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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第五章 動き出した陰謀

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新生龍神ダンジョン 6

何とか上手くいった。ドライスタ様もご満悦だ。

旧魔族チームがキノコエリアを超えて、龍種エリアに到達したとき、参加者は一様に驚いていた。今回も旧魔族チームの攻略に合わせて、前回と同じメンバーを集めて鑑賞会を開いている。


参加者たちは口々に言う。


「地龍やワイバーンをあれだけ出現させるなんて桁違いだ!!」

「うちのダンジョンでやればDPが一気に底をついてしまう」


ドライスタ様は言う。


「まあ我のダンジョンなら朝飯前だ」


旧魔族チームがシーサーペントが大量に発生するエリアまで来た時に骸骨騎士様ロンメルさんが口を開いた。


「自慢ではないが、あの指揮官の少年と覆面の女剣士は我の弟子なのだ」


「本当ですか!!それじゃあ俺の兄弟子ってことですね」


オーガのオーエンさんが言う。

二人だけではなく、多くの参加者達が旧魔族チームを称賛する。


「バランスのとれたいいパーティーだ。並みのダンジョンならどれも容易く攻略してしまうだろう」

「これはうちでも厳しいですね。そこら辺のSランクパーティーよりも確実に強い」



旧魔族チームはとうとうダンジョンボスまでたどり着いた。ドライスタ様の声がダンジョンに響き渡る


『よく来たな!!強者達よ!!ここまで来れたことに敬意を表する。しかし、はたしてこのダンジョンボスが倒せるかな?』


登場したのは三頭龍ヒュドラだった。強力な龍で気性が荒く、その昔一国を滅ぼしかけたそうだ。普通龍種は相互不干渉が原則だが、あまりにも酷い行いにドライスタ様が捕縛して、拘束していたそうだ。それからドライスタ様は、今の今まで、拘束したことを忘れていたそうだ。

久し振り(200年ぶり)に様子を見に行ってみるとかなり弱っており、虫の息だったので、流石に可愛そうになって、ダンジョンボスにすることになったのだ。

ダンジョン外に出なければダンジョンが存続する限り、討伐されても復活する。ちょうど「試練の塔」の骸骨騎士様ロンメルさんのような感じだ。その分自由はないが・・・・・。


私達とは意思疎通が取れないが、ドライスタ様が言うには「これまでのことを反省して一生懸命頑張ります」と言っていたそうだ。本当かどうかは確認が取れていないが。


三頭龍ヒュドラの登場に会場は騒然となった。悲鳴のような声が聞こえる。


「おいおい!!これは洒落にならないぞ」

「これはいくら何でもやり過ぎだ!!」


これには流石の旧魔族チームも撤退を余儀なくされた。

素人の私の目から見ても撤退行動は見事だった。これは絶対に無理だ。


観戦後、ドライスタ様が参加者に言葉を掛ける。


「諸君、どうだったかな?忌憚のない意見を聞かせてくれ」


一同は驚きで静まり返っている。

そんな中でキョウカ様が口を開いた。


「素晴らしい戦いだったと思います。最高クラスのパーティ―を撃退したことは称賛に値します。あくまで、()()()()()ですがね。」


「トゲのある言い方だが、今回は素直に称賛と受け取っておこう」


これでドライスタ様に満足していただけだ。厄介なクライアントだが、私達はいい仕事をしたのかもしれない。




3日後、私とドライスタ様御一家は龍神神殿に来ていた。ドライスタ様の御意向で、ロイさんに今回の採取素材で料理を作ってほしいとのことだったので、勇者達に食事会に招かれたのだ。勇者パーティーの他に攻略に参加した旧魔族チームも出席している。


「攻略パーティーが強力というのがよく分かり、そのパーティーをもってしても攻略できなかった事実は素晴らしい・・・。あいつらをギャフンと言わせてやったぞ!!」


料理も美味しく、ドライスタ様も上機嫌だった。

ここでヘンリーさんが話始める。


「今回のダンジョンは別大陸にあるダンジョンと同じコンセプトのようですね。何でもそこのダンジョンではAランク以上のパーティーが3~4組共同で攻略にあたることを前提に作られているようです。クラシア様が攻略なさるにしても、その規模の攻略隊を組織しなければ厳しいでしょうね」


「そうなんですね。攻略できるように準備をしていきますよ。でもかなり先になりそうです。この子がしっかりと育つまでは・・・」


勇者はお腹を摩りながら答えた。

隣席のアルテミス王女は言う。


「それなら旧魔族チームもその攻略隊に加えてください。失敗のまま終われませんからね」



食事会は無事終了した。最後にドライスタ様が言う。


「攻略とはならなかったが、貴殿らの頑張りに対して褒美をやろう」






そして3ケ月後、勇者とロイさんの結婚式が執り行われた。ドライスタ様のご褒美として、新郎新婦の入場の際に勇者をドライスタ様が、ロイさんをリバイネ様が背中に乗せて登場するというものだった。

会場はどよめいている。


結婚式を執り行うのは聖母教会のシスターフローレンスだ。


「その昔、神聖国ルキシアにも女性の龍騎士がいました。彼女以降、龍に騎乗する人族は現れませんでした。それ以来の快挙です。ここで少し龍騎士と聖女の話をいたしましょう・・・・・」


いつものシスターフローレンスだった。話し出したら止まらない。感動するいい話だったと思うが、如何せん長すぎる。

結局、側近のサキュラさんに止められてしまった。龍騎士の話が終わり、聖騎士の話をしようとしたところで上手く止めたと思う。サキュラさんも慣れているのだろう。


「・・・そ、それでは、祈りを捧げます。お二人の未来に幸多からんことを!!」

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!


今回で第五章は完結となり、次回から最終章となります。

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