってしまったのだった。


ドラゴンの成長は人族とは違い、ある一定の年齢に達して、魔力が溜まれば、自分の意志で変異するのだそうだ。その変異に失敗したらしい。それで醜い姿になったそうだ。

その後、群れでも厄介者となってしまったリバイネ様をリバイア様が連れて、この地に移り住んだのだが、ドライスタ様との結婚を機に「お姉ちゃんもみんなと一緒で私を捨てるんだ!!」と言って、海に潜ってしまったという。

リバイネ様はかなり魔力が強いので、クラーケンとなり、海に潜った状態では、流石のドライスタ様もお手上げだそうだ。話も聞いてくれないらしい。


ここでヘンリーさんが話始める。


「私どもで調査した結果、暴走した魔力を吸い取れば、元に戻る可能性が高いということが分かりました。魔力を吸い取るには1時間は必要でその間大人しくしていただけたらいいのですが、今の状態では難しいと思います。ドライスタ様でも水の中ではリバイネ様を抑えることはできない状況なのです。せめて陸に上がってくれれば何とかなるとは思うのですが・・・」


これに対して勇者が言った。


「すぐに対策は思い浮かびません。協議を重ねながら実行していこうと思います」




それから、私とヘンリーさんは勇者達と共に戦術会議に出ることが多くなった。会議に出ても私はメモを取る位で特にすることはない。楽しみといえば休憩中に出てくるロイさん(カーン子爵の五男さん)の軽食だ。

サンドイッチやクッキーなどの話ながら食べらる物ばかりだが、非常に美味しく・・・・おっといけない。ダンジョン関係者とドライスタ様達の為に議事録を作るんだった。


議事録をまとめながら、作戦を分析する。

まず、戦力だが勇者がニューポートに来た当初に比べて、格段にレベルアップしている。地元のゴブリン達の実力が上がっており、作戦に加わってくれるパーティーも増えた。それに最近、新しく移住者が増え、戦力に加えることになった。

まずは、勇者の母国で獣人の国、ラーシア王国からリザードマンの一団だ。元々ラーシア王国の退役軍人で海軍に所属していたらしい。リザードマンだけあって、水中の行動は得意のようだ。


次に来たのは、阿修羅族の一団だった。阿修羅&ゴブリンズのシクスさんの従妹のアースラという女性がリーダーなのだが、来て早々勇者とトラブルを起こしてしまった。我が強く、戦力的には申し分ないが、作戦に加えるかどうかは検討中だ。

そして、ヘンリーさんが直々に要請したオルマン帝国軍を退役したダンカン将軍も到着した。彼は個人の戦闘力もさることながら、部隊指揮能力も高く、訓練指導もできる。地元のゴブリンや冒険者からも慕われており、すんなりと受け入れられた。役職としてはニューポートの特別軍事顧問兼総合ギルドの訓練所の所長だ。


それに早速活躍してくれた。

問題があると思われた阿修羅族の一団を手懐けてしまった。今もゴブリン達と一緒に行進訓練をしている。一体どのような方法を使ったのだろうか?

ダンカン将軍に聞いてみると笑いながら言った。


「丁寧に根気強く説得しただけだ」


(多分違うと思う)


謎は深まるばかりだった。


ヘンリーさんはという頻繁にセントラルハイツ学園に通っている。エルフの教授達とともにリバイネ様の魔力を吸い取る魔法陣を構築中とのことだった。これが作戦の肝なので、ヘンリーさんにしかできない。

なので、ヘンリーさんが出席できない作戦会議は私が重要な役目を担っている。まあ、メモを取って報告するだけだが。


そして、作戦会議を重ねた末、計画が動き出すこととなった。

会議を重ねて一番驚いたことは、ロイさんがかなり優秀なことだ。戦術面では、ヘンリーさんが感心するほど様々な案を出し、どれも計算されつくしていた。聞くところによると、勇者パーティーでも軍師的なポジションだという。

クワトロメイズのメインダンジョンも今回プレオープンしたドライスタ様のダンジョンもすぐに攻略されてしまったのは、こちらがロイさんを完全にノーマークだったことが大きな要因だと感じた。


もしクビになったら、ダンコルに引き入れるようにミランダ社長に進言しよう。

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