表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
最終章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

148/152

ダンジョンバトル 4

ヘンリーさんがエリーナに尋ねる。


「計算はできた?」


「概算はできてます。正確な相手のDPダンジョンポイントは分かりませんが、こちらが相手から獲得したDPから逆算して、そろそろ枯渇するころではないかと思います」


「やはりそうか、後はダンジョン攻略班が10階層に到達して、相手のダンジョンボスが出てきたらある程度、確度の高い計算ができるんだけど」


ダンジョン攻略班は現在9階層まで到達している。ダンジョン攻略班を少数精鋭にした理由の一つは、相手が保有するDPを計算するためだ。ダンジョンバトルでは相手の送り込んだ魔物を倒せば倒した数に応じてDPが獲得できる。なので、相手にDPが渡らなければ、計算がやりやすい。

エリーナが中心となって、想定できるパターンを一つ一つ計算していっている。


骸骨騎士様ロンメルさんが言う。


「そろそろ防衛班も次の作戦に移ろうか?」


「分かったッス!!砦に残っている魔物は随時撤退を開始ッス!!相手に気付かれないように落ち着いて頼むッス」


カーン子爵領でグリード子爵と戦った砦を放棄した後、砦に敵を引き込んで殲滅する作戦に出るらしい。


作戦は上手くいき、砦を爆発させたことで、攻めて来た相手方の魔物の大半は消滅した。

しかし、相手はほぼ同数の魔物を召喚した。


「数は同じでも、質は明らかに落ちてますね。DPが枯渇してきてるのでしょう」


エリーナは的確に分析する。


「じゃあ、ダンジョン攻略班が10階層に到達してダンジョンボスを確認した段階で、6階層自体を放棄して、7階層で殲滅作戦に移行するッス!!」



丁度そのころ、ダンジョン攻略班が10階層にたどり着いた。

いよいよダンジョンボスの登場となる。ダンジョンボスはケルベロスが3体だった。

ニールさんが言う。


「ケルベロス3体は流石にきついですね。ただ、このクラスのボスを出してきたことを考慮すれば、相手のDPが少ないことが分かります。奥の手を出せる状況になったら言ってください。それまで何とか耐え凌ぎます」


攻撃班の戦力はサイコロプス2体(オーエンさん担当)、ゴールデンリビングアーマー(コーデリアさん担当)、コウモリ魔人(妖精姉妹担当)大型グリーンスライム(ニールさん担当)なので、どうみても戦力が足りていない。

DPで強化し、魔物操作に長けた彼らでもかなり厳しい戦になるだろう。


戦端が開かれるとすぐにニールさん達は防戦一方になった。こちらからも攻撃をしているが、ほとんどダメージは与えられていない。

しかし、流石はクワトロメイズのエリート集団だった。戦力差がある中、かなり善戦している。


一方ダンジョン防衛の方はというと、7階層まで進出されていた。これは戦略的撤退なので問題ない。7階層をしばらく進むと魔物が2~3体ギリギリ通れる通路が設置されている。そこは長い上り坂になっているのだが、坂の頂上に位置するのはマジックランチャーを担いだゴーレムだった。


「龍神ダンジョンではゴーレム使いが大活躍だったんで参考にさせてもらったッス。ゴーレムの種類や装備を変えるだけで様々な用途に使えるので夢が広がるッス。今回は時間がなかったので、現時点での最強の飛び道具であるマジックランチャーを装備させたッス。

まあ、DPをジャンジャン使えるからってのもあるッスけど」


本当に無残な光景だった。あっという間に相手方の魔物は殲滅されていく。追加でどんどん召喚されてはいるが、目に見えて数が減ってきた。


「そろそろですね。じゃあここで奥の手を投入しましょう。クワトロメイズの皆さんお疲れさまでした」


「やっとですか・・・かなりギリギリでしたよ」


そして、私達は奥の手を投入した。10階層に強力なボスクラスの魔物を大量召喚したのだ。ミスリルリザード、ミスリルワイバーン、ミスリルゴーレムのミスリル三兄弟はもちろん、この日の為に開発したミスリルスライムまでいる。

それに・・・・


「えっ!!三頭龍ヒュドラも召喚したんですか?ちょっとやり過ぎでは・・・・」


モニターに映るのはケルベロスがその辺の小犬のように軽くあしらわれている。オーバーキルもいいところだ。

学生向けダンジョンに侵入してきた魔物をすべて駆逐し、ダンジョンボスのケルベロスが残り1体となったところで、私達はホットラインを使って相手ダンジョンに降伏勧告をした。


「もう勝負はついてます。降伏してください」


「我々は最後の最後まで諦めん!!」


降伏勧告は拒絶された。


しばらくして、相手方は驚きの行動に出た。ローレンスさんを筆頭にダンジョン関係者達が一斉に転移してきて、ダンジョン内に攻め込んできた。

もうなんかヤケクソの感じがする。ヘンリーさんは全員生け捕りにするように指示を出した。

彼らは最後の最後まで抵抗を止めることはなかった。生け捕りを目標に行動していたので、何体かゴーレムが破壊されたが、まあ損害としては微々たるものだった。


時を同じくして、相手方の模擬ダンジョンコアも破壊した。これで私達の完全勝利だ。

でも腑に落ちない。一体彼は何がしたかったのだろうか?


彼らの取調べの結果を待つしかない。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ