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<完結>ダンジョンコンサルタント~魔王学院ダンジョン経営学部のエリートが劣等生女子とともにポンコツダンジョンを立て直します  作者: 楊楊
第四章 オリジナルダンジョン

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水龍ダンジョン 5

「なるぼど、ミックスナッツか・・・・いいパーティーにビッグパールを採取されたね」


「そうね。これで、メインコースだけでなく、色々な場所を隈なく探索しようとする冒険者が増えるわね。そうなれば自然と滞在ポイントを稼げるし」


そう言うのはヘンリーさんとミランダ社長だ。Cランクとはいえ、ほぼ駆け出しの冒険者パーティーのミックスナッツがS級素材のビッグパールを採取したことで、一気に水龍ダンジョンの入場者は跳ね上がった。

冒険者達も水龍ダンジョンのコンセプトに気付いたみたいで、素材採取がメインのパーティーが他の都市から訪れるようにもなった。


水龍ダンジョンができたことで、ニューポートはダンジョン都市として有名にもなった。ダンジョンが一つあるだけでも大きな利益を生むのにそれが二つもあるのだ。ユリシア大陸で一つの都市にダンジョンが二つ以上あるのはテトラシティしかない。

冒険者用の情報誌には「新たなダンジョン都市ニューポート」という特集記事が掲載されていた。

そこには、ギルドが育成に力を入れており、初心者冒険者でも無理なく成長できることや発展中の町で仕事がいくらでもあることなどが書かれており、サクセスストーリーとしてミックスナッツのインタビュー記事も掲載されていた。

もちろん記者はミーナだ。ミランダ社長の伝手を使って、掲載に至ったらしい。


記事にはこのように書いてあった。


ミックスナッツに新規加入したリザードマンのクロコ氏が語る。

『ダンジョンボスの討伐ではなく、素材採取をメインでダンジョンに入りました。特にメインコース以外の場所を中心に探索していたのですが、2階層の地底湖に潜ったときに不自然に土が盛り上がっている場所を見付けたので、少し掘ってみたらビッグパールが出てきました。このダンジョンにはまだまだ秘密がいっぱいだと思うので、これからも探索を続けます』


少し、脚色しているようではあるが、まあ許容範囲だろう。



水龍ダンジョン構築の責任者のマモンさんは言う。


「奮発してA級素材を出して良かったと思います。実はまだ仕掛けを用意してるんですよ。もっと楽しんでほしいと思ってます」



それからしばらくして、阿修羅&ゴブリンズが水龍ダンジョンに挑戦することになった。


阿修羅&ゴブリンズは新メンバーとして魔道弓兵隊の隊長のアルテミス王女が加入していた。これには訳がある。魔族側も人族の勇者制度に習って、魔勇者制度を作ったみたいだ。目的は人族と魔族の相互理解が目的のようだった。当初は龍神ダンジョンを攻略したピアース王子が初代魔勇者となるはずだったが、何か問題を起こしたようで、ピアース王子の姉であるアルテミス王女が初代魔勇者になることになったのだ。

パーティーメンバーの選定については、ニューポート側の思惑もあり、アルテミス王女が阿修羅&ゴブリンズに加入するに至ったようだった。

それに魔勇者の認定はニューポートが行うようで、認定基準は「人格的に優れ、龍神ダンジョンの攻略又は水龍ダンジョンでA級以上の素材を採取すること」が条件だった。これでますますダンジョンの入場者が増えるのでこちらとしては嬉しい限りだ。

今回、阿修羅&ゴブリンズは魔勇者パーティーに認定されるために水龍ダンジョンでA級以上の素材採取が目的のようだ。


阿修羅&ゴブリンズはしっかりと準備して来たみたいで、ダンジョンガイドとしてリザードマンで水龍神殿の巫女のリザラをガイドとして雇っていた。

このパーティーもメインコースを進まず、2階層の地底湖を念入りに探索していた。

しばらくして、リザラが地底湖に潜り、他のメンバーが周囲の警戒に当たっていたところ、リザラが宝箱を引き上げて来た。

水中で、リザラが開けられなかったので引き上げてきたようだった。

マモンさんは言う。


「これは予想外ですね。水中活動が得意でかつ宝箱を開けるスキルがないと入手できないようにしていたのですが、力技で宝箱を引き上げてくるとは・・・・。あのリザードマンは凄いですね」


引き上げた宝箱はゴブル管理官が時間を掛けて解錠した。中には石板が入っていた。パーティーは会議をしているようで、しばらくして仕掛けに気付いたようだった。パーティーは行き止まりの壁に進み、石板がピッタリはまりそうな窪みに石板をはめ込んだ。すると壁が割れ、転移スポットが現れた。


「転移スポットの先に裏ボスを置いているんですよ。このパーティーの弱点を突いたボスをね」


裏のダンジョンボスはポイズンリザードだった。

ポイズンリザードは大きなトカゲ型のB級の魔物だ。攻撃力、防御力ともに高く、特徴として毒攻撃がある。ポイズンリザード対策のセオリーとしては、遠距離からの魔法攻撃が有効だ。

マモンさんは言う。


「このパーティーの最大火力は前衛の阿修羅族のコンビです。毒攻撃でこのコンビの近接戦を無効にします。遠距離の攻撃はゴブリンの姉妹ですが、この二人は火力に乏しいので討伐は無理でしょうね」


いい作戦だと思ったが、誤算があった。

それはアルテミス王女の存在だ。魔道弓兵隊の隊長で、超一流の弓使いである彼女が加入したことで大幅に戦力アップしていたのだ。

今も高火力の遠距離攻撃がポイズンリザードに命中している。

更にアルテミス王女の攻撃をサポートするべく、ゴブリンの姉妹が絶妙のタイミングで攻撃を繰り出している。

マモンさんの評価は低いが、私は彼女達の実力を評価している。火力がない分、援護射撃には定評がある。実際にリバイネ様の救出作戦でも活躍していた。


更に阿修羅族のコンビもその辺の石で投石攻撃をしていた。これも意外に破壊力があった。

そして、しばらくして、ポイズンリザードは全くいいところがなく、討伐されてしまった。


「あのダークエルフの弓使いの存在は誤算でした。いい勉強になりましたよ」


マモンは言う。

マモンさんの話だと、裏ボスはポイズンリザードだけではないらしく、もっと強めのボスを用意しているとのことだった。


「このパーティーはこれで帰還するでしょうが、別のパーティーにも他の裏ボスに挑戦してもらいたいですね」



ポイズンリザードのドロップアイテムは水龍の牙でS級の素材だった。しかし、元手はタダなのでDPに余裕があるそうだ。リバイネ様かリバイア様にちょっと牙を抜いてもらえればいいだけだし・・・・


後日、S級素材を入手した阿修羅&ゴブリンズは正式に魔勇者パーティーと認められた。以後、彼らの活躍で、より多くの魔族の冒険者がニューポートを訪れることになる。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!


今回で第四章が完結です。

次回からとうとうあの組織が動き出します。

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