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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第五章 動き出した陰謀

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定期報告会

今日は恒例の定期報告会のため、せっせと「試練の塔」で会場設営をしている。

今もキョウカ様の厳しい指示の元、飾り付けなどを行っていた。


「ここしばらく姿を見せないなんて、恩知らずね。しっかりと働きなさい」


キョウカ様は相変わらずだ。

でも、かなりソワソワしている。ミルカ様の話だと、1週間くらい前から茶葉を厳選したり、お菓子を用意したり、夜の料理やお酒の準備をしていたようだった。


今回の定期報告会に参加するのは、ダンコルからは私とミランダ社長とヘンリーさん、ミスタリアからはラッセル会長とミーナ、クワトロメイズから代表のクリスさんとコーディネーターのニールさん、私とミーナの同級生のルキアさん、「光の洞窟」からはマスターのネロスさん、「血のダンジョン」のアスタロッテさんだ。

それに加えて、ドライスタ様ご夫妻も参加される。


定期報告会は例のごとく、キョウカ様とドライスタ様の舌戦でスタートする。いつものことで、二人とも本気ではないので、他のメンバーも微笑ましく見守っている。


「あらあら、ちょっとダンジョンが上手くいっているからって調子に乗らないほうがいいですわよ。こちらは1000年以上の歴史と伝統のあるダンジョンですからね」


「我は新人マスタ―ランキングで1位になったのだぞ。古いだけのダンジョンの主に言われたくないわ」


二人が落ち着いたところで、お茶やお菓子を摘まみながら報告会はスタートした。

最初に報告したのは「光の洞窟」のニールさんだった。


「この度、我が「光の洞窟」が魔勇者パーティーの研修先として認定されました。強さ至上主義の魔族にあって、最弱種族のゴブリンが活躍していることが珍しく、今後魔族を背負って立つ若い世代に是非参考にしてもらいたいとのことでした・・・・」


ああ、あの阿修羅&ゴブリンズが訪問するところか。初代魔勇者パーティーにゴブリン族が3人もいることにニールさんも喜んでいるようだった。


「それについてですが、魔勇者パーティー到着前にロンメルさんにお越しいただいて、ゴブリン軍の訓練をお願いしたいと思っています」


ゴブリンの軍事力を見せつけたいとの意向だった。


「それと、ちょっと言いにくいのですが・・・・」


ニールさんによるとピアース王子が率いるハーレムパーティーも「光の洞窟」を訪れたそうだ。そこで、なんと3人も若いゴブリン女性がハーレムパーティ―に加わってしまったらしい。その中にはゴブリンの代表のゴブタンさんの娘のゴブミさんも入っているそうだ。


「ゴブタンはゴブミのことをかなり心配しています。できれば、ゴブミ達が元気かどうか調べて欲しいのですが・・・」


「大丈夫ですよ。追加料金なしで受けますよ」


ミランダ社長が言う。多分私かミーナが調べることになりそうだ。



それから報告が続く。

ミスタリアは業績がかなり伸び、クワトロメイズはアスタロッテさんのサブダンジョンのお陰で、収入も伸びているそうだ。

ダンジョンからの報告が終わったところで、ヘンリーさんが報告を始める。もちろんダンジョン協会についてだ。


「皆さんもダンジョン協会にはかなり手を焼いたと思います。私からはダンジョン協会を調査した結果を報告します」


ヘンリーさんの説明はこうだった。

ミスタリアのDPダンジョンポイント横領事件、「光の洞窟」のダンジョンボス事件、クワトロメイズのニールさんの研修事件などの追跡調査、温泉地ベッツの無許可ダンジョンについての報告がなされた。


「決定的な証拠はありませんが、おぼろげながら分かったこともあります。現会長のクレメンス・エドワーズの派閥が関係していると思われます」


クレメンス・エドワーズの息子はローレンスで、私達のダンジョン経営学部の同期だ。コイツのせいで私も就職の危機に陥ったのは今でも腹立たしい。

決定的な証拠はないものの、ヘンリーさんの地道な調査で、ほぼこの親子が関係していることは間違いないとのことだった。

流石はヘンリーさんだ。


「今まで話したとおり、今後もあの手この手で工作を仕掛けてくるでしょう。今後も連携を取り、対策をしていきたいと思っています。それと次回のマスター会議では、少しこちらから仕掛けてみてもいいかもしれません」


マスター会議というのは、3年に一度開催される会議で、一定のDPを納めたダンジョンマスター又はダンジョングループの代表者が出席することができる。ここで、ダンジョン協会の大まかな方針が決まるのだ。

当然DPの納入額多い程発言権も高まる。因みに総合ランキングでは、1位が試練の塔、2位がクワトロメイズ、3位がダンジョン協会の直轄ダンジョン、4位がミスタリアだ。

続いて5位がドライスタ様だ。新人でこの順位は前例がないらしい。まだ仮オープンの段階で1年も経過してないからね。

それから「血のダンジョン」が8位、「光の洞窟」が10位と続く。よく考えてみれば、ダンコルの契約ダンジョンがトップテンを独占している形だ。これはダンジョン協会も無視できない。


ヘンリーさんが今後の方針などを伝えたところで、ドライスタ様が声を上げる。


「我にはよく分からんが、とりあえず、脅せばいいんだな」


これにキョウカ様がツッコミを入れる。


「あの分かりやすい説明で理解できないとは・・・・・可哀そうな頭のトカゲさんですこと」


「何を!!お主も理解できてないだろうが!!」


ドライスタ様とキョウカ様が口喧嘩を始めたところで、報告会は終了した。



夜間の部へと進む。

ここからは気兼ねなく、美味しい料理やお喋りを楽しむ。

私としては、龍神ダンジョンの新人スタッフ達も連れて来たかったが、流石に全員は連れて来られない。可愛そうなので美味しい料理を見繕って、お土産に持って帰ってあげよう。


ダークリザードのタリーザには魚介系の料理、ダークドワーフのダクネスには骸骨騎士様ロンメルさんの秘蔵のお酒、エルフ系のエリーナにはキョウカ様の手作りのお菓子とお茶を見繕った。多分みんな喜ぶだろう。


夜間の部も終盤に差し掛かったところで、何とダクネスが会場に入って来た。転移スポットからやって来たのだと思う。

(料理が楽しみで待ちきれなかったのかな?)


呑気にそう思っていたが、そうではなかった。


「ナタリーさん!!実家が大変だっていう緊急の連絡が来たッス。急いで確認してほしいッス!!」


私の実家に何が・・・・

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