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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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激闘!!勇者パーティー 2

勇者パーティーの魔法使いの女とミスリルワイバーンがそれぞれ、魔法とミスリルの弾丸を撃ち合っている。膠着状態だ。この状態のままでも私達ダンジョン側は問題ない。こちらの勝利条件は勇者パーティーを撤退させることだからだ。

ここで勇者パーティーが動きを見せた。勇者がサポーターの少年に合図を送るとサポーターの少年が身長の半分程の金属製の筒を取り出して、肩に担いで構えた。

するとその筒から凄まじい勢いで弾丸が発射された。空中のミスリルワイバーンは躱そうとするも弾丸はミスリルワイバーンを追尾して、命中した。ドカーンと大きな音がした。弾丸には電撃魔法が付与されているようで、かなりのダメージが入り、ミスリルワイバーンは地上に落下した。


すぐさま前衛のドワーフの女戦士とエルフの拳闘士だけでなく、勇者と神官騎士も加わり、落下したミスリルワイバーンに総攻撃を掛けている。このまま一気に叩く作戦のようだ。

一連の流れがスムーズなところを見ると事前に話し合って、作戦を決めていたように思われる。

しかし、ミスリルワイバーンもただでは終わらずにミスリルの弾丸を発射させる。勇者達は盾役のドワーフの女戦士、エルフの拳闘士、神官騎士が前に立ち、勇者、魔法使いの女、サポーターの少年がその後ろに配置して回避行動を取っていた。


ヘンリーさんが言う。


「一端空中に回避して、体制を立て直すしかないですね。ここを凌げば、持久戦に持ち込めます」


しかし、そうはならなかった。

勇者達はまだ、奥の手を隠し持っていた。上空に逃げようとしたミスリルワイバーンに神官騎士が急接近して、左足に槍を突き刺した。それでもミスリルワイバーンは飛び上がり、左足に槍は刺さったまま

3メートルほど浮上した。

なんとか、回避できたと思っていたが、魔法使いの女が詠唱を始めてしばらくすると左足に刺さっていた槍が爆発し、左足が吹き飛んだ。その衝撃でバランスを崩し、再度ミスリルワイバーンは地上に落下した。


落下したミスリルワイバーンに勇者達は総攻撃を掛ける。ミスリルワイバーンはミスリルの弾丸を撃ち出そうと魔力を溜めていたが、次の発射までに仕留める作戦のようだ。

勇者はと言うと攻撃に参加せずに魔力を溜めていた。多分、必殺技を出す気だろう。しばらくして、勇者はミスリルワイバーンに急接近して、大剣を振り下ろす。


「スラッシュストライク!!」


勇者が叫ぶとミスリルワイバーンは真っ二つになり、消滅してしまった。ドロップアイテムとダンジョン攻略の古龍の鱗と牙が出現し、転移スポットも出現した。

そしてドライスタ様の声が響き渡る。


『勇者よ、見事であった。本オープンのときはこうはいかんからな。楽しみにしておけ!!』


勇者パーティーは転移スポットで帰還していった。




勇者パーティーが立ち去った後、今回の勇者パーティーとの戦いについて、座談会を開いた。最初に口を開いたのは「クワトロメイズ」のニールさんだった。


「またしてもサポーターの少年にやられてしまいましたね。次はキチンとマークしますよ」


それに対してヘンリーさんは言う。


「それだけではありませんね。魔法使いの女性も神官騎士も隠し玉を持ってました。相手方の真剣さが伝わってきますね」


私としては、ダンジョン攻略されたことは残念に思ったが、カーン男爵の五男さんが活躍してくれて正直嬉しい気持ちもある。それを骸骨騎士様ロンメルさんに伝えた。


「ロンメルさんも弟子が活躍して嬉しんじゃないんですか?」


「そうだな。あの者の兄と同じように日々努力を積み重ね、自分にできることをしっかりとこなす姿勢は称賛に値する。師匠として鼻が高い」


骸骨騎士様ロンメルさんも嬉しそうだった。それにミランダ社長も続く。


「そうだわ。魔族チームとの決戦でも勝負を決めたのはサポーターの少年だったのよ。いい試合だったわ」


「というかミランダ社長。そんな情報を持っているのなら攻略される前に情報を提供してくださいよ」


私が、ツッコムと笑いが起きた。


続いての話題はミスリルワイバーンと金属コーティングできる魔道具の話になった。ここでもニールさんが話始める。


「いい魔道具だと思います。毎回ミスリルコーティングだとDP的に厳しいですね。もっとコストが抑えられれば、クリスさんに採用してもらう方向で話を進めますよ」


「それなら大丈夫です!!メタルコーティングならコストは3分の1以下になります。その分耐久度は・・・・」


ネロスさんも魔道具の説明に必死だ。ここでもヘンリーさんが助け船を出す。


「それなら実験的にメタルコーティングの魔物を出現させてみてデータを送りましょう。それで判断してください」


「そうですね。分かりました」



そんな感じで座談会は進み、最後はキョウカ様が締めの言葉を述べる。


「なかなかいいダンジョンでしたわ。それにいい戦いだったと思います。新人にしては合格点をだと思いますわ。指導して欲しいのなら遠慮なく言ってきてください」


これにドライスタ様も答える。


「偉そうに。すぐに追い抜いてくれるわ」


意外に仲がいいのかもしれない。




座談会終了後すぐに私とヘンリーさんは、龍神神殿の付近にある冒険者ギルドの支部に来ていた。勇者達にお祝いを述べるとともにドライスタ様との面会を要請するためだ。冒険者ギルドの支部を訪ねると勇者達は別室で、ダンジョンでの採取素材の整理をしていた。中から勇者達の会話が聞こえてくる。


「新兵器の「マジックランチャー」は命中精度も威力もなかなかのものね。ただ、かなりコストがかかるから量産は難しいわね。それにあの爆発する槍も結構な値段がするのよ」


(勇者も領主として金銭的なやりくりは大変そうだ)


「そうですね。量産出来たら戦争のやり方がガラッと変わりますね。ゴブリン達でマジックランチャー部隊なんか作れば・・・・」


「そんなことをすれば、ニューポートは財政破綻よ!!」


会話が途切れたところで、私とヘンリーさんが入室する。


「クラシア王女。この度はダンジョン攻略おめでとうございます。つきましては、ドライスタ様直々にお祝いの言葉を述べたいとのことです。目途がつきましたら龍神神殿までご足労願えませんか?」


勇者は断らなかった。勇者はドライスタ様のことを龍神様と呼んでいるし、多分、神様に近い存在だと認識しているのだと思う。ここでもヘンリーさんの強気の交渉が生きていた。更にヘンリーさんは言う。


「それと大変心苦しいのですが、一つお願いしたいことが・・・・・」


それはかなり、心苦しい依頼だった。

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