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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
最終章

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ダンジョンバトル 3

開始時刻となり、ダンジョンバトルが始まる。

ダンコルの会員は、学生向けダンジョンのマスタールームに集合し、戦況を見守る。また、ダンジョン関係者にとってもダンジョンバトルは興味深いことらしく、ダンジョン協会本部でリアルタイムで観戦するみたいだ。


開始と同時に学生向けダンジョンに大量の魔物が流入してくる。

相手はこちらのDPダンジョンポイントがあまりないと判断して、物量作戦に出て来たようだ。これはこちらの思惑通りだ。

一方こちらは少数精鋭である。


サイコロプス2体(オーエンさん担当)

ゴールデンリビングアーマー(コーデリアさん担当)

コウモリ魔人(妖精姉妹担当)

大型グリーンスライム(ニールさん担当)


5体の魔物が連携してダンジョンを進んでいく。

見ていて、この5体は非常にバランスがいい。サイコロプス2体とゴールデンリビングアーマーが前衛でしっかりと攻撃を受け止め、多彩な攻撃と守備力の高い大型グリーンスライムに後衛から魔法で援護するコウモリ魔人が支えている。

それにテトラシティのメインダンジョンのダンジョンボスとして登場していたときよりも、DPが豊富に使えるので、それぞれかなり強化している。多分並みのSランク冒険者パーティーよりも強力だろう。これなら勇者パーティーに勝てるかもしれない。


クワトロメイズのダンジョン攻略チームは、普通の冒険者がダンジョンを攻略するように着実に進んでいくのだが、相手方は物量に任せて突き進んでくる。あっという間に5階層まで進出されてしまった。


「全く携わってない私が言うのも何ですが・・・・大丈夫なんでしょうか?」


これにダクネスとエリーナが答える。


「ナタリー先輩は心配性ッスね。ここまでで、相手戦力の分析ができたッス。後はやっつけるだけッス」


「そうですよ。それに本格的に手を入れたのは5階層からなので、ここからが本番です。できれば7階層までで決着をつけたいですね。8階層からはその・・・・なんというか・・・今後のこともあるので・・・」


急にエリーナの歯切れが悪くなった。キョウカ様とドライスタ様の方をチラチラ見ている。疑問に思っているとヘンリーさんが解説してくれた。

なんと、ここでもドライスタ様とキョウカ様が張り合い始めたらしい。なので、8階層と9階層は本当に地獄のようなエリアだった。9階層は、なんと三頭龍ヒュドラが3体出現するようだし、9階層はキョウカ様、ミルカ様、骸骨騎士様ロンメルさんが本気で戦うとのことだった。そうなれば、もはやダンジョンバトルどころではない。大陸が亡ぶレベルである。因みに最下層の10階層は「光の洞窟」のネロスさんが担当することになった。

ニールさんが言う。


「10階層に来た段階で負け確定です。僕が用意したのはミスリルリザ―ドですから・・・・・なので絶対に7階層までで撃退してもらいたいと思ってます」


私が知らない間にこちらはこちらで大変なことになっていたようだ。



しばらくして、大量の魔物が5階層の中腹までやってきた。そこで、落とし穴が発動し、大量の矢が飛んでくる。更に地雷原もあり、半数以上を消滅させた。ダクネスが得意げに言う。


「碌な指揮官もおらず、ただ突っ込んでくるだけの相手なんか、トラップを使えばイチコロッスよ!!まあ5階層は小手調べで、6階層からはもっとエグい仕掛けになっているッスよ」


「それにダンジョン内で倒せば倒す程、相手からDPを奪えるのでお得ですよ。なので、相手にはどんどん魔物を投入してもらいたいと思っています。6階層はDPを効率的に回収できるように改装してますからね」


エリーナはDPの回収のことも考えているようだった。

それに相手は、懲りもせずに魔物をどんどんと投入して来る。エリーナはすごく嬉しそうにしている。

一方戦況は、5階層のトラップがすべて発動してしまったようで、魔物の8割以上を殲滅したところで突破されてしまった。ただ、相手はすぐに魔物を補充しているので、数自体は変わっていないようだ。


6階層は、砦が形成されていた。

堅牢な壁に各種トラップ、大型なバリスタと投石機も設置されている。作戦としては、ここは無理をせずに足止めを狙うようだ。エリーナが言う。


「実は滞在ポイントも入ってくるんでお得なんですよ。私の立場になると、どうしても収支をプラスにしたくなってしまって・・・・」


大型なバリスタと投石機はネロスさんが提供してくれたようだ。かなり効果的で、相手も攻めあぐねている。相手はというと更に魔物を召喚して、数の暴力で押し切るようであった。

ヘンリーさんは言う。


「理想としては、このままここで相手戦力を足止めして、その間に攻撃班がダンジョンコアを破壊してくれれば言うことはないのですが」


攻撃班はというと、こちらは5階層に到達したようだ。ちょうど階層ボスと戦闘をしているが、一方的に打ちのめしていた。「究極のダンジョン」と名乗っていはいるが、本当にごく普通のダンジョンだ。有り合わせのトラップとスポーンでそこそこの魔物を発生させているだけで、大した工夫もない。

低コストが売りのミスタリアグループのダンジョンでもここよりは大分マシだ。DPもそれなりにあるだろうに・・・。


「本当に「究極のダンジョン」だなんて、名前負けもいいところッス!!」


ダクネスが言う。私もそう思う。


「まあ、最後まで油断しないように。相手が何かやってくることもあるからね」



ダンジョン攻略班は順調なので、学生向けダンジョンの6階層の状況を再度確認した。大した戦力は投入していないが、かなり上手く相手の攻撃を抑えている。ダクネスに聞くと砦の設置から運用まで、骸骨騎士様ロンメルさんが全面的に監修してくれたようだった。それに砦の防衛に必要な戦力も各ダンジョンから選りすぐって持ってきていたようだ。

骸骨騎士様ロンメルさんは言う。


「オルマン帝国軍でも1ヶ月は持ちこたえられるだろうな。それぐらいの砦だ」



本当に心強い。

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