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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第五章 動き出した陰謀

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ドライスタ様、怒る!!

私とミランダ社長はドライスタ様の前にやって来た。

ドライスタ様はかなりお怒りの様子だ。


「一体いつになったら我のダンジョンは完成するのだ!!貴殿らを雇っているのは我のダンジョンを大陸一のダンジョンにするためではないのか?」


(あれ?そんな話だったっけ?)


契約当時のことを思い出してみる。ダンジョンを作る目的は、リバイア様の妹である水龍のリバイネ様をクラーケンから元に戻すことだったのでは?

それが達成できた今、そんなに慌ててダンジョンを完成させなくても・・・・


リバイア様は、私達の戸惑いを感じたようで、私達に近付き、小声で説明してくれた。


リバイア様の話によると、マスター会議に出席したときにキョウカ様に煽られたそうだ。そして、キョウカ様がランキング1位でダンジョン協会の会長となり、様々な人から頼りにされている状況を見て、羨ましくなってしまったようだ。

それで、キョウカ様に勝ち、ダンジョン協会の会長になることが目的になってしまったようだ。


私は、恐る恐るドライスタ様に質問する。


「あ、あの・・・どうして、ランキング1位にこだわるのでしょうか?」


「そんなの決まっておろう!!ダンジョン協会の会長となり、チヤホヤされ、周囲の者から頼りにされている姿をドミティアに見てもらい『パパ、カッコイイ』と言ってもらう以外にあるのか?」


ツッコミどころ満載だ。ダンジョン協会をより良くしていこうという発想はないようだ。

冷静に考えれば、急遽リバイネ様の「水龍ダンジョン」を作ったこともオープンが遅れた原因だ。自分のことは棚に上げて・・・・まあ古龍だし、仕方がないか・・・


しばらくして、考えをまとめたミランダ社長が発言する。


「なぜ、今までオープンを遅らせていたかといいますと、それは新生ダンジョン協会の記念すべき初オープンダンジョンを是非ともこの「龍神ダンジョン」にと思っていたからです。やはり、新しくなった協会の門出を祝うにはドライスタ様のダンジョンをおいて、他にありません」


「なんと!!そこまで考えていたとは・・・。よし!!早急に最高のダンジョンを作ってくれ」


(ああ・・・なんてチョロいんだろうか)




そんなこんなで、「龍神ダンジョン」の本オープンに向けて動き出すことになった。

ヘンリーさんは、しばらく「至高のダンジョン」の再建に取り掛かるため、合流しないことになった。代わりと言ってはなんだが、助っ人でミーナとクワトロメイズからルキアさんが来てくれることになった。

二人とも私の同級生だが本当に心強い。


メンバーがそろったところで、ミランダ社長が話を始める。


「新人の3人と私とナタリーちゃん、それに助っ人のミーナさんとルキアさんを加えたメンバーでダンジョンを作っていくわ。それからちょっと言いにくいんだけど・・・エリーナの・・・」


「ミランダ社長!!私から言わせてください」


一体どういうことだろう。

エリーナが言葉を続ける。


「実は・・・ここを辞めて、協会本部に行くことに・・・・」


言いにくそうにエリーナが話す。

大変な時期にダンジョン協会本部の応援に行ったエリーナは、実力が認められ、キョウカ様やミルカ様の信望も厚いことからスカウトされたらしい。元々エリートで協会本部での勤務を希望していたエリーナとしては嬉しいことだろう。


しかし、苦楽を共にした同期達と別れるのは辛そうだ。


「エリーナ!!よかったじゃないッスか!!寂しいけど応援するッス」

「一生会えなくなるわけじゃないし・・・。いつでも遊びに来てよ」


同期の二人が祝福する。

エリーナは涙を浮かべて二人に抱き着いた。


「二人ともありがとう」



いい同期だ。こっちもホロっときた。

ミランダ社長が抱き合っている新人3名に声を掛ける。


「じゃあ旅立つエリーナのためにも、最高のダンジョンを作りましょうか?」


「「「はい!!」」」



最初にコンセプトを決めることからスタートした。ドライスタ様から要望を聞いたミランダ社長が言う。


「私の意見としては、現在のダンジョンに追加する形がいいと思うわ。今ある3つのエリアを攻略したパーティーに限り、次のステージに勧める形にするといいかなって・・・。それとドライスタ様としては、今回は簡単には攻略させたくないみたいね」


ダクネスが言う。


「今ある3つのエリアをファーストステージにするとして、そこを攻略してすぐに難易度を上げるのは、あまりよくないと思うッス。できれば、ファーストステージを突破したご褒美的なエリアを用意するとかできればいいと思うッス」


いい意見だ。

これに早速ルキアさんが提案する。


「だったらご褒美のエリアは私に任せてもらってもいいでしょうか?ニールさんからキノコ関係のエリアの構築は色々と教えてもらってますし・・・・それに・・・あっ・・以上です」


ジメジメニートのニールさんか・・・キノコ系が得意だもんな。二人の関係は順調なんだろう。一体何を言いかけたんだろうか?女子会の時にでも聞いてやろう。


「じゃあ、ご褒美エリアはルキアさんに任せるとして、他にどんなエリアを作る?」


ここでタリーザが言う。


「そもそも「龍神ダンジョン」なのですからドライスタ様の威光を称えるべく、強力な龍種を出現させるエリアを作ってはどうでしょうか?」


「満を持して強力龍種を出すか・・・いいんじゃない!!とりあえず、セカンドステージは2エリアで考えてみようか?難易度は、勇者パーティーを撃退できるくらいで」



そんな感じで会議が進む。

3日程、打ち合わせに費やした後、ダンジョンの構築に取り掛かった。


即席だがチームワークもよく、仕事も捗る。

しかし、予想だにしていない事態が発生するとは、この時は夢にも思わなかった。

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