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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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ダンジョン戦争 6

「今回のパーティーで一番要注意のメンバーは分かる?」


ヘンリーさんが尋ねてくる。

今回のスペシャルチームは剣士が2人、槍使い、弓兵、魔法使い、斥候の6人編成だ。

情報を取った私としては、18番の斥候だと即答した。なぜなら、オルマン帝国軍は現在2つの攻略パーティーを輩出しているが、この二つともにこの18番の斥候が入っていたのだ。オルマン帝国軍の方針で、ダンジョン攻略パーティーメンバーは、ダンジョン攻略に当たらせずに、訓練や別の任務に当たらせている。これは、なるべく多くの部隊員に経験を積ませようという考えからだろう。

しかし、斥候部隊は5名しか連れて来ておらず、そのうち二人は新入隊員なので、別枠でパーティーに編成されていたのだ。

更に18番の斥候部隊員は、遠征後に特殊部隊への配属が決まっているみたいだ。経歴も魔法部隊、剣士、弓兵を経験し、斥候部隊に配属されているので、基本的に何でもできる。

骸骨騎士様ロンメルさんも褒めていた。


「戦いを見るに安全策を取って、無難に戦っている。センスも良さそうだ」



ヘンリーさんが更に質問してくる。


「それじゃあ、どういった作戦が有効かな?」


「真っ先に18番を潰せばいいんじゃないでしょうか?」


「それはみんなも考え付いた作戦だろうが、分析してみると、Cランク以下の魔物で彼を潰しきることはかなりハードルが高い。だから発想を逆転させてみたのさ」


ヘンリーさんの話によれば、部隊の方針として、パーティーメンバーの一人でも重傷を負えば撤退する。なので、18番以外の人物を狙って潰せばいいというわけだった。




作戦が決まり、予定していた鉱山系エリアで迎え撃つことになった。このパーティーは真っ先に鉱山系リアに向かってきたのだ。得意なエリアをまず攻略して勢いを付ける作戦だろう。こちらとしては、勢いがつく前に撤退に追い込みたい。

今回も斥候が罠を解除しているところで、奇襲攻撃を掛ける。当然、相手も警戒していることなので上手くはいかない。目的は斥候と他のメンバーを分断することにある。


襲撃予定地点に到達したパーティーは罠を発見したので、斥候が罠の解除を始めた。今回は他のメンバーがしっかりと警戒している。失敗すると分かっているが、ロックゴーレムを5体出現させて攻撃に当たらせる。すると前衛の剣士2名と槍使い1名はゴーレムに対応してきた。

ゴーレムの操作はタリーザが行っている。


「予定どおり、守備的に戦い、ゆっくりと後退します」


これも作戦だ。

なるべく、前衛と後衛の距離を広げる。そしてここでも普段は出現しない飛行系エリアの魔物を出現させる。エビルホークだ。鳥系の魔物だが、知能が高く、投石攻撃ができるのだ。

投石で魔法使いと弓使いを攻撃する。魔法使いと弓使いは上空のエビルホークに攻撃を集中させている。

問題の斥候はというとダクネスが開発した罠の解除に掛かりっきりだった。というのも、罠自体は大したことは無いのだが、解除に時間が掛かり、途中で解除を中断すると爆発するようになっている。なので、この斥候はしばらくは戦闘に参加できないのだ。


戦闘が始まり、しばらく経過したところで、前衛と後衛の距離が十分に離れた。そして、予め潜ませていたサボテングリーンで弓使いを集中攻撃する。サボテングリーンは、ダンジョンボスとして出現させたサボテンゴールドの元となった魔物で、トゲを飛ばしたり、触手を伸ばして攻撃する。鉱山系エリアは荒野であるため、サボテンが生えていても魔物とは思わないだろうと判断して設置していた。

それほど強くはないが、後衛の全く防御を想定していない弓使いを戦闘不能に追い込むことくらいはできる。


上空のエビルホークに集中し、前衛のサポートを受けられなかった弓使いは重傷を負った。

丁度そのころ、斥候が罠を解除したみたいだったが、斥候は撤退の指示を出していた。

今回も私達が勝利して、撤退に追い込んだ。




それから1週間は何とかオルマン帝国軍の攻略を防ぎきった。

作戦本部の会話は筒抜けだし、スタッフ間の連携も取れているので、負ける気がしなかった。それに応援のスタッフも来てくれた。

まずは「光の洞窟」のネロスさんだ。骸骨騎士様ロンメルさんから「戦闘経験を積ませてやってほしい」と頼まれ、本人も「有事の際はゴブリンを守る」と意気込んで参加してくれた。ネロスさんはポンコツのイメージが強かったが、意外にできる男だった。新人スタッフ3人をしっかりフォローしてくれて、罠関係から情報分析、戦闘に至るまで、大活躍だった。

「光の洞窟」の一件を知らない新人達は称賛していた。


「魔物の動かし方も旨いですね」

「ヘンリーさん程じゃないッスけど、仕事もできるしカッコいいッス」

「キョウカ様を尊敬しているところは好感が持てます」


そしてもう一人はミーナで、情報収集能力を買われてのメンバー入りだった。

骸骨騎士様ロンメルさんの見立てでは、流石にこれで終わりではなく、新たな手を打ってくると予想され、早めに情報を入手してほしいようだったし、私も人間の隊員が一人もいない状況では心許なかったので、嬉しかった。

一つ文句を言うと、情報隊の隊長は私ではなく、まるでミーナのようだった。


「ナタリー、作戦本部だけでなく、休暇中の部隊員からも情報を取ってね。接触は私がするから・・・」


ミーナの指示で私が動く形となってしまった。


少し不満はあるものの、順調に進んでいったが、オルマン帝国軍が次の作戦を打ってくることが判明した。


物量作戦だ!!


何と、ダンジョン内に補給基地を作って、そこを拠点に攻略を進めるといったものだった。なので、攻略パーティーに重傷者が出れば、救護班が来て、拠点まで搬送する。なので、一人二人、戦闘不能にしても戦闘を継続する。


骸骨騎士様ロンメルさんが言う。


「お得意の物量作戦できたか・・・。だが、こ奴らは実戦経験が乏しいから何とでもなる」


結局、拠点を強襲するという作戦で今回も撤退に追い込んだ。


まるでダンジョン内で戦争をしている気分になる。


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