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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第五章 動き出した陰謀

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マスター会議 1

私の実家の件が片付き、いよいよダンジョン協会本部において、マスター会議が始まった。ここまで入念に準備をしてきたのだ。


マスター会議とは、3年に一度開催される会議で、一定のDPを納めたダンジョンマスター又はダンジョングループの代表者が出席することができる。ここで、ダンジョン協会の大まかな方針が決まるのだ。


当然DPの納入額が多い程発言権も高まる。因みに総合ランキングでは、1位が試練の塔、2位がクワトロメイズ、3位がダンジョン協会の直轄ダンジョン、4位がミスタリアだ。

続いて5位がドライスタ様だ。新人でこの順位は前例がないらしい。まだ仮オープンの段階で1年も経過してないからね。それから「血のダンジョン」が8位、「光の洞窟」が10位と続く。


特にトップ10と呼ばれる10位以内のダンジョンは議決権もある。ダンコルと契約しているダンジョンがトップ10の過半数を占めているので、こちらの意に沿った議決ができる。ただ、強引に議決したと言われないためにこちらの正当性を主張したい。

議決権はないが、出席しているダンジョン関係者は一定のDPを納めている優良ダンジョンなので、今後のことを考えても、支持を得ておきたい。


そんなことを思いながら会議の進行を見守る。

ダンコルの関係者は、キョウカ様の従者枠としてヘンリーさんと私が、ドライスタ様の従者枠としてミランダ社長とタリーザが出席している。

タリーザの出席予定はなかったが、「ドライスタ様の雄姿をこの目に焼き付けたい」と言って聞かなかったことから、出席することになった。まあ、古龍を神のように進行するダークリザードなので仕方がないかとも思う。


会議は、クレメンス・エドワーズ会長の挨拶に始まり、表彰式が執り行われた。まずは新人マスター部門の表彰だ。

ここでは代表でドライスタ様が表彰を受け取る。タリーザは歓喜の表情を浮かべ、涙ぐんでいる。


「何ということでしょう!!こんな場面を見られるなんて・・・」


ただ表彰を受けているだけだろう?と思うが、言わないでおこう。

因みにこの表彰式ではミーナの姉のマーナさんも新人マスター部門で表彰を受けていた。父のラッセル会長は「あの可愛かったマーナが立派になって・・・」と、こちらも涙を流していた。


続いては、トップ10の表彰だった。

ここではキョウカ様が代表で表彰を受け取り、挨拶を始める。


「私はここ300年以上トップを守り続けてきました。それなりにトップとしての責任もあります。だから苦言を呈します。最近のダンジョン協会の暴挙は目に余ります!!」


会場は騒然となる。

クレメンス会長は戸惑いながら、キョウカ様に言葉を掛ける。


「キョウカ様!!な、なにをそんなことを・・・」


「黙りなさい!!ダンジョンの乗っ取りやDPの不正使用など数えたらキリがありません!!」


これにドライスタ様が反応する。


「なに!!我が納めたDPを不正に利用しているのか?許せん!!」


ここまでは、予定通りだ。


クレメンス会長は慌てた様子で弁明する。


「ちょ、ちょっと、お待ちを・・・。確かに不正や不祥事があったことは間違いありません。ただ、職員が勝手にやったことで、ダンジョン協会としては管理責任はありますが、再発防止に努めている次第でありまして・・・・」


「もう諦めなさい!!証拠もあります」


キョウカ様の言葉で、会場が静まり返る。

ここで、ドライスタ様が言う。


「おい!!エルフ。その証拠とやらを見せてもらおうか」


「分かりましたわ。ここからは従者の者に説明をさせます」



舞台が整ったところでヘンリーさんが説明を始める。ここからが断罪の始まりだ。


「それではキョウカ様の従者として、説明させていただきます。これからお配りする資料をご覧ください」


参加者に資料が配布されると次々に声が上がる。


「こ、これは酷い」

「うちのダンジョンもやられてるじゃないか・・・」

「最近、帳簿が合わないことが多々あったんだが・・・そういうことか」


ミスタリアグループや「光の洞窟」のような私達の契約ダンジョン以外にもヘンリーさんは調べられるだけ調べていたようだった。


「ちょっと調べただけでもこれだけネタが上がっています。実際に被害に遭ったマスターにも証言してもらいましょう」


ここで、ラッセル会長、「光の洞窟」のネロスさん、クワトロメイズのニールさんが証言をする。これには会場が騒然となっていた。


「なんてことだ!!我がダンジョンも同じことをされているぞ!!」


そう叫んだのはランキング7位の「鉄のダンジョン」のドワーフのマスターだった。

更にランキング9位「森のダンジョン」のエルフのマスターが続く。


「私のダンジョンにもほぼ意味のないスポーンが設置されています。これはそういうことでしょうか?」


他にも口々に声を上げるマスターが現れた。


ここで、クレメンス会長が声を上げた。


「みなさん!!落ち着いてください。確かにそうですが、なんと言いますか・・・状況証拠だけですよね。所在不明のDPは存在しますが、行先は分からず、また、担当した職員も所在不明ですし・・・・。まあ、言ってみれば我々ダンジョン協会も被害者なわけですよ。一人でも不正に加担した職員が見付かればいんですが・・・。そうすれば、真相が分かるのですがね」


往生際が悪い。ここまできて、言い逃れをするのか・・・・。多分、担当の職員はすべて消されているのだろう。絶対に担当職員が現れるわけがないと高を括っているのだ。

しかし、ヘンリーさんが言う。


「会長が言われたように不正に加担した職員が一人でも見付かればいいということですね。分かりました。それでは、お入りください」


ヘンリーさんの指示で拘束された二人の魔族が姿を現した。

クレメンス会長は青ざめる。


入って来た魔族のうち一人は、私の実家のダンジョンを陥れた職員だった。

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