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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第五章 動き出した陰謀

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新生龍神ダンジョン 1

ダンジョン構造については当初の案のとおり、既存の3エリアをファーストステージ、新設する2エリアをセカンドステージとすることになった。

セカンドステージの構築作業を始めてから、1週間で7割方完成した。

今日は、「至高のダンジョン」から帰ってきたヘンリーさんにチェックしてもらうことになっていた。


今回の体制だが、エリーナが全体のまとめ役、その補佐がダクネス、キノコ系のエリアの担当がルキアさん、龍種エリアの担当がタリーザとなっている。

エリーナが代表して説明を始める。


「・・・と、ここまで話しましたが、以上が今回のコンセプトになります。それでは各エリア担当者から説明をさせていただきます。最初はルキアさん、お願いします」


ルキアさんが説明を始める。


「このエリアのコンセプトはファーストステージを突破したご褒美ですかね。出現する魔物も強くなく、採取メインで考えています。というのも、次のステージに進んでもらえれば分かると思うのですが・・・・はっきり言って・・・地獄ですね。こちらのステージに帰還できる転移スポットを用意しているので・・・・」


クワトロメイズのニールさんの影響を受けたであろうエリアは工夫が凝らされ、冒険者が喜ぶ感じになっている。珍しいキノコ類も多く採取でき、正直ファーストステージをクリアして、このエリアで採取して帰還しても十分なくらいだ。


次にタリーザが説明を始める。


「続いては私が担当したエリアです。このエリアのコンセプトは偉大なる古龍エンシェントドラゴンであるドライスタ様御一家を称えるために・・・・」


延々とドライスタ様御一家を称える話が続く。エリーナが、空気を呼んだようでタリーザに声を掛ける。


「タリーザ!!その辺で・・・。実際に見てもらいましょう」


「そ、そうね。まあ、自信作ですから」


実際にエリアを確認する。これは地獄だ。


ワイバーンと地龍がこれでもかというくらい出現する。それに至る所にため池が有り、そこにシーサーペントが潜んでいる。一つ前のキノコ狩り気分のエリアとの落差が激しすぎる。


「普段はオートモードですが、マニュアル操作に切り替えると、より悪辣な作戦が取れますね。退路を断って、なぶり殺しなんてのも、できますよ」


ちょっとやりすぎのような感じがする。

ヘンリーさんが尋ねる。


「ところでダンジョンボスは何かな?」


「それはですね・・・・・・」



やり過ぎだ!!

流石にそれは・・・。


「そうだね。そういったダンジョンもあってもいいかもしれない。この大陸にはないけど、高ランクパーティーが2~3組協力して討伐することを想定して作ったダンジョンもあるからね。大陸初となるから、ドライスタ様も満足されるんじゃないかな」


ヘンリーさんがそう言うのなら、それでいいんだろう。



細かい修正をした後、ヘンリーさんを交えて、会議をすることになった。

ミランダ社長が仕切る。


「今回はいいダンジョンを作るだけでなく、ドライスタ様をいかに満足させるかがポイントになるわ。だから、そうなるように意見を出してほしいの。もちろんオープン記念式典や事前のイベントなんかは必須だけど・・・」


これにエリーナが意見を出す。


「最初に攻略に挑むパーティーを厳選したほうがいいかもしれません。こういっては何ですが、あの龍種エリアはまさに地獄ですね。Cランク以下のパーティーなら5分と持たずに全滅します。そうなれば見せ場がつくれません」


「そうね。その辺はこっちで選定するわ。他には?」


ヘンリーさんが意見を出す。


「話を聞いた感じでは、ドライスタ様はキョウカ様をギャフンと言わせ、ドミティア様にカッコいい父親としての姿を見せたいということですよね。だったら、ダンコルの定期報告会をダンジョンのオープンに合わせたらいいのではないでしょうか?そこで、実際に攻略パーティーの映像を見せればいいと思います」


「いい案ね。早速取り掛かりましょうか。最初の攻略パーティーは第一案で領主であるクラシア王女率いる勇者パーティーを推すわ。多分受けてくれると思うけど、断られた場合のパーティーは私とヘンリー君でピックアップするわ。そして、外部の交渉とか式典関係はナタリーちゃんとミーナさん、それからタリーザに頼もうかしら」


いい感じで動き出した。


私とミーナはまず、領主である勇者を訪ねた。


「クラシア王女、お陰様で実家のモフモフ天国が大盛況で、何とお礼を言ったらいいか・・・本当にありがとうございます」


経営難は嘘だったけど、勇者やあの演劇のおかげで客足が急増したのは事実だ。それにより、初めてマスター会議に参加する資格も得た。まずは素直に御礼を述べた。


「お気になさらずに。モフモフを愛する者として当然のことをしたまでです。それにニューポートも母国のラーシア王国も利益が上がりましたし。ところで、今日はどういった要件でしょうか?」


私は、「龍神ダンジョン」本オープンの記念すべき最初の入場パーティーの依頼をしに来たことを伝えた。


「そうなのですね。もちろん受けますよ。それまでにしっかりとトレーニングに励みますし、ロイに言って、新兵器も開発してもらおうと思っています」


いい返事を得られた。

ここでミーナを勇者に紹介した。ミーナは編集関係に仕事をしていることにして、ミーナが書いた特集記事が載っている「今行きたい初心者向けダンジョン」を献上した。勇者は喜んでくれた。

ミーナが話を切り出す。


「こちらに来る前にドライスタ様に取材をさせていただきました。今回の本オープンに伴い、新設されるエリアは超高難易度になるとのことでした。意気込みを聞かせてください」


「取材ですね。分かりました。とにかくよい結果が出せるように努力します」



この後、正式に取材許可をもらった私達は、数日間勇者パーティーのトレーニングを見学させてもらった。

ギルド職員として普段は勤務しているドワーフの女戦士グリエラとエルフの拳闘士ガイエルのトレーニングはギルドの訓練所でかなりハードに追い込んでいる。

その後、魔法使いのルナリアと神官騎士のレイモンドも後に合流して、模擬戦を中心に鍛えている。練習相手も阿修羅族のシクスさんやダンカン将軍、伸び盛りの若手冒険者とお互いに切磋琢磨していた。


特に気になったのは、カーン子爵の五男さんでサポーターのロイさんだ。

勇者にボロ雑巾のように痛めつけられている。勇者に取材したところ、このパーティーで一番伸びしろがあるのがロイさんだという。

だから、心を鬼にして鍛えているそうだ。

ミーナが言う。


「厳しいけど、お互いが信頼し合っているようで、いい感じに見えるわ。これなら、攻略は無理でもダンジョンボスまでたどり着けるかもしれないわね」


本当に楽しみだ。

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