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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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ダンジョンプレオープン

ダンジョンがプレオープンした。大々的にプレオープンのイベントを行ったので、オープン当初から、かなりの冒険者がやって来た。新規ダンジョンの大きな壁の一つは、如何にして最初の入場者を確保するかということにあるが、今回はドライスタ様の知名度やブランド力を生かして、一気に解決した。

(カーン子爵領では、かなり苦労したのに・・・・)


次はリピーターを確保することだけど、それは問題ない。付近の市場なんかを調査して、そこそこの値段で取引できる素材を幅広く取り揃えている。ダンジョンは出現する魔物の種類で植物系エリア、鉱山系エリア、飛行系エリアの3つのエリアに分かれているが、特化型のパーティーでも、どれか一つのエリアならば十分に対応ができる。エリアボスもC級程度の魔物を用意しているので、エリアボスはちょいちょい討伐されている。しかし、5日経過しても3エリアのボスを討伐してダンジョンボスに挑むパーティーは出てこなかった。


それはそうだろう。植物系エリアでは毒や状態異常攻撃をしてくる植物系の魔物が多く出現し、火属性の攻撃手段を持っているパーティーでないと苦労する。鉱山エリアでは、単純な耐久力がものを言うし、飛行系エリアでは遠距離攻撃ができなければ、話にならない。

それにダンジョンボスに挑むには、3つのエリアでエリアボスを討伐して、キーストーンを集めなければならないのだが、キーストーンは一度ダンジョンから出ると消滅してしまう。なので、攻略パーティーには継戦能力も必要になってくる。状態異常に強く、火属性の攻撃ができて、耐久力があり、遠距離攻撃もできて、継戦能力のあるパーティーなんて、そうはいないだろう。


そんなとき、スタッフでダークリザードのタリーザから報告を受ける。


「ナタリー先輩!!凄いパーティーがいます。確認をお願いします」


「えっ?勇者パーティーが来たの?」


「多分、違うと思うのですが、でもかなり強そうですよ」


タリーザの報告を受けてモニターで確認する。


「うそ!!なんで、この人達が?」


映像に映し出されていたのは、ノーザニア王国国王夫妻、商業ギルド本部のギルマスでネリス商会の会長の男、冒険者ギルド本部のギルマス、そしてダークエルフの姉妹の6人パーティーだった。式典の来賓達が、なぜかダンジョンに挑戦していた。

ヘンリーさんが言う。


「ほとんど初代勇者パーティーだね。ラーシア王国国王の代わりにノーザニア王国の王妃が加入しているけど、かなり強力だね」


これが初代勇者パーティーなのか?それにしても凄い。パーティーを分析すると前衛は王妃と冒険者ギルド本部のギルマスだ。王妃は魔族の女性で三叉槍を装備し、強力な魔法と槍術で魔物を蹂躙する。ヘンリーさんの説明によるとジョブでいうと魔法槍使い(マジックランサー)というカテゴリーで、魔国デリライトの王族に伝わる伝統的な武術らしい。冒険者ギルド本部のギルマスはハーフドワーフで典型的なパワー型の戦士だ。しっかりと攻撃を受け止めて、パワーでねじ伏せる。今も魔物が大斧で一刀両断にされた。


後衛も強力で、ダークエルフの姉妹は弓使いでミルカ様と同じ魔弓術を使っていた。それにしても姉妹だけあってコンビネーションが抜群にいい。飛行系のエリアでは、飛行中のエリアボスを一人が広範囲に矢を放ち、躱したところをもう一人が仕留めていた。

そのダークエルフ姉妹の前には、ネリス商会の会長が位置して、攻撃を確実に受け止めている。この人は全く攻撃せずに姉妹のサポートに徹している。


そして中央にはノーザニア王国の国王が陣取り、前衛と後衛のバランスを取り、指示を出している。

今も前衛の二人に指示を出す。


「マーラ!!ヘラスト!!久しぶりだからって、前に出過ぎるな」


前衛と後衛のバランスが保たれているのは国王の存在が大きい。それに個人としてもなかなかの実力者で、ヘンリーさんやミランダ社長と同じ流派の魔法剣士のようだ。

ヘンリーさんは言う。


「僕達と同じ魔巧流まこうりゅうだね。上手くバランスを取っている。それにしてもなぜノーザニア王国の国王が魔巧流まこうりゅうを会得してるのだろうか?調べたら面白いかもね」



攻略のほうはどんどんと進んでいく。3つのエリアでエリアボスをすべて倒し、キーストーンを3つ獲得されてしまった。後はダンジョンボスとの戦闘のみとなる。ダンジョンボスはワイバーン1体だ。このパーティーなら相手にならないだろう。

初代勇者パーティーは入口の壁にキーストーンをはめ込んだ。すると転移スポットが出現した。この転移スポットからダンジョンボスのエリアに通じている。初代勇者パーティーは準備を整え、転移スポットに入った。


ダンジョンボスのワイバーンは普通のワイバーンよりは強化した個体を出現させたのだが、全く歯が立たなかった。早々にダークエルフの姉妹による弓矢での攻撃、国王夫妻の魔法攻撃で地上に落とされてしまった。後は国王と王妃、それに冒険者ギルド本部のギルマスが物理攻撃で蹂躙する。

ワイバーンはあっという間に消滅してしまった。

タリーザがヘンリーさんに尋ねる。


「なぜ国王クラスのメンバーがダンジョンを攻略することになったのですか?普通では考えられませんよね」


「ああ、そのことか。実は記念式典の後の食事会で色々あってね・・・・」


実は来賓とドライスタ様御一家との食事会で、ひょんなことからダンジョン攻略パーティーにはパーティーに一つ古龍の牙とパーティーメンバー全員に古龍の鱗が送られることになったのだ。牙も鱗もその辺に落ちているので、こちらとしては実質タダなのだが、ネリス商会の会長が言うには牙で白金貨30枚はするらしい。

なので、ダンジョン攻略に挑みたかったのもあるが、一番の要因は古龍の牙と鱗が目的だろう。

攻略報酬としては破格の物らしい。これだけで、ダンジョンボスに挑む理由としては十分だ。

しかし、一般的な冒険者パーティーとしては苦労し、危険を冒してダンジョンボスに挑むよりは、素材採取をメインにしたほうが安定して稼げる。攻略を目指すパーティーと素材採取メインのパーティーの棲み分けができるだろうとのことだった。


それからしばらく、攻略パーティーは現れなかったが、順調に冒険者は集まっていた。古龍の牙や鱗を得るためにダンジョンボスに挑もうとするパーティーはあったが、3つのエリアの内、2エリアの攻略が精一杯だった。3エリアを余力を残して攻略できるパーティーはそうはいない。

そんなとき、スタッフでダークドワーフのダクネスから報告があった。


「ヘンリーさん、ナタリーさん!!大変ッス!!ヤバいパーティーが来たッス」


モニターで確認すると女性だけのパーティーで、体の大きな熊獣人の三姉妹と覆面の弓使いの女性、覆面の女剣士の5人パーティーだった。

覆面の弓使いと覆面の女剣士は見覚えがある。


「あれ?まさか・・・・」


ヘンリーさんが言う。


「そうだね。間違いない」


特に女剣士は私達の良く知る人物だったのだ・・・・。

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