表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第五章 動き出した陰謀

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/152

新生龍神ダンジョン 4

~ロイ・カーン視点~


やってしまった・・・・。本当に大変なことをしてしまった。一国の王女を妊娠させるなんて・・・。


そんなに長く生きていないがここまでの僕の人生は波乱万丈だと思う。オルマン帝国の片田舎の小さな領地を持つ男爵の五男として生まれ、勇者パーティーのサポーターとなった。しかし、当時の勇者が不祥事を起こして勇者パーティーは解散となり、ノーザニア王国に拾われた。

そして新たな勇者パーティーのサポーターとなり、初代勇者パーティー以来の魔族チームとの決戦に勝利した。そして、報償としてニューポートを下賜された勇者クラシアに着いてニューポートにやって来た。町は発展し、ダンジョンも攻略し、これからという時期に失態を冒してしまった。


周囲のフォローもあり、何とかなったが、今も気まずい思いをしている。クラシアはラーシア王国の第一王女でもあり、国際問題に発展しかけたそうだ。これを収めるのに同僚のレミナ書記官とアンヌ大臣に多大な迷惑を掛けてしまった。それに「龍神ダンジョン」のダンジョンオーナードライスタ様を激怒させてしまった。最終的には許してもらったが、条件として勇者パーティーに代わる攻略パーティーを用意することとなった。


そのパーティーというのは、僕達がクロスポートで戦った旧魔族チームだ。メンバーは、一流の魔弓術の使い手アルテミス王女、魔法槍使い(マジックランサー)のピアース王子、万能型の魔法剣士ローグさん、阿修羅族のアッシュさん、ゴーレム使いのポポル君、そして先代の勇者パーティーで一緒に活動したティアナさんだ。おっと、覆面をしているときはブラックゲイルと呼ばなければ怒られる・・・まあ、ニューポートの住民は二人が同一人物ということはバレているけど。



旧魔族チームが攻略にあたることが決まったとき、僕はクラシアに進言した。


「クラシア、僕を旧魔族チームのサポーターとして参加させてほしい。ノーザニア王国には名誉伯爵にしてもらったけど、このままじゃ駄目だと思う。ダンジョンを攻略して、クラシアに釣り合う男になりたいんだ」


「ロイ、今のままで十分よ。ロイと一緒になれるなら私も今の地位を捨ててもいいと思ってるくらいなんだから・・・・」


これにレミナ書記官が口を挟む。


「ちょっとすいません!!職場にラブラブ感を持ち込むのはどうかと・・・。それとロイ君の提案ですが、私はいいと思います。旧魔族チームに任せっきりでこちらがノータッチというのは、政治的に良くありません。私達も勇者パーティーの誰かを旧魔族チームに加入させることは検討していましたから」


これにダンカン将軍も賛成する。


「旧魔族チームは戦闘力は高いがダンジョン攻略には不慣れだ。加入するならサポーターのロイ殿が適任だと思う。ロイ殿なら旧魔族チームのバランスを崩すことはないだろうし、グリエラ殿とガイエル殿となると・・・・」


それはそうだ。グリエラとガイエルは超強力だけど我が強く、連携を取るには時間が掛かる。神官騎士のレイモンドはラーシア王国の出身だが、正式な所属は聖母教会になるので政治的にあまり、よろしくない。魔法使いのルナリアはレイモンドのようにしっかりと攻撃をガードしてくれる存在がいないと力が発揮できないと思う。

消去法でいっても僕が加入すべきだろう。


クラシアは意を決したように言った。


「分かりました。旧魔族チームへの加入を進言します。でもロイ、絶対に無事に帰ってきてね。お腹の子のためにも・・・」




旧魔族チームにはすんなりと受け入れられた。旧魔族チームも自分達がダンジョン攻略に不慣れだと、自覚していたそうだ。なので、サポーターを雇用しようとしていたところへ、僕の加入要請は渡りに船だったそうだ。

3日間の合同訓練の後、ダンジョンに挑戦することになった。


今回もファーストステージは免除でセカンドステージからの開始だった。最初は洞窟のようなエリアで高級なキノコや珍しい薬草が採取できる。魔物もあまり強くないので、戦闘は他のメンバーに任せて僕は素材の採取をメインに活動していた。

アッシュさんが言う。


「超高難易度ダンジョンと言ってもたいしたことないな。とっとと攻略して、帰ったらキノコ料理を食べないとな」


ポポル君もこれに応じる。


「そうですね。ロイ君の料理は凄く美味しいので、僕も楽しみです」


ブラックゲイル(ティアナさん)も頷く。


最初のエリアはエリアボスも出ることなく順調に進み、転移スポットまでやって来た。転移スポットの周りにはセフティースポットが用意されていた。

アッシュさんが言う。


「まるで初心者向けのダンジョンだな・・・これは楽ができそうだ」


これにアルテミス王女が諫める。


「ちょっとアッシュ油断しないで。油断させて一気に攻撃してくるパターンかもしれないから、ここで一端体制を整えて、作戦会議をしましょう。とりあえずロイさんから何かありますか?」


僕はサポーター兼指揮官にされていたのだ。

合同訓練のときに旧魔族チームの弱点を指摘したことがきっかけだ。旧魔族チームは個人の能力も高く、バランスも取れているが、指揮が難しく、指揮を取りながらでは指揮者の戦闘力が低下してしまう。基本的にアルテミス王女が指揮官を務めているが、全体を見なければならないので射撃に集中できないことも多い。

これは僕達勇者パーティーのクラシアにも言えることだが。


「そうですね。アルテミス王女が言われたとおり、油断させる作戦だと思います。転移スポットの前にわざわざセブティースポットを用意してくれていることを考えると転移したと同時に攻撃してくる可能性は高いと思います。なので作戦通りのフォーメーションを取りながら警戒して臨みましょう」


装備の点検などを行った後、僕達は転移スポットから転移した。


転移したところ、予想以上の攻撃が飛んできた。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ