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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第二章 新人コンサルタント

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防衛戦3

それから1ヶ月位経過した。散発的に来る盗賊(グリード子爵の領兵)を難なく撃退していった。そろそろ、グリード子爵も痺れを切らしてくるころだろうとの予想だ。だんだんと盗賊の規模も戦力も強くなってきている。それに一度、グリード子爵の使者が来た。様子を見に来たんだろう。


「我が領も盗賊団の襲撃に手を焼いておりましてなあ。隣領のカーン男爵はどうかと思いまして」

(白々しい。あんたらが盗賊だろうが・・・・)


「冒険者の力を借りて、何とか撃退しております。どうしても、無理そうならグリード子爵にお頼みするかもしれませんが・・・」

(カーン男爵も負けてはいない)



使者が来て1週間後、領主館は重い雰囲気に包まれていた。


「父上、申し訳ありません。如何なる処分も・・・」


「我が付いておりながら申し訳ない・・・・」


領主様に謝っているのは、四男のアリクさんと骸骨騎士様ロンメルさんだ。領主様が言う


「アリクよ気にするな。それにロンメル殿も顔を上げてくだされ。それよりも今後どうするか・・・・」


アリクさんが隊長を務める第3部隊は西側の街道沿いでいつものように盗賊狩りに出ていた。しかしそのとき、思いのほか苦戦してしまい、一人の冒険者が重症を負ってしまった。何とか一命を取り止め、盗賊を殲滅していったのだが、盗賊の一人が思いもよらないことを口走った。


「私はグリード子爵の長男だ!!貴族だ!!捕虜として・・・・」


そう言ったところで、重傷を負った冒険者と同じパーティーの男が


「ごちゃごちゃうるせーんだ!!相棒をこんなにしやがって!!」


と言って切り殺してしまったのだ。更に運が悪いことに数人の盗賊を取り逃がしてしまった。そして、切り殺したのは、本当にグリード子爵の長男だったそうだ。

アリクさんが言う。


「冒険者には盗賊の話など一切聞かずに殲滅せよと命じていたので、今回の責任は私にあります」


「まあ良い。そのうち使者がやってくるだろう。それにいつかは全面戦争になるのは分かっていたことだ。遅かれ早かれな」


そして、予想通り3日後に使者が書状を持ってやって来た。内容は酷いものだった。



カーン男爵が四男アリクは、狩りに来ていたグリード子爵家長男クラウドを些細な口論から惨殺した。よって、カーン男爵には賠償を求める。


1四男アリクの首

2領都及びその周辺の土地、権利のすべて


「こんな要求呑めるか!!やるっていうならこっちもやってやるぞ!!」


長男のオゴディさんは激怒して、使者を怒鳴り付けた。

しかし、カーン男爵は落ち着いた様子だった。


「こちらも調査しなければ、すぐに回答はできない。使者殿、時間をくれないか?2週間でどうだ」


使者は「2週間後にやってくる。そのときにアリクの首を用意していなければ、宣戦布告とみなす」と言い、去っていた。

ヘンリーさんは言う。


「カーン男爵お見事です。冷静に時間を稼ぐ道を選ばれたことは称賛に値します」


オゴディさんも続ける。


「自分が浅はかでした。申し訳ありませんでした、父上」


「構わん。アリクは渡さん!!そして領都もだ。ロンメル殿、ヘンリー殿、知恵を貸して欲しい」


そこからは大忙しだった。まずは街道の封鎖だ。土魔法使いの兄弟が大活躍だった。疲れ果てていたが、ボーナスの金貨を渡すと元気が回復したみたいだ。それに併せて罠も設置する。そして、領主様が領民に勧告する。「下手をすると蹂躙される。ベルンに話を通しているので、去りたい者は去れ」と、しかし、去る領民はいなかった。


私はというと新戦力の指導?(接待)をしていた。フワフワ熊の4人家族だ。大人しいフワフワ熊だが、かなり力が強い。私なんかが襲われたら一溜まりもない。特製の魚の塩漬けを与えて、マッサージでご機嫌を取る。


「グゴー!!」(旨い)

「グゴー、グゴー」(気持ちいい)


燻製肉工房のおばちゃん達は、最初は驚いていたが、人懐っこい性格だったので、今では人気者だ。


そして。いよいよ2週間が経過した。私達は、封鎖した街道に簡易の砦を築き、そこで使者を待ち構える。使者の一団は武装した10名の騎士だった。


「カーン男爵!!これは一体どういうことだ!!」


「こちらで調査した結果、アリクに非は全くない。盗賊行為を働いていた者を成敗したまでだ!!帝都にも報告済だ」


「なんということを!!後悔することになるぞ」


そう言うと、使者は去って行った。


ここから本格的な戦いが始まる。敵兵力は総勢300人、最も目を引くのは、お揃いの鎧に大きな楯を持つ重装歩兵だろう。半分近くがそれだ。

骸骨騎士様ロンメルさんが言う。


「相手にも多少軍略が分かる者がいるようだな。こちらが冒険者中心の弓兵、それも軽装備の者がほとんどという状況を考えてのことだろう。我でも相手方が持っている情報だけであればそうすかもしれんな」


冒険者というのは、身軽な装備になりやすい。探索や魔物討伐にしても機動力がものを言う。タンクと呼ばれる重装歩兵のような装備をしているものは稀にいるが、いてもパーティーに一人くらいだろう。相手の戦略としては、弓兵の攻撃を分厚い装備で無効化し、力押しで打ち破るつもりだ。


「だが、それも想定内だ。重装歩兵の弱点など知り尽くしている。言っておくが重装歩兵が弱い兵科と言うわけではない。使い方次第で、強くも弱くもなるのだ」


綺麗に3列横隊の隊列を組んで、ゆっくりと重装歩兵が進軍してくる。砦から、弓と投石で攻撃するが全く効果がないようだ。楯と鎧で防がれている。


「カーン男爵軍は恐るるに足りん!!自慢の重装歩兵で蹂躙してやれ!!」


敵の指揮官が部隊を鼓舞している。


(そう思うよね。でもヘンリーさんと骸骨騎士様ロンメルさんがこっちにいるんだよ)


しばらくして、ドーンという音とともに街道に大きな穴が空いた。仕掛けていた落とし穴が炸裂したのだ。50名程度の重装歩兵が落とし穴に落ちた。

ここで、相手の指揮官が取るべき策はいくつかある。一つは、犠牲を無視して進軍する。二つ目は穴に落ちた兵士を救出する。三つ目は、穴に落ちた兵士を見捨てて撤退する。普通に考えて三つ目の選択肢はない。

こちらとして、一番嫌な選択肢は一つ目の選択肢だ。犠牲を顧みずに進んでこられるとこちらも大きな犠牲を払うことになる。結局相手の指揮官は穴に落ちた兵士の救出を指示した。


一番犠牲が少ない選択をしてくれたので、安堵した。

カーン男爵軍は、敵の救出中も弓矢と投石で、嫌がらせ程度の攻撃を仕掛けていた。


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