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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第三章 対決!!勇者パーティー

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結局は・・・ヘンリーさん

課題は見付かった。しかし、どのように解決すればいいかは全く分からない。

今日はクワトロメイズではなく、ダンコルの事務所に出勤している。ミランダ社長に中間報告をするためだ。そのため、昨日は夜遅くまで報告書を作っていた。少し眠い。

事務所に入るとミランダ社長だけでなく、ヘンリーさんもいた。ヘンリーさんも中間報告に戻ってきたみたいだった。3人でミーティングを始める。まずはヘンリーさんからだった。ヘンリーさんはダンジョン協会の調査をしているようだった。


「・・・ということで、ダンジョン協会にかなりのダンジョンが被害に遭っています。今後の対策ですが・・・・」


なるほど、ダンジョン協会が裏で糸を引いてるのか・・・。

そして、私の番になる。報告書を配って説明を始める。


「資料のとおり、課題はメインダンジョンの構築、アーティスト間の不仲の解消、それと元エースアーティストのニールさんの再起です。ニールさんがこんな状態になったのもダンジョン協会の影響だと考えられます」


ここでヘンリーさんを見る。落ち着いてはいるが、拳を握りしめて怒りを抑えているように見える。


「課題は見付かったのですが、私はどうしていいか分かりません。力不足ですいません」


「そんなことないわ、ナタリーちゃん!!良く調べてくれたと思ってるわ」


「そうですね。ここまでしてくれているので、もう半分くらいは解決していると思いますよ」


(えっ!!半分も解決してるですって・・・・)


ヘンリーさんには驚かされる。

私が戸惑っているとヘンリーさんは続ける。


「ナタリー。君は一人で全部解決しようとしているね。うちには優秀なスタッフがたくさんいるだろ?それにコネもあるし」


「どういうことでしょうか?」


「まあ、研修で失敗したのなら研修で取り返せばいいだけだよ」



クワトロメイズの再建計画はヘンリーさんとミランダ社長も加わり動き始めることになった。

なんと、本当に研修を始めてしまったのだ。研修先は「脳筋将軍」ことオーエンさん、「見栄っ張り婦人」ことコーデリアさん、「意地悪男爵」ことカララ、キララの妖精姉妹は「試練の塔」だった。

キョウカ様に話を伝えたところ、興奮していた。


「まあ特別顧問としては、やってあげてもいいけど・・・厳しいからね」


まず、「脳筋将軍」ことオーエンさんは骸骨騎士様ロンメルさんに力でねじ伏せられた。

当初は「俺は自分より弱い奴の言うことなんか聞かないぜ!!」と息巻いていた。そして、例のごとく

骸骨騎士様ロンメルさんの待ち受ける5階層に案内されたのだが・・・・


5階層には骸骨騎士様ロンメルさんのほかに剛剣流ごうけんりゅうの先代師範、速巧剣そっこうけん名誉師範、それに訓練に来ていた門下生がおり、厳しい訓練を行っていた。

オーエンさんは言う。


「誰が俺に指導をしてくれるんだ?面倒くさいから片っ端からかかってこい!!」


すると、門下生達が一斉にオーエンさんにかかっていった。しかしオーエンさんは両手に特大の棍棒を持って力任せに振り回し、門下生たちを次々と打倒していった。これには骸骨騎士様ロンメルさんも感心していた。


「なかなかやるなオーガの戦士よ。我が直々に相手をしてやろう」


しかし、剛剣流ごうけんりゅうの先代師範、速巧剣そっこうけん名誉師範の二人の老人に止められた。


「師匠!!ここは我らにお任せを。弟子達の礼をさせてください」

「そうです。現役時代ならこの程度の者、一人で十分でしたが、年を取りましてな。二人係で相手をさせてもらいましょう」


「ごちゃごちゃうるせえんだよ!!やるなら早く来いよ!!」


そう言うと戦いが始まった。最初に剛剣流ごうけんりゅうの先代師範が切り掛かる、これをオーエンさんは右手の棍棒で受け止める。そこをすかさず速巧剣そっこうけん名誉師範が切り掛かる。この老人達はなかなかのコンビネーションだ。

さすがのオーエンさんも大苦戦している。そういえばこの二人は犬猿の仲と言っていたが、意外に相性が良さそうだ。


「おのれ!!ちょこまかと小賢しい」


オーエンさんは上手くいかないことに腹を立てていた。だんだんと焦りの表情を浮かべる。老人達は名のある武人だけあって老獪だ。速巧剣の名誉師範がスピード重視で手数を多く出して牽制し、剛剣流の先代師範が隙を見せたところで豪快な一撃を叩き込む。

老人達が優勢に戦いを進めている。そんなとき、オーエンさんの足元が崩れた。落とし穴のトラップが発動したようだ。

すかさず、老人達が打ち込むとオーエンさんは棍棒を取り落した。


「クソ!!卑怯な!!」


ここで骸骨騎士様ロンメルさんが一括する。


「何を甘いことを言っている!!オーガの戦士よ。力だけなら貴殿の方がこの者たちよりも遥かに上だ。しかし、この者達は一人では勝てないと判断するやライバル同士協力し、それでも勝てないとなると罠を使ってもでも勝利を掴もうとした。その差だ」


「いや、でも・・・・」


「ここは武人として、戦士としての心技体を鍛える場所だ。力に任せにただ前に進むだけの貴殿は、戦士ですらない。ただの力自慢のゴロツキと変わらん!!」


オーエンさんはショックを受けている。骸骨騎士様ロンメルさんは続ける。


剛剣流ごうけんりゅうの先代師範カイエン!!速巧剣そっこうけん名誉師範クーロン!!貴殿らを免許皆伝とする。更に精進し、弟子をしっかりと指導してやれ!!」


「はっ!!」

「御意!!」


老人達は涙を流している。それに門下生達も感激している。


「オーガの戦士よ。どうしても力比べがしたければ我が相手をしてやろう」


そう言うとオーエンさんと骸骨騎士様ロンメルさんは戦いを始めた。結果、オーエンさんはフルボッコにされてしまった。

最後にオーエンさんは言った。


「師匠!!俺が未熟でした。ここで修業をさせてください」


なんか感動的なシーンだが、果たしてこれがアーティストの研修なのだろうか?ヘンリーさんに聞くと微妙な表情で答えてくれた。


「面倒なことになる前に立ち去りましょう。オーエンさんは、きっと上手くやれると思いますよ」



数日後、オーエンさんは師範代になって門下生に指導する立場にまでなっていた。


「おい!!力がすべてではない。パワーは戦いの一要素だ。それと仲間と協力することも忘れるな!!」


「「はい!!オーエン師範代!!」」


もしかすると研修の効果はあったのかもしれない・・・・


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