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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第三章 対決!!勇者パーティー

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謎の侵入者

「光の洞窟」に侵入者がやって来た。こちらとしては何も対策ができてない。対処療法として、ゴブリン達を9階層のシェルターに避難させたが、根本的な解決には至っていない。


「文句を言っても仕方ないわ。こういうときのために臨時職員を呼び出しましょう。専門家のロンメルさんに侵入者の分析をしてもらえばいいと思うわ。じゃあ、私ちょっと行ってくるから」


ミランダ社長はそういうと転移ポットに向かった。しばらくして、骸骨騎士様ロンメルさんとミルカ様、それになぜか、今日は休むと言っていたキョウカ様もやって来た。少し拗ねている感じがする。

ミランダ社長が骸骨騎士様ロンメルさんとミルカ様をマルクスさんに紹介する。もちろん人間の姿だ。さすがにいきなりスケルトンがやってきたら焦るだろうし。


「こちらが「ダンコル」の軍事顧問のロンメルです。詳しい経歴はお教えできませんが、某国の大将軍もしておりました。そしてこちらの女性がキョウカ様の妹さんで、特別顧問秘書のミルカです」


冷静に考えてみると、我が社はバランスが悪い。ミランダ社長、ヘンリー副社長、キョウカ特別顧問、ミルカ特別顧問秘書、ロンメル軍事顧問、そして唯一の平社員の私だ。深く考えるのはよそう。

挨拶を終えた後、ミルカ様にキョウカ様のことを尋ねる。


「キョウカ様は、本日は疲れたのて休むと言われてたのでは?」


「そのことですね。面倒くさい話ですが・・・」


ミルカ様は、小声で私とミランダ社長に説明してくれた。

「ダンコル」での勤務を終えて「試練の塔」に帰宅したキョウカ様は自慢気に契約が取れたことを話したそうだ。しかし、私達の称賛が足りなかったみたいで、そこが不満だった。


『もしかして、私が休んだら「キョウカ様がいないと仕事が進みません。助けてください」とか言ってくるかも・・・』


とか言っていたそうだ。本当に面倒くさい。

一応私はキョウカ様に声を掛けた。


「大丈夫なんですか?みんな心配してたんですよ」


「あなたに心配される程、落ちぶれていませんわよ」

(嬉しい。心配してくれてたのね)


ミルカ様の念話での通訳が聞こえてくる。ツンデレだ。



そんなことはさておき、侵入者の分析だ。

かなりの実力者揃いで、総勢6名。特に目を引くのは、隊長格の男と黒装束に覆面をしている男だった。隊長格の男は、剣士のようで次々と活性化で出現した魔物を切り伏せて行く。

ロンメルさんも称賛していた。


「かなりの剣士だ。オルマン帝国でも奴程の実力者はそうはおらんだろう」


覆面の男は弓使いで狙いを外さない。それにゴーレムやメタルソルジャーといった固い防御力を持った魔物にも確実にダメージを与えている。

ミルカ様が解説してくれる。


「かなりの魔弓術の使い手ですね。魔弓術はエルフに伝わる伝統的な弓術で、魔力を矢に込めて攻撃します。貫通の術式を矢に纏わせているのでしょう」


他の4人も2人に比べると目立たないが実力者だ。


斥候スカウト、女性の拳闘士、女性の魔法使い、重戦士か・・・。冒険者ランクで言えばAランクは間違いないと思います。それに統制も取れていて隙がない」


ヘンリーさんが解説してくれる。


「どうしましょうか?6階層で迎え撃ちますか?」


マルクスさんが心配そうに尋ねとヘンリーさんが答える。


「止めておきましょう。生半可な魔物だと相手になりません。罠もあの斥候スカウトがいれば、ほとんど解除されるでしょうし・・・・。それならばダンジョンボスにぶつけてみればいいのでは?ダンジョンボスのデータも欲しいですし」


「そうだな。悪しき者なら、最悪我らが出よう」


ロンメルさんも賛成する。


侵入者は5階層まで難なく進み、一度野営をするみたいだった。


「無理せずに体制を整えるか。兵法の基本もできているな」


ロンメルさんが褒め、ヘンリーさんは呟く。


「もっと情報が欲しいですね。ちょっとしたことでもいいので、会話とか聞ければ、侵入者の目的もわかるのですが・・・」


「だったら私が!!」


それぐらいなら、私にできる。実は私の部隊に新メンバーがいるのだ。フワフワ鳥のフワッチだ。実家のダンジョン近くで、怪我をして動けなくなったところを保護したのだ。実家に置いておこうと思ったけど懐かれてしまって、今も私のポシェットの中にいる。

フワフワ鳥は手乗りサイズのモフモフした小鳥の魔物で、非常に大人しい。なので、魔物と思われず、小鳥として飼われることも多々ある。

私はフワッチをポシェットから取り出して、説明する。


「フワフワ鳥のフワッチです。彼女に偵察してもらいます」


「「「可愛い!!」」」


女性陣から歓声が上がる。キョウカ様は、興味を示していたが、どうしていいか分からない感じだった。私はキョウカ様の前にフワッチを出して言った。


「凄く大人しいんですよ。キョウカ様もモフモフしてみます?」


キョウカ様は誘惑に勝てなかったみたいで、モフモフを始めた。

でも言葉はツンデレだ。


「モフモフで可愛いのは認めますけれど、「フワッチ」というネーミングセンスはいただけませんわ。そうですね「スーパーモフモフグレートビクトリア」とかどうでしょう?」


(あなたの方がネーミングセンスが無いですよ)


フワッチの可愛さをみんなで堪能した後、私はフワッチに指示する。


「気を付けて行ってきてね」


「ピヨ!!」(了解!!)


「近くに着いたら感覚共有するから」





フワッチが野営している侵入者の会話が聞こえる距離に着いたので感覚共有を開始する。短距離で、短時間なら魔道具の首輪が無くても感覚共有ができる。ミルカ様が近いうちにフワッチ用の魔道具も作ってくれるらしい。そうなれば活動の幅が広がる。

感覚共有すると侵入者の声が聞こえて来た。斥候スカウトの男が隊長格の男に話しかけている。


「レイン隊長。今のところ異常なしです。明日は最深部までの予定でいいですか?」


「そうしてくれ。あくまでも我々の任務は情報収集だ。危険があれば躊躇せずに撤退する」


「了解です。報告ですが1~5階層は、マップどおりです。魔物が活性化している以外は異常なしです」


「分かった。交替でしっかりと休むように。6階層からほとんど情報がないからな」


この辺で、私の魔力が尽きたので、一端フワッチに帰ってもらうことにした。


状況をみんなに説明する。


「もう魔力切れ?鍛え方が足りないんじゃないの?」


キョウカ様は厳しかったが、後のみんなは褒めてくれたし、いい情報を入手したと言ってくれた。

ロンメルさんが言う。


「会話の中に「隊長」、「任務は情報収集」という文言があった。統制の取れた動きからして、国軍だろう。それも精鋭を集めた特殊部隊だ」


侵入者の正体が判明した。ノーザニア王国の特殊部隊だった。


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