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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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終戦

ダンジョンをオルマン帝国軍部隊に攻略された3日後、龍神神殿で部隊長のダンカン将軍と補佐のマルロ大臣と極秘で会談をしている。

当たり障りのない挨拶を交わす。


「貴殿達が龍神様の秘書とは、思いもよらなかったぞ。カーン子爵領の一件以来だな」


「そうですね。ダンカン将軍も息災で何よりです。ダンジョン攻略ではかなりのご活躍だったと伺っています」


「なあに、年寄りの冷や水みたいなもんだな。ハハハハ」


何を隠そう、ミスリルワイバーンを真っ二つしたのが、このダンカン将軍で、万能型の魔法剣士がこのマルロ大臣なのだ。


「おい、マルロ!!ヘンリー殿に下手な小細工はするな。どうせ通じんだろうしな。さっさと終わらせて帰還するぞ」


「わ、分かりました。ところでヘンリー殿、こちらから要求することは・・・・」


マルロ大臣から出された条件は2つ。


1 情報漏洩事案の謝罪及び賠償

2 滞在期間が延びたことによる金銭的な補償、又はそれに代わる対価


であった。


「正直に申しますと帰国した際に、『なぜ予定よりも大幅に滞在期間が延びたのか?』『予定では4組の攻略パーティーを出す予定だったが3組しか攻略パーティーを出せず、遠征が失敗したのではないか?』などと追及されるのは目に見えています。結局はその追及さえ躱せれば問題ないのですが・・・」


マルロ大臣の言葉に嘘はないだろう。

ヘンリーさんは言う。


「金銭的な補償はできませんが、ドライスタ様より「ダンジョン始まって以来の実力者集団でその栄光を称える」旨の書状と古龍の牙よりもレア度の高い古龍の角をお渡しするように言い付かっております。これで、オルマン帝国内の遠征が失敗したという意見は封殺できると考えます。

こちらとしては、情報漏洩事件については不問としていただければそれで構いません」


「それだけでよろしいのですか?こちらがかなり得をする条件です・・・・。曲がったことが嫌いなダンカン将軍が呑んでくれましたらそれで、終わりなのですが・・・・」


何となく、曲がったことが嫌いそうな雰囲気がダンカン将軍にはある。

どう出るのだろうか?「情報漏洩の関係者を出せ!!」とか怒鳴らないだろうか?

ダンカン将軍は静かに話し出した。


「一つだけ聞きたいことがある。なぜ龍神様はダンジョンをお作りになったのだ?」


静かだが気迫のこもった声で、嘘やごまかしができない雰囲気があった。


「ここだけの話で他言無用としていただけるのなら、お話します」


そう言うとヘンリーさんは、クラーケンとなってしまったリバイネ様のこと、捕獲して治療するには実力のある冒険者や軍人が多く必要なこと、その環境を整えるためにダンジョンを作ったことなどを話した。


「そのような事情がお有りだったとは・・・。ヘンリー殿の条件を受け入れよう」


ということで、話がまとまった。

あまりにも帝国側に有利な条件なので、マルロ大臣は、「本当に形だけですが」と前置きをしたうえで、オルマン帝国の優良ダンジョンとして指定すると約束してくれた。優良ダンジョンになると帝国の許可無く、ダンジョンの破壊などはできなくなるらしいが、オルマン帝国からニューポートはかなり離れているので、実質、形だけの指定だろう。

因みにマーナさんがマスターを務めるカーン子爵領のB-5,B-6ダンジョンも最近、指定されたそうだ。


「優良ダンジョン指定の件、ありがとうございました。それとこれは今回の交渉とは関係ないのですが、もしよろしければ、話だけでもということで・・・・」



最後にヘンリーさんが出した条件は、今回の遠征で勇退されるダンカン将軍のニューポートへの引き抜きだ。指揮能力はもとより、冒険者やゴブリン達に指導者として慕われていることなどから、ギルドの訓練教官に推薦したのだった。


「当然、ギルマスと話はつけてあります・・・」


「この老体に破格の待遇を用意してくれるとは・・・・有難い。前向きに検討しよう」




オルマン帝国軍部隊との話はまとまったが、領主の勇者は激怒しているようだった。オルマン帝国軍部隊が帰国して早々、領主館に呼び出されたのだ。


「よく私の前に顔を出せましたね。一体どういう神経をされているのでしょうか?」


(かなり怒っている・・・。でも怒って耳と尻尾がピーンってなってるところがモフり甲斐が・・・)


現実逃避から変な妄想をしてしまった。

でもヘンリーさんは白を切りとおすつもりのようだ。


「一体何の話をされているのか分かり兼ねますが」


「帝国軍部隊の作戦本部で情報を盗み取ったではありませんか?」


「一体何の証拠があってそのようなことをおっしゃられているのか分かりません。もし疑われるのであれば、この件で一番得をした人物を疑うべきかと愚考致しますが・・・・・」


既に帝国軍部隊とは話がついているので、領主としてもこれ以上は追及できなさそうだった。

去り際、ヘンリーさんは言った。


「以後気を付けます。お詫びにダンジョン情報をお教えします。ダンジョンの難易度は今のままで下がることはないそうです」


オルマン帝国軍部隊が組の攻略パーティーを出したため、あと一組が攻略すれば、ドライスタ様と約束した10組目に到達する。勇者は、早い段階から地元のゴブリンを集めて、攻略用のパーティーを結成していたのだった。

今回の落し所として、そのパーティーのための情報を提供したと思ってもらえれば、多少溜飲が下がるのではとの配慮だろう。


スッキリとはしないが、何とか丸く収まった。

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