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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第三章 対決!!勇者パーティー

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戦闘開始

6階層の荒野のフィールドに勇者パーティがやって来た。ロックゴーレムやメタルソルジャーなどの活性化で出現した魔物に加え、自生している魔物を倒しながら進んでいる。私達は大岩でカモフラージュした拠点で動向を見守っている。多分、勇者パーティからは見えないだろう。

しかし、甘かった。

魔法使いの女が詠唱を始めるとすぐに爆裂魔法が飛んできた。何人かのゴブリンが弾け飛んだ。幸い軽症者が数人いただけだった。


「もう気付かれたのか!!索敵能力も一流のようだ。弓兵は威嚇射撃!!近接戦闘員は負傷者の救護を優先しろ」


ゴブタンさんの指揮で、弓矢の一斉射撃を行う。しかし、勇者パーティーに矢は届かず、逆に勇者と魔法使いが魔法で攻撃してきた。


「少し、早いですが撤退させようと思います。いかがでしょうか?」


「そうだな・・・撤退しよう」


「ここで少し力を見せ付けたかったのですが・・・仕方ないですね」


ゴブタンさん、骸骨騎士様ロンメルさん、ヘンリーさんが協議して撤退することになった。勇者にも分かりやすように私達は、7階層に通じる転移スポットに向かった。

そして、7階層から9階層も同じように遠距離で魔法と弓を撃ちあい、すぐに撤退することを繰り返した。7階層からはこちらが先制攻撃することになった。7階層からはゴブリンの居住区があり、下手に探索されると面倒なことになるからだ。

勇者パーティも深い追いしてくることはなかった。慎重に行動している。


そして、計画どおり、10階層のミスリルリザードの元まで勇者パーティーを誘導することができた。

作戦としては、勇者パーティーとミスリルリザードを戦わせるのだが、その前に勇者達にミスりりリザードの弱点を教え、更にゴブリン軍の強さを見せつけたいところだ。

今のところ、勇者はこちらの存在に気付いていない。隠蔽の魔法を何重にもかけているからだ。勇者達はというと、ミスリルリザードにどう対処するか、検討しているようだった。


そんなとき、ゴブタンさんが号令を掛ける。


「一斉射撃!!始め!!」


バリスタから鏃に電撃の魔法を付与した大型の矢、投石器から大型の岩が発射され、併せて魔法部隊から電撃魔法が放たれる。突然の攻撃にミスリルリザードは奇声を上げて怒り狂う。そこそこダメージは入っているようだった。自動回復スキルが発動している。

勇者達はというと、あっけに取られている。それはそうだろう、さっきまで戦闘をしていたゴブリン達が今度はダンジョンボスと交戦しているのだから。

ヘンリーさんが言う。


「何とか自動回復スキルの効果を3分の1まで減らせました。ネロスさんの協力も大きかったですね。それと賢い勇者はミスリルリザードには電撃魔法がある程度有効だということが分かったと思います。それに自動回復スキルを持っていることも・・・」


しばらく、ゴブリン軍は攻撃を加えていたが、倒しきれるはずもなく、矢と岩が尽きたので撤退することになった。後は勇者とミスリルリザードが戦わせるだけだ。

そんなとき、ミスリルリザードがミスリルの弾丸を発射した。ほとんどのゴブリンが撤退を完了していたのだが、1人のゴブリンが逃げ遅れてしまった。ゴブタンさんの娘のゴブミちゃんだ。ゴブミちゃんは、魔法の才能があったみたいで、ミルカ様にも目を掛けられていた。それが仇となり、撤退の指示が出ても調子に乗って攻撃を止めなかったみたいだ。

運が悪いことにミスリルの弾丸がゴブミちゃんの右足を貫いた。その場に倒れこんだゴブミちゃんにミスリルリザードが襲い掛かる。そしてゴブミちゃんに鋭い爪の生えた前足を振り下ろした。


「イヤー!!ゴブミちゃんが!!」


私は思わず叫んでしまい、そして目を瞑ってしまった。

しかし、恐れていたことは起きなかった。勇者がミスリルリザードの前足を剣で受けとめていた。そしてゴブミちゃんに何か言い、ゴブミちゃんを逃がしてくれた。

救出されたゴブミちゃんを治療する。ゴブタンさんは駆け寄ってきて、ゴブミさんを怒鳴る。


「ゴブミ!!何をやってるんだ!!安全第一だとあれほど・・・・」


「ゴブタン殿、その辺で」


ヘンリーさんがゴブタンさんを止める。そして続けて話す。


「勇者が困っている人を放っておけない性格だということがよく分かりました。あの頃のままですね。魔族である僕にも分け隔てなく接してくれてましたし。交渉も上手くいくでしょう。後はミスリルリザードを倒すだけですね」


ヘンリーさんのおかげで、ゴブタンさんは落ち着きを取り戻し、部隊に指示を始めた。


「バリスタ、投石器の装填を急げ!!次回の総攻撃の準備をしろ。魔法部隊は魔力回復ポーションを飲んでしっかり休め。後は勇者とミスリルリザードの戦いを見て指示する。総員待機!!」



そこから私達は勇者パーティーとミスリルリザードとの壮絶な戦いを目にする。前衛の勇者、ドワーフの女戦士、エルフの拳闘士が前に出て、魔法使いの女と神官騎士が魔法でサポートする。力押しで攻め切る作戦のようだ。作戦は功を奏して、ドワーフの女戦士が前足の爪を破壊し、勇者が尻尾を切り落とした。

自動回復スキルでもここまでの大怪我はすぐに回復しない。このままいけば、勇者パーティーが勝利するだろう。


しかし、そう甘くなかった。ミスリルリザードは接近戦を回避して、ミスリルの弾丸を放った後は、クールタイムが終るまで逃げ回る作戦に出ていた。いくら勇者パーティーでもミスリルの弾丸を撃ってきている間は、防御に専念するしかできず、膠着状態が続いた。勇者パーティーにも疲労の色が見え始める。


「けっこう面倒ですね。DP的にも早く何とかしたいですね。DP回収率を抑えたとはいえ、かなり消費されています」


ヘンリーさんが言う。こちらとしても、このままの状態が続くことは好ましくない。

そんなとき、勇者パーティが賭けに出た。神官騎士を前衛に移動させて前衛を3人にした。そしてミスリルの弾丸が飛んでくる中を無理やり前進していった。かなりの力技だ。

そして、クールタイムに入ったところで散開し、攻撃を加える。そして勇者が、(多分必殺技を使ったのだろう)ミスリルリザードを真っ二つに切り裂いた。勇者が手に持っていた大斧が砕け散る。


「こちらが動くまでもなく、倒してくれました。よし、ゴブタン殿!!今です」


ヘンリーさんがゴブタンさんに指示をする。ここからが私達の本当の戦いだ。

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