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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
最終章

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ダンジョン攻略2

作戦としては大きく分けて三つ、行軍、拠点の確保、討伐だ。

まずは、洞窟のエリアを抜け、龍種エリアの中央にあるセフティースポットまで進む。

僕は先代勇者パーティーで一緒に冒険したゴーレム使いのマティアスさんに指示を出す。


「フルパワーでお願いします」


「了解だ。僕の見せ場はここくらいだろうからね」


マティアスさんのゴーレムで部隊を囲んで移動する。他の部隊員の戦力を温存するためだ。事前の作戦会議で、もし攻略に失敗した場合、安全に撤退できるようにマティアスさんには戦闘には加わらず、行軍にのみ集中してもらうことになっていた。

いつもどおり、地龍やワイバーンが大挙して押し寄せたが、問題なくセフティースポットまでやってくることができた。

そこで、体制を立て直し進軍を開始する。

このエリアはため池が数多く設置されていて、シーサーペントが出現する。僕はリザードマン部隊に指示を出す。


「リザードマン部隊は別行動でお願いします。拠点を確保できたらすぐに合流してください。水中戦闘だけに集中することなく、地上の様子もしっかりと確認してください」


「「「了解!!」」」


実はこのため池は、水中でつながっていることが調査で判明していた。ニューポートのリザードマン部隊であればシーサーペントに後れを取ることはない。水中でシーサーペントを殲滅する作戦だ。

これで、シーサーペントの水流ブレスは防ぐことができ、行軍も有利になる。


行軍を続けるとついに奴が出て来た。三頭龍ヒュドラだ。

僕はシスターフローレンスに指示をする。


「サンクチュアリ!!」


シスターフローレンスが魔道具を起動させ、臨時のセフティースポットを設置した。これで拠点を確保できた。


「皆さん!!いよいよです。防衛部隊は速やかに配置についてください!!討伐部隊は・・・自由にお願いします」


僕は部隊を大きく3つに分けていた。防衛部隊、討伐部隊、遊撃部隊だ。

まずは防衛部隊だが、ベッツ・スパクラブとゴブリン弓兵隊、阿修羅族部隊を中心に地龍とワイバーンを抑え込み、リザードマン部隊が水中でシーサーペントを牽制する。

防衛部隊の指揮はゴブル管理官にお願いしている。

ベッツ・スパクラブのニールさんとネネさんが結界の壁を展開する。


「「ウォールプロテクション」」


基本的な作戦は結界の壁を作り、地龍の侵入を3か所に限定する。そこに阿修羅隊を配置して押しとどめる。ワイバーンはゴブリン弓兵隊が対応する。

それでも抜けてきた地龍やワイバーンにはナールさんとノンさんが中心となり個別に討伐する予定だ。


次は討伐部隊だが、勇者パーティー、旧魔族チーム、初代勇者パーティ―だ。この人達に僕が戦闘を指示することなんてできない。なので、大まかな作戦だけを伝えて自由にやってもらうことにした。一応は左の首を旧魔族チーム、右の首を初代勇者パーティー、中央を現勇者パーティーが担当することだけは事前に決めていた。それと戦線が安定するまでは、守備的な戦い方をしてほしいとだけ要望を出している。というのも戦線が安定しなければ、この作戦自体が崩壊してしまうからだ。


最後の遊撃部隊の任務は多岐に渡る。まずは、負傷者の搬送だ。負傷者が出れば臨時のセフティースポットまで搬送し、シスターフローレンス以下の治療師で治療をする。そして、素材の回収もこの部隊の任務だ。大量にドロップアイテムが出るのだが、少人数では、ほとんど回収することができなかった。これは例え攻略が失敗に終わっても、少しでも利益がでるようにとの思いからだった。


最後に重要な任務として各部隊間の連絡調整だ。

今回の作戦では、陸上の部隊、水中活動部隊、三頭龍ヒュドラ討伐部隊が個別に活動している。なので、新たな作戦行動や撤退などの際は綿密な連携が必要になってくる。特に水中活動部隊は孤立する可能性が一番高いので注意しなければならない。一生懸命に水中で戦っていたら、いつの間にか味方が誰もいなくなっていたなんていう状況になれば、笑い話にもならない。


遊撃部隊は、モンド兄さん、冒険者選抜が主な構成員で指揮官はオルマン帝国のマルロ大臣にお願いした。


「やっぱり私は損な役回りなのですね。「器用貧乏、雑用係のマルロ」、力の限りやって見せますよ!!ハハハハ」


テンションが少しおかしいが、それでも実力者なので心配はしていない。混成部隊で連携が取りにくい部隊をまとめられるのは、この中ではマルロ大臣くらいしかいないだろうし。


そして僕は拠点でダンカン将軍とともに総合的な指揮をする。

部隊を配置すると意外なことだが、指揮官はあまりやることがない。戦況を見守るだけだ。

僕がそわそわしているとダンカン将軍や言う。


「どっしり構えていればいいのだ。貴殿ができることは皆を信じることだけだ」


やっぱり百戦錬磨の将軍だっただけに心強い。

しばらくして、「戦線が安定したのでローテンションで防衛にあたる」との報告が拠点に届いた。僕はすぐに討伐部隊に「本気でやってください」との伝言を頼んだ。

伝令が届いたのと同時に討伐部隊の活動が激しくなっていった。いきなり大魔法を連発していた。


拠点を確保し、防衛戦を構築できた。

自己評価でもまずまずだと思う。後は僕がやることといえば、切り札をいつ使うかと撤退の指揮だけだ。


僕は祈るように戦況を見詰める。

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