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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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ダンジョン戦争 1

ミーナとのスパイ活動の後は平穏な日々が続いていた。ダンジョンの運営も慣れてきて、スタッフ達も余裕が生まれている。今日は私の部隊員達をドミティア様とリバイネ様にお披露目をしていた。

フワフワ鳥のフワッチだけでなく、実家から一角兎ホーンラビットの一家とフワフワオオカミの一家を連れて来た。フワフワ熊の家族は大きさ的に無理なので今回は連れてこなかった。


今もドミティア様が彼らを愛でている。特にフワフワ狼のお子様がお気に入りのようだ。一緒に来ていたダークリザードのタリーザは感激していた。


「美少女のドミティア様がモフモフを愛でる。なんて、素晴らしい光景なのでしょうか・・・」


タリーザは、ここしばらく、ドライスタ様御一家に付きっきりだ。献身的なタリーザのおかげで、ダークリザード族から何人か従者を採用してもらえることになったらしい。その中にはタリーザの妹のテリーザも含まれていて、従者たちを指導するマニュアルを作っているようだった。

本人の希望が叶い、良かったと思っている。


ダークドワーフのダクネスは、ダンジョンの定期改変も難なくこなせるようになり、ダークエルフと人間のハーフのエリーナは、DPダンジョンポイントの収支計算や全体的なダンジョン管理もお手のものだった。


ということで、いよいよ私の仕事が無くなってきた。仕方なく今日もニューポートの町に出る。とりあえずギルドに併設されている「新風亭」に向かった。

冒険者は増えているが、攻略パーティーは現れず、採取がメインのパーティーばかりだった。「新風亭」に入ろうとしたところで、声を掛けられた。ミックスナッツのクルミさんとピーナさんだった。


「ナタリーさんお久しぶりです。今日はとっておきの情報があるんですよ」


今もこの二人は私のことを出版関係の仕事をしていると思っている。今回も情報提供とは名ばかりで、昼ご飯をねだってきているのだ。多分、私はカモにされているのかもしれない。でも私はどうしても、情報が欲しかったので、この提案を受け入れた。


「日替わり定食で手を打ちますよ」


「じゃあ、デザートもつけてくださいね」



あまり期待せずに聞いた情報だったが、かなり重要な情報だった。何でも、オルマン帝国の100名規模の国軍部隊がニューポートに迫っているとのことだった。そのことで、領主である勇者達は対応に苦慮しているようだ。

これは調査しなければならない。


やっと仕事が見付かった私は、この件について調査チームを編成した。もちろん、私が隊長を務めるモフモフ部隊だ。調査したところ、軍団を率いているのはトーマス・ダンカン将軍だった。カーン子爵領にグリード子爵が攻めて来た時に帝都の文官の護衛で来ていた人だ。いかにも武人といった感じで、誠実な人というイメージだった。


ニューポートに来た理由は、ダンジョン攻略が進まないことを危惧した勇者が、各国に攻略パーティーの派遣を依頼したみたいで、なぜかオルマン帝国だけは国軍を派遣してきたのだ。それも100人規模で。

ダンジョン攻略を口実に侵略を考えている可能性もあったが、そうではなかった。近々ダンカン将軍が勇退されるので、その記念にダンジョン攻略の栄誉と実績づくりのためにやって来たらしい。

ダンジョン入口のDP回収エリアには、先日大型の宿泊施設がオープンしたばかりで、こちらとしてはDPが稼げるので、嬉しいかぎりではある。


ヘンリーさんとドライスタ様に報告に行くと、なぜかドライスタ様が食い付いた。


「我が直々に激励に行ってやろう」


最近思うのだが、ドライスタ様はロイさんの料理が食べたいだけなのではないだろうか?何かにつけて、龍神神殿に行って、龍の姿で少しお言葉を掛ける。それで、あの料理が食べられるなんて、羨ましいかぎりだ。もちろん私もおこぼれに預かれるので、不満はないのだが・・・。


ドライスタ様の激励も無事終了し、いよいよオルマン帝国軍部隊がダンジョン攻略に挑戦を始めた。今まで全く攻略が進まなかったのだが、たった2週間で2組も攻略パーティーを出されてしまった。

なので、緊急の会議を現在行っている。ダンコルの軍事顧問の骸骨騎士様ロンメルさんも来てもらっていた。

まずはダクネスが報告する。


「攻略したパーティーは、物凄く強いという印象は無いッス。なんというか、こちらのことをしっかりと分析されているように思うッス」


エリーナも続ける。


「軍隊なのでそうなのかもしれませんが、規律正しく行動しています。何か計画みたいなものがあって、それに沿って行動しているのではと考えられます。それにどのパーティーもしきりにメモを取っています」


ここで、骸骨騎士様ロンメルさんが話始める。


「作戦本部を設置し、情報を集約して、情報を分析したうえで活動している。まるで戦争のやり方だな。オルマン帝国お得意の戦術だ」


「ロンメルさん、何か対策はありますか?」


「ならばこちらも同じことをしてやればいいのではないか?」



そして、私はヘンリーさんと共に作戦本部が設置されている、冒険者ギルドの支部へ向かうことになった。領主である勇者がオルマン手国部隊を激励に訪れる際に同行させてもらうことになったのだ。この辺の交渉はヘンリーさんにすべて任せていた。



この訪問がきっかけで、まるで戦争のようなことが起こってしまうとは、この時は予想だにしなかった。

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