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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第三章 対決!!勇者パーティー

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同窓会

卒業して、約3年が経過した。私は、ダンジョン経営学部の同窓会に来ている。

本当は来たくなかったが、ミーナがどうしても行こうと誘ってきたので、仕方なく参加することにした。会場はダンジョン協会本部の大ホールだった。ダンジョン協会に就職している者も多く、伝手で安く使えるからというのがその理由だ。

同窓会のことを「ダンコル」メンバーに話すとヘンリーさんは仕事があっていけないそうで、ミランダ社長は「期待してないけど、仕事の一つでも取ってきたら、ボーナスをあげるわ」と言って快く送り出された。多分、気を使って行きやすくしてくれたのだと思う。


私はミーナとヘンリーさん以外の卒業生とは交流がない。研修でヘンリーさんと二人っきりになったことがきっかけで、変な噂が流れ、更にルキアという大手ダンジョンの御令嬢の逆鱗に触れてしまい、他の卒業生と疎遠になっているのだ。その分、ミーナとは仲が良く、休みの日はよくショッピングやカフェ巡りに行っている。


「ミーナ。私はミーナ以外で仲良い人なんていないんだよ。来る意味ないじゃん」


「それは・・・でもパパがダンジョン協会の情報を普段から仕入れるのも大事って言ってたじゃない。ダンジョン協会に就職している人も結構いるし・・・それに女性達に囲まれてるあの彼も・・・」


ミーナが指差したのは同級生のローレンス・エドワーズだ。金髪で白い肌の魔族、高身長ですらりとした体型、かなりのイケメンだ。父親もダンジョン協会重役で将来は約束されている。学年の最終成績も2位で申し分ない。


「ローレンスさんね。でも私は苦手だな。エリート感を前面に出してくるし・・・・」


「私もナタリーに同じよ。それに黒い噂もあるのよ・・・・」


ミーナの説明では、学部の成績もヘンリーさんに次いで2位だったがこれも裏があるらしい。以前から試験問題や実習の課題を事前に仕入れているという噂もあったし、今回、研修に成績がつくことを提案したのもローレンスさんだったと言われている。試験では勝てないので、研修でコネをフル活用すればヘンリーさんに逆転できると思っていたらしく、無理やり研修に得点制度を導入させたらしい。結果としては更に差が開き、とばっちりを受けた私が学年4位となってしまったが・・・。


「どうしても一番になりたかったみたい。ヘンリーさんの就職を邪魔したのは彼じゃないかっていう噂もあるわ」


噂が本当なら、かなりのクズ野郎だ。関わることは止めておこう。


「でも情報源としてつながりを作っておくのはいいかもしれないわね」


「止めようよ、ミーナ。危ない人かもしれないよ」


「そういうドキドキ感が癖になるのよね」


以前、スパイのようなことをして不正を暴いた経験があり、そのことが忘れられないみたいで、謎の女スパイ感を出していた。


「私は秘密を抱えた謎の女・・・・親友のナタリーにも言えない任務を・・・」


この娘もちょっと思い込みが激しいところがある。いい子だけど。

そんな風に二人で盛り上がっていたら、女性が声を掛けてきた。私の就職を邪魔したルキアさんだった。


「あら?よく来られたものね?碌なところに就職できなかったのに・・・」


「いや・・誘われたので・・・・」


「まあいいわ。普段食べられないような豪華な食事でも食べて、さっさとお帰りになったら?」


会場はそれなりに豪華な料理やお酒が置いてあったが、「試練の塔」のパーティーの料理に比べれば見劣りする。そんなとき、ミーナが私の代わりに怒ってくれた。


「ナタリーは凄いのよ。うちのグループだけじゃなくて、「試練の塔」の問題も解決してる敏腕コンサルタントなのよ!!あなたみたいに親のコネで就職して、すぐにサブマスターなんかになれる人とは違うんだから!!」


(後半の部分はあなたにも共通するよ)


「それにナタリーの会社は、ヘンリーさんが副社長なんだからね」


これにはルキアさんがショックを受けていた。


「で、で、でも、二人はただの同僚ですわよね?それ以上の関係では・・・」


私はここで少し仕返しをしてみたくなった。キョウカ様のおかげで、耐性ができた。キョウカ様に比べるとルキアさんなんて、初級レベルだ。


「何度も夜をともにしたことはあります。同じ部屋で一夜をともにするのなんていつものことです」


(嘘は言っていない。手を出されたこともないし、指一本触れてこない)


「そ、そんな・・・」


「もし、依頼等がありましたら遠慮なく事務所を訪ねてください」


そして、ショックを受けているルキアさんをその場に残して、私達は立ち去った。

それからミーナと一緒に特にダンジョン協会に勤めている人を中心に話して回った。特に有力な情報を得られなかったが、今後は気軽に話ができそうとミーナが言っていた。ミーナには、本当にスパイとしての能力があるのかもしれない。


そして、件のローレンスさんにも接触をした。

ダンジョン協会に就職した者は総じて、エリート意識が強かったがローレンスさんは特に顕著だった。個人経営のダンジョンを馬鹿にしたり、ダンジョン協会に文句を言ってくるダンジョンの悪口を言っていた。

(やっぱり、クズ野郎だ)

私はミーナに離れようと目で合図を送ったが、ミーナはローレンスさんと会話が弾んでいた。というか、無理やりミーナが話を合わせて、情報を引き出そうとしていた。


「将来ローレンスさんが出世したときにうちのグループに目を掛けてくれたら助かるわ。今後もつながりを持っていきたいとも思うし」


「君の考えもよく分かるよ。実は若手だけで大きな計画を実行しようとしてんるんだ。詳しいことが決まったら君にも連絡するよ」


「それってどんな計画?」


「今はまだ言えないかな。でも凄いことになるよ」


そんな感じで、ローレンスさんとの会話は続いている。私は立って会話を聞いいるだけだった。同窓会が終った後、ミーナは言う。


「これはスパイとしての勘



同窓会は特に大きな問題もなく終了した。ちょっとは、新たな恋とか出会いとかを期待したが、全くなかった。次の日事務所で、ミランダ社長に報告をする。


「ということで、新たな恋とかは見付かりませんでした。まあ、ヘンリーさんよりもいい男なんてそうそうはいませんよ。後は・・・そうだ、ミーナが諜報活動に嵌ちゃってて、ダンジョン協会に就職した人に積極的に声を掛けてましたね。『大いなる陰謀の匂いがするわ』とか言ってまし・・・・」


「ちょっと、なぜそれを早く言わない!!もっと詳しく話してくれ」


ヘンリーさんだ。いつもの冷静さがない。私は少し驚きながらもミーナが掴んだ情報を話す。


「ありがとう。社長、ちょっとミーナに会いにA-2ダンジョンに行ってきます」


「ヘンリーさん!!ミーナは今日、ミスタリアの本部にいると思います。研修がなんとか言っていたような・・・」


「分かった!!それではそちらに行ってきます」


ヘンリーさんは凄く焦った様子で、事務所を飛び出して行ってしまった。ミランダ社長は言う。


「普段まともそうに見えて、何かのきっかけで急にスイッチが入って、おかしくなる人間が。ヘンリー君もそのタイプの人間かしらね?」


(あなたがそれを言いますか?)


それから午後までは社長と二人で事務所で過ごした。そして午後一番に意外な人物が来客としてやってきた。


ルキアさんだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] >「これはスパイとしての勘 ここのセリフですが、途中で文章が途切れてしまってはいないでしょうか。
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